(1)いよいよアメリカの大統領選挙です。下馬評がいろいろ流されていますが、ハリス氏とトランプ氏のどちらが選出されるにしても、その帰趨は僅差で決まるということは確かなようです。しかも、この選挙は両候補間に対話が成り立っていなくて、意図的なフェイク・失言とそれに対する反論という場面も見られるおよそ大統領選とは言えない応酬で終始してきましたから、選挙後の決着のつけ方にもよりますが、新政権スタート後もしばらくは深刻な内部対立が続き、そのために国内情勢も経済状況も混乱が予想され、一方、ウクライナ・イスラエル両戦争に対する対応を初めとする外交でも期待に応えられる役割が果たせるかどうか、難しい局面に立たされるのではないでしょうか。
(2)もっとも、ハリス氏とトランプ氏のどちらに決まるかに関わらず、経済関係でも、日米同盟・軍事関係でも、日本は負担を強いられることになると思われます。アメリカ・ファーストをいうトランプ氏もちろん、ハリス氏も、背後にいるのはアメリカ資本ですから、経済面ではアメリカ本意の要求を強めるでしょう。また、軍事では日本は岸田内閣の置き土産で防衛費を2倍化してすでに動き出しています。
これについては、日本の与党自公のほか維新も立民も日米同盟を言っていますから、アメリカの要求を拒否できるスタンス〔態勢〕にはありません。今度の選挙で、改憲勢力が3分の2を下回りましたから、その点では小康状態とも言えますが、目下の世界情勢を考えると、国連や国連憲章遵守を中心とした外交姿勢を強める工夫がないと簡単に突破される事態ともなりかねません。
(3)話が変わりますが、国民民主党が「野党にも与党にも等距離〔中立〕」を言っています。重さを計る天秤なら、釣りあったところで「八方メデタシ」となりますが、しかし、政治の世界では違います。与野党の勢力が拮抗し均衡状態にあるときにどちらにも組みしないという「中立」はありえません。等距離とか中立というと、見た目はどちらにも加担していないように見えるかもしれませんが、実際には与党に組みしていることになります。その理由は、
1.政治は、国民の状況や要求を判断して政策化し、それを実現しあう場だからです。天秤のように均衡点を見つけることを目的としているわけではないからです。
2.今回のように、国民が投票行動を変えて与党を追い込んだときに、そして、その受け皿として期待されたから議席を確保できたのに、その期待に応えないのは、国民の意向を理解していないばかりか、むしろ反していること、同時にそれは、与党が選挙で打撃を緩和させることにつながるものだからです。
3.国会の首班指名〔2回目の決選投票〕で、無効票になってもいいからといって与党にも野党にも票を投じないという行為は、結局、相対的に議席の多い与党に有利になりますから、国民が批判した自公政治を続けさせることになりますから、中立ではなく「裏切り行為」ということになります。
(4)国会議員なのに政治のイロハもわからないのでは、投票した国民もいい面の皮です。
映画の『ゴッド・ファーザー』で、見方のフリして〔心配顔して〕敵との仲介役にやって来る奴は敵だと息子に教える場面が出てきます。これはやくざの世界の話ですが、ひとたび対立状態に発展してしまえば、打ち負かすか打ち負かされるかのどちらかしかありません。そんなときに頼みもしない妥協話を持ってくるのは、見方でない〔つまり敵〕ということです。
政治も、基本的に同じです。97%の国民と3%の国民、これが現在の日本国民を見た場合の縮図〔客観的状態〕ですから、この認識が薄ければ、曖昧なことをいう度合いが高まります。
庭にいると、珍しい鳥がつがいで来ました。
【コレクション 103 江藤南白】
今日は江藤南白〔新平〕の伝記のパンフレットです。江藤は維新の功労者ですが、のちに佐賀の乱の首謀者として処刑されます。
なお、最近は「佐賀の乱」でなく「佐賀戦争」というように改められつつあるようです。
この大きさは、B5判8㌻です。B5判大4枚分の横長の用紙を二つ折りし、さらにもう一度を二つ折りするとできます。
全体は、
1㌻ 上掲
2~4㌻ 解題・推薦文 毛利敏彦 大阪市立大学名誉教授 的野半介著『江藤南白』について
*一部分を下に載せました。お読みください。
5㌻ 推薦文 杉谷 昭 県立佐賀城本丸歴史館館長(佐賀大学名誉教授・文博)
江藤研究の原点『江藤南白』のこと
6㌻ 推薦文 犬養 毅(木堂) 敗者への同情から発した伝記
*下にのせました。お読みください。
7㌻ 目次
刊行案内 体裁:A5判 上下巻合計1700㌻
定価:2万5千円(予約定価:2万円) 発売:平成18(2006)年1月
8㌻ 内容見本
以上です。
今日は、新聞に「日没直後に月と金星が最接近する」という記事を見ましたから、図書館の帰りに探して撮りました。撮っていると、米軍機が通過しました。どうもこれは定期便のようで、この時間によく見かけます。それはともかく、上から「米軍機・金星・月」の順に入っています。
では、この辺で。
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