陶子の心の窓

今日わたしの心の窓は開いていたかな?あなたはいかがでしたか?

万引き家族

2018-12-13 16:45:28 | 映画
先日、映画「万引き家族」を観ました。
かなり前から上映されていますので、ご存知の方も多いでしょう。
ぶしつけですが、ネタばれ云々かまわず思うままに書いていきます。

見終わって一言でこの映画を表現するなら、パンドラの箱を開けちゃったみたい、と言う感じ。
人間のずるいところ、弱いところ、哀しいところとか、世間の"一般常識"がいかに当事者にとっては不幸な境遇に身を置かなければならない結果になっているか・・などなど、万引き家族の一人一人を通して次々と描かれていきます。

人生、ちょっとでもわき道にそれちゃったら罪を犯しながら生きていくしか方法はないのだろうか…。
そんなことはないと思うし、現実にはそうでない人の方が大勢でしょう。
映画だからデフォルメしている。だから見ていられる。

ふと思う。こういう世の中の悲しい出来事を描いた映画やドラマっていつの時代もあるんだ、と。
この映画を観ていてちょっと「火垂るの墓」を思ったりもしました。「火垂るの墓」は戦争中のお話だから、戦争でみんなギリギリ大変だったんだなぁと。戦争の時代ではなく、平和な世の中でみんなが衣食住に満たされていたら、あの兄妹はあんなつらい思いをすることはなかったんだと思いました。
だけど、「万引き家族」は今、現在のお話だよ!
基本なにも変わっていない。

世の中のことがまだよくわからない、親を頼るしかない子どもが、人生の道のりで不意打ちをくらっちゃうということがいつの時代もあるの?!
そのことに衝撃を受けます。

今は平和で街も各家庭も衛生的、食べ物も豊富にある。戦争時代の比ではない。
満たされている時代のはずなのに、心が満たされない大人が多い。
心が満たされない大人は、子ども時代何かに飢えていたのでしょう。それもやるせないことです。

映画の最後の方では、ゆりと祥太に少~し希望の光が差す場面がありますね。パンドラの箱の片隅に残ったのが希望だったみたいに。
不幸な親を乗り越えなくては。不幸な子ども時代からそのまま大人になるんじゃなく、ね。
そう考えると、愛にあふれる人は安藤サクラ演じる信代さんだなぁ。。

ぎゅっと抱きしめることです。新しい服じゃない。

新しい服を買ってあげることがわが子に対する愛情表現と思っている(刷り込まれているように私には見えた)ゆりの母親がとても哀しかったな。
「新しい服」をほかのものに置き換えると、あながち他人事でもないんじゃない・・なんて思う。

Comment    この記事についてブログを書く
« 冬の体調管理 | TOP | 今年の漢字 »
最新の画像もっと見る

post a comment

Recent Entries | 映画