釧路市街をバイパスで迂回し、国道38号から44号に入って走り続けると、右手前方に、厚岸湾に浮かぶ大黒島が見えてきました。
今日はこれから、国道44号に別れを告げて厚岸大橋を渡り、海沿いに延びる道道123号を東へ向かう予定です。
厚岸の街を見下ろす高台にある「道の駅 厚岸グルメパーク」に車を停めました。
左側の厚岸湖と右手の厚岸湾を結ぶ水路が厚岸市街の先に見えます。
しかし昼時のレストランは満員で、廊下の椅子に座って客が空席待ちをしていました。昼食の為に、ここで時間を費やすのは勿体ないと思いました。
季節毎に咲く花を訪ねる旅の昼食はコッペパンかおにぎりで十分です。
初めて訪ねる土地の花を見逃せば、再び巡り合えるチャンスは殆どありません。
私は先を急ぐことにしました。
厚岸市街を抜けて厚岸大橋を渡りました。
ここから先は、昨年の「青春18きっぷのブログ」に記した、赤い線のルートを走るつもりです。
厚岸大橋を渡ると、道道123号は木立に包まれていました。
10分程走って「あやめヶ原」の標示を右折しました。
信州の別荘地のような爽やかな雰囲気の道を700m程も進んで、その先の駐車場に車を停めました。
駐車場の管理棟に掲げられた、ガイドマップの一部を切り取って、現在地を示します。
駐車場横のゲート先に、あやめヶ原が海に突き出た先端の、チンベの鼻まで散策路が続いていました。
ゲートから数十m進むと、周囲に草原が広がり、薄紫のヒオウギアヤメが陽の光を浴びていました。
あやめヶ原は標高100m程の台地に広がる原生花園で、100種以上の野草が花を咲かせ、馬が放牧されるので、断崖の淵に牧柵が設けられています。
ヒオウギアヤメの最盛期で、ライトブルーの海原を背に、パープルレッドの花が花園を染めていました。
チンベの鼻に立つと、太平洋に大黒島と小島が浮かびます。
無人島の大黒島は、海鳥やゼニガタアザラシの繁殖地として保護されています。
来た道を戻りながら、北海道なればこその景色を堪能しました。
緑の草原の上に、白い雲が浮かべた青い空。
草原に緩やかな曲線を描く小道が、彼方の森へ伸び行きます。
絵のようなシンプルで伸びやかな光景ですが、こんな景色を国内で目にすることは殆どありません。
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