定本宋斤句集 秋 1
今朝の秋 今朝秋の机に拂ふ蟲の翅
聖観世音禮讃
うつゝゑむくだらほとけに今朝の秋
住吉神社々頭
初 秋 松に鷺の御絵扉も秋はじめ
香取神宮
参道の桜秋なり左右散れり
穴太、藤田
草秋に村の餅屋が搗くひびき
蝉聴いて秋ひやゝかに棕櫚林
口誦む津の宮渡しなど秋や
紀伊白濱にて
一湾を秋の澄むさまめぐりけり
温泉の窓に秋照る波をさし覗く
この壺のつめたさ秋は膝のうへ
栗虫が出て栗這へり縁の秋
峠から渡船も眞下秋ひろし
旅信みな秋書き來なる病ひ倦む
紫野大徳寺虫干拝観
古文書に秋の夕闇そまりけり
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