10月26日夜に放送されたNHKの「歴史秘話ヒストリア」の「・・ 邪馬台国・卑弥呼のヒミツ」(http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/103.html)については、興味深くまた面白く楽しめた。
番組の性格上、ある程度学術的な事実をおさえつつ、邪馬台国研究に関連したエピソードを並べた構成になっていて、素人でも楽しく見ることができる構成になっていた。
その分、学術的議論が出来る時間的余裕もないことは理解できる。それでも少し気になったことがある。邪馬台国の位置に関する重要な情報の一部が紹介されていなかったのだ。ただしこれを紹介すると、位置に関する謎やそれにまつわるエピソードやロマンも無くなるので、構成上やむを得ないことかも知れないが。
実は現存する最古級の世界地図の一つとされる「混一疆理歴代国都之図(こんいつきょうりれきだいこくとのず)」(龍谷大学大宮図書館所蔵)が超高精細デジタルカメラで解析処理し、消えていた地名や色彩の復元に成功した。というニュースが2009年11月22日のアサヒコムに掲載されていた。この地図を見れば、日本列島は九州が北で、本州はその南に描かれている。
この地図は、明代の1402年、朝鮮半島で作製されたとされる。すなわち、その時代までの中国人の日本に対する位置関係はこの地図の形で認識されていた可能性があるのだ。卑弥呼の時代も中国ではそのように認識されていたのか、逆に魏志倭人伝をもとにこの日本を描いたのかは分らない。邪馬台国当時、倭人が防衛上、中国人に邪馬台国の位置を隠す為に、九州の東にある邪馬台国を、わざと南にあると教えたのではないだろうか、といった推測も言われている。
いずれにせよ、中国人は邪馬台国が南にあると信じていたのは事実であろう。この地図で本州が九州の南に描かれている事実を見れば、魏志倭人伝に描かれた邪馬台国の位置関係は、方向は間違っていても相対的位置関係は地図上の本州の位置と合致する。確か吉村武彦氏の「ヤマト王権」(岩波新書)でもそのことが指摘されていたように思う。(明日確認予定)<図書館にその本が無かった為確認遅れました。同書17ページに簡略化した地図いりで記載されていました。>
今回の放送で、邪馬台国研究の進展状況がよくわかり、更に興味が掻き立てられた。新しい発掘・研究報道を考古学ファンとして楽しみに待ちたいと思っている。
参考
混一疆理歴代国都之図(ウイキペディア リンク)
歴史・考古学・民族学(このブログは左記リンクのカテゴリー別「歴史・考古学・民族学」ホルダーに収納しています。)
過去の注目ブログは、自選ブログ集・カテゴリー別(分野別)ホルダーに保存しています。
散歩者gooのトップページへ、 http://blog.goo.ne.jp/sksoo
番組の性格上、ある程度学術的な事実をおさえつつ、邪馬台国研究に関連したエピソードを並べた構成になっていて、素人でも楽しく見ることができる構成になっていた。
その分、学術的議論が出来る時間的余裕もないことは理解できる。それでも少し気になったことがある。邪馬台国の位置に関する重要な情報の一部が紹介されていなかったのだ。ただしこれを紹介すると、位置に関する謎やそれにまつわるエピソードやロマンも無くなるので、構成上やむを得ないことかも知れないが。
実は現存する最古級の世界地図の一つとされる「混一疆理歴代国都之図(こんいつきょうりれきだいこくとのず)」(龍谷大学大宮図書館所蔵)が超高精細デジタルカメラで解析処理し、消えていた地名や色彩の復元に成功した。というニュースが2009年11月22日のアサヒコムに掲載されていた。この地図を見れば、日本列島は九州が北で、本州はその南に描かれている。
この地図は、明代の1402年、朝鮮半島で作製されたとされる。すなわち、その時代までの中国人の日本に対する位置関係はこの地図の形で認識されていた可能性があるのだ。卑弥呼の時代も中国ではそのように認識されていたのか、逆に魏志倭人伝をもとにこの日本を描いたのかは分らない。邪馬台国当時、倭人が防衛上、中国人に邪馬台国の位置を隠す為に、九州の東にある邪馬台国を、わざと南にあると教えたのではないだろうか、といった推測も言われている。
いずれにせよ、中国人は邪馬台国が南にあると信じていたのは事実であろう。この地図で本州が九州の南に描かれている事実を見れば、魏志倭人伝に描かれた邪馬台国の位置関係は、方向は間違っていても相対的位置関係は地図上の本州の位置と合致する。確か吉村武彦氏の「ヤマト王権」(岩波新書)でもそのことが指摘されていたように思う。(明日確認予定)<図書館にその本が無かった為確認遅れました。同書17ページに簡略化した地図いりで記載されていました。>
今回の放送で、邪馬台国研究の進展状況がよくわかり、更に興味が掻き立てられた。新しい発掘・研究報道を考古学ファンとして楽しみに待ちたいと思っている。
参考
混一疆理歴代国都之図(ウイキペディア リンク)
歴史・考古学・民族学(このブログは左記リンクのカテゴリー別「歴史・考古学・民族学」ホルダーに収納しています。)
過去の注目ブログは、自選ブログ集・カテゴリー別(分野別)ホルダーに保存しています。
散歩者gooのトップページへ、 http://blog.goo.ne.jp/sksoo