早春 俳人永尾宋斤

祖父で「早春」を大正15年2月に主宰・創刊した永尾宋斤の俳句・俳語・俳画などからひもといています

宋斤の俳句 「早春」昭和三年一月 第五巻一号 年頭嘉儀

2020-09-18 | 宋斤の俳句を大正十五年「早春」創刊〜昭和十九年休刊までひもとく
宋斤の俳句 「早春」昭和三年一月 第五巻一号 年頭嘉儀

元朝や天の彩り地のしらべ

元旦やさめわたりたる門の草

明けてくる元日濱のまさごかな

佳き墨を矢立に沁まし年の春

初日いま青海のはての見えぬより

初日さすや千尋の底の魚屑に

初凪や細江にかゝる家の橋

御振りの山邊かすみと霽れにけり

おもひなく火桶にたる三日かな

初賣りの五六駄いさむ雪の坂

縫初や木綿ながらに匹を裁つ

ながめ居て楪葉にたつ紅の色

初山やふかき徑のあるを往く

井華水梅山茶花のかたわらに

才蔵は太夫の袖の小男よ

潮の水汲むや辰巳の橋の下


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