定本宋斤句集 秋 2
山崎宗鑑隠楼最初の地尼崎に近く一碑を建てらる
秋の日 町中に秋日して土あたたかし
文書に秋の夕闇そまりけり
温泉に入って秋日暮れたり一日旅
旅の肩つよくぞあたる秋日かな
秋の日はむすめ輪をなし語るなか
秋日南小魚が鉢に波たてゝ
秋暑し 秋暑し川の明るさ天井に
秋の夜 秋の夜の女かいな薄着かな
新 涼 新涼や我家芭蕉を巨木とし
新涼や寺か社か小木の闇
冷 か 蝙蝠に大阪の水秋冷か
爽 か 爽かなや掌にして壺中奏づるを
砂舟日毎に裏川を逆るを
秋さやか砂舟に飼う兎かな
掌にして壺中奏づるを
紫野大徳寺虫干拝観
爽やかな明高麗の古錦
秋涼し 雨餘を来て空なり地なり秋深し
音のみに何の花火か秋深し
夕顔は莟か種か秋深し
五條邦綱が寺江の山荘跡にて
この川に礎石沈むと秋ふかし
宵の秋 宵秋を來て著く濱の砥石船
秋彼岸 さわやかの雲こそ秋の彼岸入り
澄 む 泉澄む秋立ちてけふ幾日かな
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