熱い朴
『御料局測量課長 神足勝記日記―林野地籍の礎を築く―』日本林業調査会(J-FIC)65ページ上によれば、神足は明治18年に有馬温泉に立ち寄りました。
私は、神足日記の入力作業で知らない地名や行ったことがないところがでてくると(もちろん大概はそうでしたが)、なんでもいちいち調べることをやりました。そのために時間もカネもかかりましたが、これが日記を読む時の要点ですね。人生を2度やれますし、筆者の神足が見たもの感じたことを知るうえで欠かせない重要な作業です・・・。
と、まじめなのはここまで。ここからは「眉に唾」を付けてください。
私は、家で酒を飲むとき、ビンボーなためツマミを食べませんから、代わりに、ヒマつぶしを兼ねて次のような「地名辞典」などを取り出します。
手軽にどこにでも持っていける大きさですから、旅行などでも便利です。
背表紙からも、活用のほどがおわかりいただけると思いますが、中身はもう完全に分解してしまっています。
1997年8月 北海道出版企画センター刊(17.5×7㎝大)
たとえば、神足が有馬温泉に入ったというと、有馬の温泉街の写真や図鑑を観たり、テレビでやれば必ず見ます。それだけでなく、どんな温泉かを知るために温泉の元を買ってきて風呂に入れてみたりもします。
ここまでやれば「ほぼカニ」、つまり「ほぼ合格」です。
しかし、それだけでは楽しくありませんから、「有馬とはどういう意味か」と考えます。そのときに、上の「地名辞典」などが役立ちます。
この時だいじなのは、多少こじつけでもそれらしいものをなんとか見つけ出すことです。
まず、arimaというそのものがないかを調べてます。ありません。
そこで、ari-maと分けてみます。
すると、ar-に「対をなして存在すると考えられるものの一方をさす;一方の;もう一方の;他方の;片割れの」などの意味があるという項目に気づきます。
つぎに、maの近くにmakがあり、これは「後ろ;奥;山手」とあります。
この二つから、「無理してでもar-makの意味を取る」と「対をなしているもののもう一方(奥、後ろ、山手)」となります。
では、その「対をなしているものの一方」とは何か・・・? たとえばそれは「むこう」に対して「こちら」ですが、それをなんというか?
ここが我慢どころです。
わからないときは、グイッと一杯やって〔これは男女関係ありません。念のため〕、おもむろに辞典のページをめくっていくと、やがてtampa「こちら岸」というのが出てきます。
そこで、tampaを丹波と読むと、「丹波と有馬」は「こちら岸と山手」とかなりますから、「う~ん!」と納得してもう一杯となります。
ちなみに、名前を付けたのがこちら側の人〔丹波〕であることも推測できます。
え?いや、じつにまじめな話なのです。
では、ちょっと次の地図をご覧ください。
これは「棒ノ折山」の付近の地図です。
東京の青梅から奥多摩行きに乗ると、ハイキングでも知られた御嶽駅に着きます。
この地図の右下にかろうじて「御嶽」とはいっているのが見えます。
御嶽駅の一つ先の川合駅で下車して、北へバスか徒歩で「御茶屋キャンプ場」とある所へ達すると、そこから本格的な急登になり、約2時間で棒ノ折山に達します。
このごろは中国人観光客も登って来ます。
さて、川合駅の一帯を丹波〔たば〕といいます。それが、川合駅の西に「小丹波」、北に「大丹波」と記されていることからわかります。
このあたりが「こちら岸」なら、「向こう」があるはすです。それがあるのです。
棒ノ折山のすぐ北に「名栗村」・「名栗湖」がありますが、それを西〔左に〕たどると「有間川」、「有間山」が出てきます・・・。
どうですか、まあ、素人ですからね・・・。
ということで、乾杯!
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