ワッカ原生花園で植物観察を終え、サロマ湖対岸のキムアネップ岬を訪ねました。
一度訪ねたいと思っていたのです。
国道を走り「キムアネップ岬」の看板を見て右折すると、見事な木のトンネルが現れました。
青森の八甲田から奥入瀬へ抜ける道を思い出しました。
駐車場に着くと、サロマ湖の対岸にワッカ原生花園の砂洲が見渡せました。
湖岸の草地に、野の花が紛れます。
「キムアネップ岬」は夕日の絶景ポイントで、サンゴ草が初秋に湖岸を赤く染めるそうです。
夏期シーズンは無料キャンプ場が開放され、8分間100円のコインシャワーが設けられます。
案内図に、この辺りはハマナスの群生地と記されていました。
そして、時刻を確認すると13時を少し過ぎていました。
この先、どうしようかと考えましたが、道内高速道4日間乗り放題パスの期限が明日で切れます。
帰路は函館からフェリーで大間へ渡る予定で、ここから更に北へ走るのは無理と判断しました。
もう少しどこかで花を、とも思いましたが、年齢を考え、今日は無理をせずに、この辺りで帰路に付くことにしました。
7月5日
今私は、室蘭の地球岬に居ます。
ここも初めて訪ねました。
前から気になっていたのですが、室蘭は札幌-函館間のルートから少し外れるので、訪ねる機会がなかなか得られなかったのです。
でも「地球岬」って本当に素敵な地名ですよね。
この地名を耳にするといつも、海に突き出る岬から眺める、円い孤を描く水平線が、頭に浮かびます。
そして今日初めて、長年の夢かなって地球岬から海を眺めましたが、
地球岬に来る途中で、苫小牧辺りから雨が降り出したのです。
しかし、悪いことばかりではありません。
地球岬でヤマグワの名札を付けた木を見つけました。
幹径が40㎝程もあり、かなりの樹齢に見えます。
葉は先が尖った楕円形で、鋸歯はありますが、切れ込みは一切ありません。
一般的なヤマグワは、以下のようなアメーバー状の葉形です。
(とても同じ木の葉とは思えませんよね!)
しかし樹齢を増すごとに、地球岬のヤマグワのような、切れ込みのない葉形に変化します。
この現象を異形葉性といい、私は2017年ごろからその発生原理を探る観察を続けてきました。
しかし、樹齢の高いヤマグワは10mを超え、観察は容易ではありません。
これ程低いヤマグワの高齢樹は珍しく、私は全葉に切れ込みがないことを、瞬時に確認しました。
そして 「異形葉性オーキシン仮説」は確信に変わったのです。
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ヤマグワの異形葉は幹回りの大小で発現頻度が変わる
イチョウの雌雄を葉で見分ける
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