映画「ファーストラヴ」を見てきました。
父親を殺したとして逮捕された大学生を芳根京子、その取材をする公認心理師に北川景子、そして、大学生の母親役に木村佳乃が出ています。
三人の女性が抱える心の傷が少しずつ浮き彫りになってきます。
伝えたかった気持ちを遮られ、失った言葉がトゲとなり心を蝕む。言葉は嘘になり、心を閉ざしてしまう。
心の傷を開くことは新しい苦痛を生む。しかし、それによって周囲の心を開いていくことができる。
事件が起きたときの行動だけではなく、幼少期からの心の生育過程が細かく紐解かれて事件の真相に迫っていきます。
それは逮捕された女子学生だけの問題ではなく、心理師も母も心の傷を見せて行きます。
悲しい運命だと哀れむのではなく、新たな出発点としての清々しさもあって、最後は気持ちが暗くならずに背中を押されるような感覚が芽生えました。
そして、私達は苦しむ人を救済するという大それたことをしなくてもいい。ただ、身近な人たちの言葉に耳を傾けるだけでいいんだよと、気持ちに寄り添う大切さを教えてくれる作品だったと思います。
三人の女優さんの心の内を吐き出すような演技もすばらしく感じ入りました。
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