9月に入り我が現場もようやく落ち着きを取り戻しつつある。
少なくとも無理やり感の強い嵐のような日々は過ぎた。
今日は人によっては定時上がりとなり、私もごく短時間の残業で済んだ。
8月は日によっては20時台でも宴たけなわという日があった。
疲れは各人それぞれたまっている。
帰れる日には早く帰るのが賢明だ。
さて、現場はいろんな都合や病欠者のために人手は足りていない。
募集をかけているかどうかは知らないが現場に人が入ってくる気配はない。
代わりと言っては何だが事務方はけっこう人が入れ替わっている。
つい先日自己紹介をした人が数週間後には姿が見えなくなり新しい人が次々とやってくる。
メンバーが全く入れ替わらず在籍が長くなりすぎて伏魔殿化するのも困るが、こう頻繁だと何が悪いのか心配になる。
新しく入ってくる人の中には、我が業界が初めてとかずっと違う業種にいたという人もちらほらいる。
「外の人」と言うと語弊があるが、そういう人は第三者的に物事が見えるから自分たちでは気づかないことにも気づいたりするので発言や行動は無視できない。
我が社我が現場の常識が人によっては奇異に映ることだってある。
今朝は「現場ではヘルメットはかぶるように」という発言があった。
とりあえず暑い季節のうちは未着用でも黙認されてきていて、誰もそれに疑問をはさむことはなく、はさめる雰囲気でもない中であえてこういう発言が出るのはやはり我が現場の光景が奇異に思えたからだろう。
高所にも製品その他が積み上がっている現場にいるのに暑いからと言ってノーヘルでいていいわけはないが、我が現場のメンバーは8割方日頃からかぶる習慣がなく、今日もお達しがあった直後だけかぶって数時間後にはノーヘルで作業するツワモノがいたから発言の主もアタマを抱えたに違いない。
休日にひとたび公道を走れば、草刈りであろうが工事であろうが旗振りの警備員さんであろうが現場と呼ばれるところでヘルメットなしで作業している場面にはまず出会わない。
現場では当たり前の装備であるヘルメットが我が現場では常識ではないこと自体が第三者から見ればおかしく見えてそれこそ当たり前であって、長年の雰囲気に染まりきってしまうと非常識が常識としてまかり通る悲しい現実がある。
もし我が社にとってVIPクラスの方が来訪し「現場を見学したい」と言ってきたらどうするのか。
今は折りたたみ式の簡易なヘルメットもあるからそういうものを着けていただけばよいと思うが、もしノーヘルで見学させて近くの作業者が手順を誤って何かが落ちたとしたらどうなるか、会社の落ち度でVIP(もちろんVIPでなくてもだ)に万一の事態が起きたらどうなるか、の想像力もないとしたら我が社は少なくとも安全第一の世界にはおらず、売上なのか利益なのかは知らないが安全とは違う何かが第一になっていると考えてよい。
目の前の売上、目の前の利益に拘泥しすぎて誰かが傷ついたり果ては命を落としたりしてからでは遅い。
会社としての管理体制が大きく問われれば皆で懸命に積み上げた利益など一瞬で吹っ飛びなおマイナスになるかもしれない。
ただでさえ現場は疲弊している。
せめて各人の身の安全に最大限配慮した運営にはならないものか。
健康管理は各人の責任だが、現場の安全は会社の責任だ。
常識のある職場と言われるため、まずはテーマを絞って、それこそこの機会に各人のヘルメット着用徹底から始めてみてはどうかと思うのである。