昨夜はザ・ルーテルホールでチェロとピアノの演奏会でした。
20世紀前半に活躍した、日本ではあまり知られていないイギリスの作曲家の曲を集めたプログラムでした。
クラーク、バックス、アイアランド、バントック。
チェロとピアノの室内楽も好きなので、とても楽しみにしていました。
でも・・・。
大いに期待外れでした。
ピアノとチェロの演奏がまったくかみ合っていなくて、それぞれが楽譜通りに音を出しているという印象を受けました。
何というのか、ビミョーな不協和音?もしかして、今のミスタッチ???
独特な音楽だということはわかりましたが、その範疇におさまりきらない何かちぐはぐな感じが気持ち悪かったです。
前半が終了して休憩をはさみ、さて後半。
ステージに登場したチェロ奏者が、後半の演奏を始める前に裏話的なトークをしてくれました。
「前半は重い曲が続いてつらい思いをされた方も多かったと思います。こう言うと後半は明るくなるのかと思うかもしれませんが、後半も暗いです」
会場内、笑い。私も笑ってました。
「先日、わたくし60歳の誕生日を迎えまして・・」
客席から拍手が起きる。私はしませんでした。
「60歳になって初めての演奏会です。で、よせばいいのに、本日のプログラムはすべて初めて弾く曲なんです。それで、とても緊張しています」
私は「はぁ~?!」 。私、演奏会で何が腹が立つって、いい大人の演奏家がまだおこちゃまの発表会の感覚で演奏会をするのがほんと嫌なんです。
この演奏会は、チェロ、ピアノとも奏者が地元で活躍されているお二人なので、お知り合いの方や師弟関係の方々などが多く聴きにいらしていたのかとは思いますが、それなりに入場料もとって演奏するわけですから、プロ意識を持ってほしいですね。
はっきり申し上げて、演奏会にトークは不要です。
楽譜の中に作曲家の意図をくみ取り、自分の解釈を交えてどのように昇華して演奏=表現するのか。それに尽きるような気がします。
昨夜はプログラムの分だけ聴き終えて拍手をした後、アンコールを待たずに早々に会場を後にしました。
こういう思いをすると、つくづく何かを鑑賞するのは自分のお金を払ってするべきだと実感しますね。
だって、もし誰かに誘われたり、いただいたチケットだったら、自分の感情が自分でも素直に感じ取れないんじゃないかしら。
ま、これもひとつの感想です。
自分の貴重な時間とお金を天秤にかけると、いい演奏会だったほうが行った甲斐があるというものですが、こういう残念な思いをすることも、年に数回あるわけです^^;
でも、無駄だとは思わないんですよね。負け惜しみじゃないですよ。
ただ、今回の演奏会の奏者だった方の演奏会にまた行くかというと、ちょっと敬遠してしまいます。
あまり知られていない作曲家の曲はまた別の機会があれば聴きに行くつもりです。