ジャンニ・アニェッリのパスポートがなぜあるかと言うと...
筒井さんから、イタリア土産にアニェッリの本を頂いたのでご紹介します。
高校の同級生カズヒサ君という人が、オックスフォード・シャツのカフに時計をしていました。
もしかしたらアニェッリより先だったんじゃないかという興味もあって、このRizzoliから2007年に出た写真集を見てみたいと思ってました。
結論から申しますと、1921年生まれのアニェッリは遅くとも1951年にはカフの上に時計をしていたようです。
私が生まれるずっと前ですから、同級生もまったくかないません。
そうする事で何かメリットがあるの、とたまにシンプルな質問を受けます。
直に時計ベルトが触れないだけなのですが、そうしているともう普通に時計ができないほどです。
ただそうするには以前も書きましたように、シャツの袖丈に6cm以上のゆとりが必要になります。
日本でシャツを買おうとすると、たいてい腕を垂らした状態で裄丈を測ってその数値でサイズを選ぶと思いますが、その長さで腕を上げると手首が剥き出しになりますから、ホーズを履くのと同様に、良い着こなしをしたい方にはもっと長さが必要です。
かと言ってただ袖が長いと手の甲に被り、「長い!」と勘違いして詰めたくなるに違いありません。
あまり顧みられませんが、ご自身の手首の太さに合わせてカフのボタンを移動させる必要があります。
もちろん手首の太さがカフのサイズにぴったりの方はその必要がありません。
またこれはシャツのカフに時計をしなくても必要な長さで、以上はより本格的な着こなしをしたいという方の話です。
間違って、裄丈にゆとりのないシャツの袖口を狭くしてしまうと、腕が上がらないのでご注意下さい。
最近見たシャツ屋さんのパターンメイドの広告では、裄丈を2種類から選ぶというシステムで、長い方でも86cmだったと思います。
そのくらいシャツに対する扱いは変わっていません。
脱線してシャツの話が長くなってしまいました、先を急ぎましょう。
E.フェラーリと
この写真はよく出てきますが、イタリアでは珍しく紡毛系のスーツを着ています。
まだこの頃は、ラペルの雰囲気が後年のものと違います。
幼い頃から犬が好きだったようです。
黒い噂が絶えなかったアニェッリを、このシベリアン・ハスキーは見抜いているような目で見ています。