SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ピットブルとお花のかんむり

2016-02-13 22:51:04 | まじめな話
前回の記事のコメント欄で、ののさんからご質問を頂いたので、今日はそのことを記事にします。

ご質問くださったきっかけになったサイトはこちら
「殺処分予定の犬がお花と一緒に写真を撮ったら...600匹以上の里親が見つかる!」

ののさんは「写真をどう里親募集に使うのか、プロジェクトの詳しい部分が記載されていないので残念」に思われて
ピットブルと言えばと私を思い出して質問をくださったのでした。

ピットブルのオーナーでもないのに、なんかもう恐縮です。

まずは百聞は一見に如かず。こちらをご覧ください。


お花の冠をかぶってポーズを取っているのはみんなピットブルタイプの犬たち。
撮影したのはフランス人でNYを拠点に活動しているフォトグラファー、ソフィ・ガマンさん。


「あたしもお花の冠かぶってみたわ!なんてよく似合うんでしょう!」

ピットブルと一括りに呼ばれることが多いのですが、正確にはピットブルタイプの犬と呼びます。
純血種ではアメリカンピットブルテリア、アメリカンスタフォードシャーテリア、スタフォードシャーブルテリア、
(アメリカンブルドッグとブルテリアが含まれる場合も有り)さらにこれらの雑種も含めて、
前出の血統の顎が四角く筋肉質な体躯という身体的特徴を持つ犬を指します。

元々が闘犬やガードドッグとして改良された犬種ゆえに、強靭な顎と筋力を持ち、
きちんとしたトレーニングや管理をされていない場合の咬傷事故は大きな被害になりがちです。
また近年は、そのイメージを逆に利用する不届き者の乱繁殖や、ずさんな飼い主のせいで
「ピットブル=凶暴で怖い犬」とイメージが広まってしまっている面もあります。
(この辺りの誤解についてはdog actuallyの過去記事「元祖アメリカズスイートハート、ピットブル」を)

さて、本題のフォトグラファー、ソフィ・ガマンさん。彼女は小さいころ大型犬に咬まれた経験があるにもかかわらず
アニマルシェルターでのボランティアに積極的に参加していました。
最初はやはり大型犬やピットブルタイプの犬に腰がひける面もあったと言いますが
ピットブルたちと接するうちに、その優しい性質に気づかされ印象が変わっていったそうです。

そして2014年の夏に、撮影プロジェクトとしてピットブルたちに花の冠をかぶらせてポートレートを撮るという試みを始めました。
プロジェクトの名は「フラワーパワーコレクション」
ピットブルのいかついイメージを花で和らげて、ピットブルへの偏見を取り除いてもらいたいという思いから始めた企画でした。
「犬が怖い」という気持ちを理解しているソフィさんだからこその思いつきとも言えます。


「ニコもお花かぶってみた~。こわくない?」

当初はひとつの撮影プロジェクトだった「フラワーパワーコレクション」ですが、大きな反響を呼び
モデルがシェルターの犬たちであったことから、シェルターのサポート活動として継続されていくこととなりました。

撮影した写真はソフィさん自身のウェブサイトhttp://www.sophiegamand.comFacebookInstagramで次々に公開されています。
気になる犬の写真をクリックすると、その犬が実際にいるシェルターの里親募集のページにリンクされるよう設定されています。
また、このフラワーパワーの写真のカレンダーやバッグやスマホケースなどの小物も販売されていて
シェルターのサポート活動の資金となっています。

ソフィさんは、他にもアメリカ各地の(メインはNYです)シェルターを訪問して、里親募集用の写真撮影を請け負ったり
スタッフの方達に写真撮影のコツを指導する活動も行なっています。

実際にモデルになった犬だけでなく、FBやインスタなどで優しいイメージが拡散されることで、全国の他のピットブルたちにもチャンスが広がります。
ピットブルだってラブラドールやプードル同様に、愛すべき犬なのだと一人でも多くの方に知ってもらうきっかけになるでしょう。


前回のウマヅラニヤの反対で、ピットブルってマズル短めの可愛い顔だからお花の冠が似合う子が多いですね。
顔の長いうちの犬たちは実物よりもこっちの方が似合うかも。

「そーよそーよ。リアルニヤはお花の冠なんかかぶせたらウギャギャギャって振り回すに決まってるもの。」


「うん、リアルニコも超高速回転で頭ブルブルッてしてお花食べちゃうかもしれないよね~。」

うん、さち。画伯バージョンのニコニヤよ、君たちの言う通りだ。

そう思うと、こうやってお花を頭に乗っけておとなしくモデルになってる犬たちって良い家庭犬の素質バッチリってことだわね。
うちの犬たちって......。


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あ、そうそう。
最初にリンク貼った日本語のサイトね、なぜか600匹なんて数字を出してますが
ソフィさんのサイトでは140~150匹が家庭に迎えられたって書いてます。
600っていったいどこから出てきた数字なんだ?
それから「殺処分予定の犬」ってのも不正確。
リンクされてる里親募集のページの多くはNoKillの団体。
細かいことに聞こえるかもしれないけど(私にとっては全然細かいことじゃないけど)こういうことって大切。

コメント (8)
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