思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

【読書メモ】2012年7月③ その他

2020-02-11 11:15:09 | 【読書メモ】2012年
<読書メモ 2012年7月③>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『分身』東野圭吾
あまり面白くなかったけど、
遺伝の元となる細胞には染色体が23本しかなくて、
両親から半分ずつもらって46本の完全な細胞になる
という話しは良かった。

(まったく同じ顔で、2歳差の少女ふたりの物語。
 年齢差があるので双子ではない。
 まあ、遺伝子科学的ななにかがあるんだろなと思いつつ、
 いろんな謎とか人間ドラマとかが交錯します。
 東野圭吾は、<ガリレオ>シリーズは好きだけど、
 他でピンときた作品がないんだよなあ。
 うまいし、おもしろいとは思うんですけどね。
 相性的な問題ですかね)


『村上ラヂオ』村上春樹
ためになるし、おもしろいし、ドーナツ食べたくなる。

(村上春樹は小説もエッセイも好きですが、
 このシリーズが特に好き。
 「an・an」に村上春樹が連載してたってのも
 いいですよねえ)


『李歐』高村薫
60年代の若者って大陸への憧れみたいなのを
感じていたのだろうか。
その世代の気持ちは簡単にはわからないな。

(町工場で働く日本の青年と、
 世界を股にかける(?)謎多き中国人青年のお話し。
 1992年に単行本で出版された『我が手に拳銃を』が
 文庫化にあたって大幅改定&改題されたのが
 『李歐』(1999)だそうです。
 というか、もはや別物だそうです。
 時間があったら読み比べてみようかな)
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【読書メモ】2012年7月② 宮部みゆきの時代もの

2020-02-10 11:32:26 | 【読書メモ】2012年
<読書メモ 2012年7月②>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『ぼんくら』宮部みゆき
佐吉の家にいた長助が『日暮らし』では
あとかたもなく消えてるみたいなんだけど…

(こちらが<ぼんくら>シリーズの第1作目。
シリーズ第2作『日暮らし』を
 うっかり先に読んでしまった、
いつも通りの私です。
 むしろ、あまり間を開けずに『ぼんくら』を読んだ自分を褒めてあげたい。

 小さい謎から、殺人まで、連作っぽく事件を積んでいった先に、
 ぜんぶが繋がっている壮大なプロット!
 さすがの時間泥棒・宮部みゆき大先生です。
 おもしろいよ!!)


『本所深川ふしぎ草紙』宮部みゆき
7不思議にまつわる話し。
腑に落ちたり落ちなかったり、ちょっと波があったような。
特に「送り提灯」が意味わからんかった…。

(宮部さんの時代ものは
「怪異」系と「人間(本当に怖いのは人間でした)」系
(もしくは両方入り!)がある
と思っている私ですが。
 こちらは後者です。「人間」系。

 実際に語り継がれている<本所七不思議>をモチーフにした
 7つの連作短編。
 十手持ちである“回向院の茂七”親分が、ゆるっと物語を繋ぎます。

 当時の私にはハマらなかった模様。
 人間的な感情の機微にピンとこなかったのかな?
 若さってやつかな…)
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米澤穂信『満願』イヤミス?エゴホラー?

2020-02-07 14:45:46 | 日記
第27回山本周五郎賞(2014)を受賞した
米澤穂信の短編集『満願』。

2014年の「ミステリが読みたい!」(早川書房)、
「週刊文春ミステリーベスト10」(文藝春秋)、
「このミステリーがすごい!」(宝島社)で
のきなみ国内部門1位!
史上初のミステリーランキング3冠!

だそうです。
ほへえ〜、すごいな!!!



と思って読んだのですが。

そもそも、これはミステリではなくないか?
『柘榴』はタイトルですでにネタバレというか。

どちらかというと、人間ドラマ?というか、
エゴの部分をえぐった人間ホラーじゃないかなあ。

『関守』は、読んでいてちょっと期待したんです。
無理やり都市伝説のストーリーをつくろうとして
真相を推理しちゃうっていう流れかと思って。
だったら新鮮!と思って。
犯人がぜんぶ説明するのを聞くだけだった。
これ、ミステリじゃないよね?


ん〜〜〜〜、星ふたつ!!
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【読書メモ】2012年7月① 横溝&菊池寛

2020-02-06 16:15:50 | 【読書メモ】2012年
<読書メモ 2012年7月①>
カッコ内は、2020年現在の補足コメントです。


『犬神家の一族』横溝正史
映画のイメージが強すぎて
スケキヨが殺されるの待ちな感じになってしまった。

(映画を観たことない人でもご存知の“スケキヨの足”。
 実は原作には無いんですよ!知ってました?!
 映画を観たことない人でも頭に浮かぶ“白いマスク”。
 原作では白くないんですよ!知ってました?!)


『真珠夫人』菊池寛
タワシコロッケ出てこなかった…

(伝説の昼ドラを観たことのある人しかご存知ないであろう
 “タワシコロッケ”。
 実は原作には無いんですよ!
 そりゃそうだ笑
 それはさておき、『真珠夫人』はおもしろいですよ!
 大正9年(1920)の新聞連載小説です)


『本陣殺人事件』横溝正史
金田一シリーズ、おもしろいわー。
井戸の話しは犬神家の習作かな?
復員の設定がよく似てる。

(『本陣殺人事件』『車井戸はなぜ軋る』『黒猫亭事件』の3篇を収録。
 この表題作が金田一耕助のデビュー作。
 昭和21年の探偵小説専門誌「宝石」が初出です。
 復員の設定云々は『車井戸はなぜ軋る』の内容。
 そしてこの後、私の中で金田一ブームが続きます)
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村田沙耶香『コンビニ人間』すごい

2020-02-03 13:27:38 | 日記
村田沙耶香『コンビニ人間』。
言わずと知れた第155回芥川賞(2016)受賞作。

駅ナカの本屋さんでいまだに平積みされていて、
手持ちの文庫も無かったので
軽いきもちで買ってみました。

すごいおもしろかった!!!

話題になっていた時は、ちょっと小難しい話しかなと
軽く敬遠していたんですが
そんなことない!おもしろい!

文章も上手で読みやすいですし、
「ちょっとヘン」な主人公の自己分析とか、
解決法とか、合理的判断が、
そうくるか!って感じでとてもおもしろいです。

主人公と対比的な存在で
「普通」になれなくて苦しんでいる男性・白羽さんの
クズっぷりもいいですね。
主人公の妹が泣き出しちゃったときに、
「普通」フォローをする感じとか。
なんだかんだで「普通」を理解して
迎合しちゃってるんだよな白羽さん。

コンビニの仲間の名前は漢字で認識しているのに、
地元の女友達はカタカナなのも、人の認識記号ってことかな。
芸が細かいなと思います。

この作品を受賞させることができるなんて、
ちょっと芥川賞を見直してしまった。
やればできるじゃないか、と、偉そうに思いました笑
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