緩和ケアで行こう

へなちょこ緩和ケアナース?!のネガティブ傾向な日記です。

日々の葛藤は続きます

2014-05-01 23:24:20 | 日々の「ケア」

 看護師さんは、いつも忙しそうにしていると、患者さんにもご家族にも、そういった印象があるようです。



 確かに。
 暇ではありません。

 申し訳ありませんが…。




 緩和ケア病棟では、急性期の一般病棟に比べると、多少は余裕があるように思われますが、そんなにたっぷりと時間があるわけではありません。




 でも、
 できるだけ、患者さんの生活のペースに合わせていこうと思って、日ごろからお手伝いをさせていただいて…・・・・・・・いるつもりです。





 ある患者様。




 認知症や精神疾患も抱えておられる女性の患者さんなのですが、とにかく、マイペース。




 

 いつものことですが、ある患者さんがどんなにマイペースでも、ほかの患者さんもいらっしゃいますので、ナースコールは誰か一人の患者さんのペースを考えて鳴ってくれることはまず、ありません、100%、ありません。
 それでも、なんとかやりくりをするのが私たち看護師のお役目っ。





 その、
 ある患者様。



 とってもマイペースな方で、お薬を飲んでもらおうとしても、なかなかこちらが「これをしましょう」といったことをしてはもらえない。
 こちらがよかれと思ってやらせていただいたことでも、ちょっとでもしっくりこないと、納得がいくまで???ナースコールが鳴り続ける。
 


 いつものように食後のお薬を飲んでもらおうとお部屋に伺ったところ、患者さんはそのタイミングでトイレに行かれました。
 (切羽詰まっていない排泄なら、後にしてほしかったという気持ちが自分には確かにありました・・・)


 ですから…。




 トイレに行くなら、ゆっくり用を足してもらおうというつもりで、
 「また、後で来ますわぁ」と、
 声をかけたのですが、



 その患者さん。





 「あなたはそうやって、いつも人を待たすのね」 from トイレ。




 



 私は、いつも待っているつもりでいたのですが、この患者さんからすれば、待たされていたようでした。

 ほかにやらないといけないことがその時にはたくさんあったのだけれど、この患者さんの印象は非常によくないわぁと思ったので。



 待つことにしました。
 トイレから出てくるまで。

 ポン:「いつも待たされてるんじゃ、〇〇さんに申し訳ないので、たまには、待ちますわぁ。」


 

 


 内心は、
 「いつも、待っているのはこっちなんじゃーーーっ」と思いましたが、「たまには待ちますわぁ」の声かけに、患者さんはにかっと笑ってくださいました。





 
 患者さんとのやり取りのコツを、一場面を切り取ってコツとしてしまうことには問題があるかもしれませんが、こういう患者さんに出会うと、いつも、「自分は焦っていた」「ほかの患者さんのことがとても気になっていた」ということが反省として残ります。


 自分はそんなつもりはないように、その患者さんの前でふるまっていても、患者さんは鋭敏に自分の状況を読み取るものなのだなぁ…と、
 そんなことはよくわかっているつもりでも、なかなかそのふるまいを改めることができない自分と、その時の状況に落胆してしまうことがしばしばあります。






 ある後輩ちゃんが言いました。


 「私、患者さんに優しくあればそれでいいと思うんですけど…。」




 
 患者さんの都合、思い。
 私たちの業務、思い。



 
 ここのところのすり合わせは、緩和ケア病棟じゃなくても、どの病棟でもある種の葛藤として存在するものだと思います。


 

 実は、この1年間、ずいぶんとここのところで自分の中でいろいろと悩んできました。





 

 いつも優しくいることができない自分。
 これを「この状況だから当然」と思うのか、「この状況だからつらい」と思うのかによっては相当な違いがあります。




 私は、いつだって、「この状況だからつらい」と感じた感覚を、患者さんの思いに応えることができるように考えていきたいと思う人であります。






 でも、自分たちのキャパを超えてしまっていることの見極めは大切ですけどね。



 
 とても悩ましいです。

 









  
 


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