7月2日早朝、フェリーの2等船室で熟睡していた私は、「当船はまもなく函館港に到着します」のアナウンスで目を覚ましました。
荷物を整えてデッキに出ると、見慣れた姿の函館山が目の前で陽の光を浴びていました。
函館市街はまだ、陽の光が十分に行き渡らず、殆どの家が、彼はたれ時の光の中で家主の目覚めを待ちます。
フェリーは定時に函館港に着岸しました。
フェリーのドアが開くと青い空が広がりました。
いつ見ても、北海道は空がより青く見えるのは何故なのでしょうか。
北海道最初の目的地は長万部のあやめ公園です。
函館市街の先の国道沿いに松並木が続きました。
去年の夏、青春18きっぷの旅で普通列車の窓から見た赤松が、今日は手に取るほどの距離にあります。
民家の庭に、クリの木が満開の花を咲かせていました。
東京でクリの花を見たのは5月下旬から6月上旬ごろですから、日本列島を北上し、1ヵ月程も季節を遡ったことになります。
フェリーでの睡眠時間は3時間半程なので、どこかで仮眠を取ろうと思いながら車を進め、道央自動車道に入りました。
高速道路は片側一車線でした。
交通量は少なく、すれ違う車は殆ど見かけません。
途中の八雲PAで仮眠をと考えましたが、あまりにもスムーズなので、そのまま目的地の長万部あやめ公園まで走り通しました。
あやめ公園の駐車場に着くとすぐ、私は運転席の背もたれを倒し、眠り込んでしまったようです。
1時間以上寝ていたかもしれません。窓ガラスを照らす朝日で目を覚ましました。
車外に出て公園を見渡しましたが、広い園内は緑一色で、花の姿は見当たりません。
管理棟の方に「花はこれからですか?」と尋ねると、「今年は花が咲くのが早かったので、一週間程前に咲き終わりました。
管理棟の後ろなら少しは咲き残っているかも知れません」とのお話でしたが、状況は以下の通りでした。
長万部で、国道沿いの野草花園や歌才湿原を車で一巡りしましたが、野の花の季節は終わっていました。
昨年の「青春18きっぷ花の旅」で記したように、花の季節は6月中旬のようです。
これらの状況から、この辺でウロチョロするより、早めに道東に向かう方が花に会えると判断し、再び長万部ICから道央自動車道に入り、帯広を目指すことにしました。
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