Men's wear      plat du jour

今日の気分と予定に、何を合わせますか。 時間があれば何か聴きましょう。

中村さん

2019-12-27 |  その他
一年半ぶりにSE(シングル・オイラー)佐藤さんに会うと、話題はアフガニスタンで亡くなった中村医師のことでした。
来日中ローマ教皇が語った言葉を実践にうつしたなら、中村さんがやってこられた事とかなりの部分重なるように思います。

ニュースを聞いて以来ずっと何か重い気分でしたが、先日水泳の池江選手が退院されたそうで、久しぶりの明るいニュース。

年末になり今年を総括するような話が多くなっています。
日本を除く世界では、環境問題が今年のメインでした。
永久凍土が溶け始めて数年、もしかしたら後戻り出来ないレベルまで来ているかも知れない、と恐ろしい話です。

私どもの仕事に関連する事柄では、日本で廃棄される服が相当な量という話もあります。
そうでなくても、羊毛生産者が食肉へシフトし始めた(羊の種類が異なる)と言われて数年経ち、環境の変化によっては羊毛の安定供給が危ぶまれないとも限りません。
唯一の救いは、原毛の細さを追い求める人だけでなく、昔からあるしっかりしたウールの価値を見直す傾向が、少し揺り戻しつつある事でしょうか。

ますます流行り廃りと距離をおいて、長く愛着をもってお召しいただける服をと思わずにいられません。
仮にもう着られないくらい傷んで処分されるにしても、一番後回しにしたくなるような服を作りたいと思います。

京都や滋賀を歩いていると「一隅を照らす」という言葉をよく見かけますが、中村さんも最澄のその言葉を引用されていたそうです。
一隅どころか国土を潤すような大事業を成しながら、「良い人もいれば悪い人もいるのが世の中」と周囲の方へ語っていたと聞きますが、それでもやはり、最期に見た景色を想像すると胸が塞がります。
「目先の利益しか見ないで、なんて立派な人を殺してしまったのか」と犯人が改悛する日は来るでしょうか。
ここへ来てIR絡みで逮捕者が出ました。
何という落差。
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