shuの花日記

山や近所で見かけたお花をエピソードを添えて掲載しています。お花の説明は主にウィキペディア、花図鑑を参考にしています。

表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その①(姿見駅→旭岳)

2024-07-24 05:30:00 | 山行・旅行
7月中旬に3泊4日の日程で、表大雪の旭岳からトムラウシ山までを縦走した。
(地図をクリックすると大きくなります。)


全行程は44.7km、累積標高差は登りが2526m・下りが3481mで、歩行時間は途中休憩を含めて31時間あまり(宿泊地到着後の時間は含まず)となった。全行程が単独でのテント泊のため荷物が重く、タフな山行だった。撮影した写真は、高山植物を中心に800枚あまりとなった。それらの中から選りすぐったものを、撮影順にご覧いただきたいと思う。

大雪山旭岳ロープウェイの姿見駅を6時48分に出発した。天候は曇りで駅を出ると正面に旭岳が望めた。窪地に雪が残っていた。
 

姿見駅を出るとすぐにお花畑が広がっているのが嬉しい。先ずは夫婦池を経由して、姿見の池に向かった。


・エゾノツガザクラ(蝦夷の栂桜、Phyllodoce caerulea、ツツジ科ツガザクラ属の常緑小低木)
日本では東北地方以北に分布し、高山帯の適度に湿り気のある岩場や草地に群生する。


・チングルマ(珍車・稚児車、Sieversia pentapetala、バラ科チングルマ属(Sieversia)またはダイコンソウ属(Geum)の落葉小低木)


・ウラジロナナカマド(裏白七竃、Sorbus matsumurana、バラ科ナナカマド属の落葉低木)


・エゾイソツツジ(蝦夷磯躑躅・蝦夷石躑躅、Ledum palustre L. subsp. diversipilosum var. yesoense、ツツジ科イソツツジ属の常緑小低木)


・ミヤマアキノキリンソウ(深山秋の麒麟草、Solidago virgaurea subsp. leiocarpa、キク科アキノキリンソウ属の多年草)


・エゾコザクラ(蝦夷小桜、Primula cuneifolia、サクラソウ科サクラソウ属の多年草)
北海道に分布する。高山の湿った所に生育する。




・コマクサ(駒草、Dicentra peregrina、ケシ科ケマンソウ亜科コマクサ属の多年草)


地獄谷から絶えず噴煙が上がっていたが、風向きの関係で匂いはしなかった。
 

7時22分、姿見の池で旭岳を眺めながら朝食を摂った。


ここまでは遊歩道だが、この先はいよいよ登山道に入る。旭岳には5年前に登っていて、砂礫が多い登山道のことはよく覚えていた。


この先は咲いている花が少なく、ペースを一定にしてゆっくり黙々と登った。六合目までで観られた花はキジムシロの仲間のこの花だけだった。自信がないがエチゴキジムシロのように思えた。
(モウズイカさんよりエチゴキジムシロは大雪山にはないとのご指摘がありました。そこでメアカンキンバイに訂正しました。)
・メアカンキンバイ(雌阿寒金梅、Sibbaldia miyabei、バラ科タテヤマキンバイ属の小低木)
北海道の硫黄山、羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳、大雪山系、羊蹄山に分布し、高山の日当たりのよい斜面や砂礫地に生育する。北海道以外では千島列島に分布する。


8時2分に六合目に着き、振り返るとまだ姿見駅が見えていた。
 

その後ガスが濃くなってきた。風はそれほど吹いていなかった。8時21分に七合目を通過し、8時43分に八合目に着いた。ここで雨具を着用した。
 

9時8分に九合目に到着した。近くにイワツメクサに似た花が咲いていた。自信はないが生育場所からエゾイワツメクサと思われた(イワツメクサは本州に分布。オオイワツメクサは北海道の日高山系、夕張山系に分布)。


・エゾイワツメクサ(蝦夷岩爪草、 Stellaria pterosperma、ナデシコ科ハコベ属の多年草)
北海道の大雪山系に分布し、高山帯の砂礫地などに生育する。


9時26分に旭岳山頂(標高2291m)に到着した。ガスで展望は全くなかった。十数人が休んでいたように見えたが、ここでは休まず先へ進むことにした。
 

標識とGPSを照合して、慎重に進むべき道を確認した。


表大雪(旭岳→トムラウシ山)縦走 その②(旭岳→白雲岳避難小屋) に続く。

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます^^ (attsu1)
2024-07-24 06:40:40
表大雪縦走、
全行程は44.7km、累積標高差は登りが2526m・下りが3481m(@_@)(@_@)
これを重いリュックを背負ってですもんね
shuさん、凄い!!!そして、お疲れさまでした。

エゾノツガザクラ、
ツツジ科ツガザクラ属、ツツジの仲間なんですね。
イソツツジもツツジ科、高いところに咲く、ツツジの仲間がたくさんあることを知ります。

エゾイワツメクサ、
そして、やはり北海道、蝦夷がつく名前の花も
色々楽しませていただきました。
ありがとうございます。

北海道から返ってくるとこちらの暑さを
余計感じたのでは?

先日、久しぶりに、忍野八海に行ってきました。
外国人観客の凄い人数に驚きましたが^^;
富士山には少し雲がありましたが、見ると嬉しくなります
そして、10年以上前、友人と登った富士山を思い出したんですが、
shuさんのように、高い山に行くことは無いだろうなぁって思った私です^^;
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Unknown (なつみかん)
2024-07-24 08:15:17
おはようございます。
す、すごい‥
3泊4日の単独行、標高差も、歩く距離もすごい!!
shuさんが修験者のように思えてきました。

次々と現れる高山植物に、心が洗われる思いです。
お写真だけでもそんな気持ちになるので、実際にみたら感動一入ですね。
でもそんな気持ちも、ガスと聞いて萎えてしまいました。
津軽半島を車で回った時、ものすごい霧で、ドライブウェイなのに不安になりました。
それなのに、山道、しかも1人で行動されてるのに、冷静に判断されてしっかり目的地に到着されるのがさすがですね!
旭岳というと、ん十年前にロープウェイで登ったことがあるのを思い出しました。
その時もすごい霧で、降り場付近でリスと遊んだだけでした。
続きも楽しみにしています!
返信する
エチゴキジムシロ (モウズイカ)
2024-07-24 08:20:41
こんにちわ。素晴らしい山行きレポートが始まりましたね。私も行きたいのですが、いかんせん体力がありません。
ところでエチゴキジムシロですが、手持ち書籍も確認したところ、大雪山には無い種類のようです。
花色がレモンイエローに見えるので、同じキジムシロ属のメアカンキンバイかなと思いました。
この花ならば、私も大雪山で何度も見ております。
例えば↓頁の下の方。
https://blog.goo.ne.jp/mouura2/e/15e37edb9a22bf869531205ebe8d5bef
続編も愉しみにしております。
返信する
北海道 (takan32)
2024-07-24 08:34:25
shuさんへ、私のブログにいいね!をありがとうございます。
北海道には一度、10日間くらいで一周したことがあります。でも、大雪山には行っていません。摩周湖のそばにある摩周岳には登ったことがあります。ユースホステル利用で行った時、2同じ日に泊まっている方20人くらいと行きました。
何年か前、一度、大雪山に行ってみようと考えたことはありますが、結局、行っていません。
返信する
attsu1 さん こんにちは (shu)
2024-07-24 08:58:57
>attsu1 さんへ
>おはようございます^^... への返信

コメントありがとうございます。
5年前より憧れていた表大雪の縦走を果たせました。歩いてみると何とかなるものです。
天候に恵まれたことも幸いしました。

植物は初めて観るものが多くあり、図鑑の他にブログユーザーの記事を参考にしました。
結果としてそれが間違える原因になりました。

北海道でも30℃を越える暑さでしたが、やはり千葉に戻ってからは猛暑が厳しく感じます。
朝夕シャワーを浴びています。

忍野八海に行かれたのですね。涼しかったのではないですか?
外国人観光客は、札幌でも多いと思いました。円安の所為でしょうかね。
ホテルも予約を取るのが大変でした。
返信する
なつみかんさん こんにちは (shu)
2024-07-24 09:07:33
>なつみかん さんへ
>おはようございます。... への返信

コメントありがとうございます。
憧れの縦走路を歩くことができました。

大雪山のお花畑は、これまで観てきた山のものとはスケールが違います。
明日以降、ご覧いただきたいと思います。

初日、2日目はガスの中を歩く時間が長かったので、涼しくて助かりました。
カンカン照りよりはずっと良いですが、風景写真には適しません。
お花好きの人には、曇りがベストなのですが、今回はガスの中が多かったです。

残念ながらリスには出会えず、見かけた動物は鳥だけでした。
下山後はエゾシカ、キタキツネに何度か会えました。
返信する
モウズイカさん こんにちは (shu)
2024-07-24 09:21:04
>モウズイカ さんへ
>エチゴキジムシロ... への返信

「エチゴキジムシロ」と書いた間違いをご指摘いただき、ありがとうございます。
本文を訂正しました。

旭岳から間宮岳へ向かう途中で観たものは、(その②で)「メアカンキンバイ」と書いていたのですが、ここで観たものは「エチゴキジムシロ」と書いてしまいました。
その理由は、「旭岳 キジムシロ」で検索したところ、エチゴキジムシロの記述が複数あったためです。
しかし、それらはいずれも個人のブログでした。
図鑑で確認したところ、エチゴキジムシロの分布は「本州の日本海側」とありましたので、明らかな間違いでした。

今後はより慎重に確認して記載したいと思います。
引き続き、よろしくご指導をお願いいたします。
返信する
takan32さん こんにちは (shu)
2024-07-24 09:26:25
>takan32 さんへ
>北海道... への返信

コメントありがとうございます。
念願が叶って表大雪を縦走することができました。

白馬岳や白山も素晴しいですが、大雪山のお花畑はスケールが違いますね。

ガスの中で良い風景写真が撮れず、ご覧に入れられないのが残念です。
お時間が取れたら、是非お出かけ下さいませ。
返信する
山男 (山歩き)
2024-07-24 11:10:09
shuさんこんにちは。大雪山大縦走と長編ブログ執筆お疲れさまでした。山頂からの展望が得られなくて残念だったかと思いますが、見事なお花畑や希少種を堪能されたことと思います。

ハクサンコザクラは見慣れておられると思いますが、エゾコザクラの印象は如何だったでしょうか。大きさや色合いが違うとか、見た目は変わらないとか、お聞かせ頂ければ幸いです。
大雪山旭岳は2017年7月5日に訪れました。今回見せて頂いたお花以外に、キバナシャクナゲが沢山咲いていましたが、今回は観られなかったようですね。

6合目からから振り返った時、トムラウシ山は見えなかったでしょうか。遥か彼方に見えた私は、あそこまで縦走する方々は筋金入りの山男だろうなと眺めていました。
チングルマから、アキノキリンソまで春、夏、秋のお花が咲くこの季節に再訪したいものです。

三泊四日のテント泊など私には出来ないことですが、この先のお花畑もテント泊の様子も楽しみに拝見したいと思います。
返信する
山歩きさん こんにちは (shu)
2024-07-24 15:39:03
>山歩き さんへ
>山男... への返信

コメントありがとうございます。
3泊4日のうち、よく晴れたのは2日目の午後と3日目でした。雨は1日目の夜に降りました。
曇りの天候はお花の撮影には適していて、よかったと思います。

エゾコザクラはハクサンコザクラより大きいです。オオサクラソウと同じくらいのように思いました。
明日以降にも写真が出てきますので、ご覧いただきたいと思います。

キバナシャクナゲは、旭岳から間宮岳へ向かう途中に大きな群落を見ました。
これも明日のブログでご覧いただきたいと思います。

今回は旭岳からの展望はまったくダメでした。前回はトムラウシ山だけでなく、十勝岳まで見えました。
トムラウシ山まで行くと十勝岳が近いので、そのまま歩いて行きたいという誘惑に駆られました。
3泊4日のテント泊は思いの外快適でしたが、天候と北海道の涼しさのお陰様かと思っています。
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