神足勝記を追って

「御料地の地籍を確定した神足勝記」を起点として「戦前の天皇・皇室・宮内省の財政について」のあれこれをとりあげる

No.131 思い出すこと 7

2024-04-06 00:24:43 | 追憶
(1)我が家の近くでも桜が頑張って咲いています。といって、桜というともうだいたいがソメイヨシノですが、近くにある某会社の敷地の一角に、珍しく山桜の立派なのが1本あって、それが大きく枝を広げて咲いています。「ソメイヨシノ、なんのその」という感じです。

 かれこれ10年以上前のこと、コトリさんがそれを啄んできて、我が家の庭で暫時休憩、用足しをしていったようです。その結果が下の写真の桜です。
 花の白と葉の緑が青空に映えて実に鮮やかです。
  
  

 最初は、枝に洗濯物や竿をかけたりして便利に使っていましたが、我が家の令夫人が、ある日その成長の速さに驚いて「庭木には不向き」・「後で処理に困る」と騒ぎ立て、ついには召使たる不肖に伐採を命じる事態となり、なんともあわれな結末となりました。これはコロナ蔓延のちょっと前の話です。
 ちなみに、令夫人は「都会のデパート」が大好き、百歩譲っても「スーパー」が大好き方です。一方、不肖は「山こそデパート」、「山こそなんでもある所」という持論の持ち主です。つまり、水と油みたいな・・・関係です。

 そうそう、「新緑と青空に匂う山桜」、いいですねえ! 
 チョットぼやいておきますと、山桜では外国人観光客は来ないでしょう。けど、観光客とはいうものの、おそらく円安が解消すれば、外国人頼みの観光事業はあたふたするに決まってます。一度ごった返した観光名所地には国内の観光客もしばらく離れるでしょうからね。いまの観光名所の騒ぎ、これも「異常気性」と思います。

  
   どこに華を見るか、それが弁証法。

(2)中学の1年の秋10月に富岡へ転校しました。時期が中途なのには訳があるのですが、それはいま措いて、ずいぶん変わり者が転校してきたと見られていたようです。
 たとえば、こんなです。
 ずうたい体が大きい、ガサツ。声も大きい。バスケットシューズを履いて登校する。登校最初は英語の試験だったが、最高点80点台のところを、教科書も見てないのに68点取った。音楽の楽器として皆がハーモニカを使用しているところで、ピーとスペリオパイプを吹いている。などなど。 
 一般に転校生はおとなしいものですが、自分は物怖じしないので目立ったようです。ほかのクラスの生徒が珍しがって見に来ているのがわかりました。よほどひどかったのでしょう。

 それはともかく、1ヶ月ほどすぎたころ、校内放送で音楽の矢島先生から呼び出されました。
 放送で公然と呼び出しを受けるのは初めてのことです。笛をハーモニカに替えるようにと言われるのかなと思いながら、とにかく行くと、
 「ブラスバンド部へ入らない」
 とスカウト〔勧誘〕されました。
 楽器は好きだし、前の学校にはブラスバンド部などはなかったので、少しその気を示すと、
 「大太鼓をやってほしい」と。
 スペリオパイプなら何でも吹けるくらい練習していたので、できればそれに代わる楽器をと思い描いていたところ、「タイコ」とはなんともがっかり。
 太鼓は、村のお祭りの時にドンドンドンと叩くもので、楽器と思っていなかったのです。しかし、「いやだなあ」と思いながらも、授業後に部室へ行きました。すると、
 「今日は、ロングトーンをやるから、先生のタクトに合わせて大太鼓をたたくように」
 と言われて、なんとかやりました。しかし、退屈で退屈で、
 「そんなのメトロノームに合わせてやればいいのではないか」
 と思ったので、次からは行かずにいました。すると、また呼び出されました。
 先生はなお勧誘してくれましたが、
 「ほかの楽器ならやるけど、太鼓はおもしろくない」「それよりも柔道部へ入りたい」
 といったところ、もう呼び出しはなくなりました。
 
 音楽はリズム次第です。リズムがしっかりしていると、それでもう音楽です。そこに音が乗れば色が付きます。
 思うに、矢島先生は、皆がハーモニカを吹く中でも、笛を聴いてくれていたのでしょう。
 私が、リズム楽器の重要さを知るのはずっと後のことで、アフリカの奴隷のことなどを知るようになってからだと思いますが、先生が、私のリズムのとり方を信用してスカウトしてくれたのかと思うと、申し訳なかったと思うばかりです。
 いま、ブラバンだけでなくいろいろな演奏を見ると、かならず大小の打楽器に注目します。自分にはああいう協同作業はむずかしいと思いながらも、もしやっていたら、これも人生の転機だったのかもしれないと思うことしきりです。

  
  すみれ:我が家の庭には3種類咲きます。
 
 なかなか進みませんが、今日はこの辺で。

 そうそう、このブログは『御料局測量課長 神足勝記日記』を知ってもらうために始めたものです。忘れてません。
 


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