話を聞け！

三が日も終わり、チラシ期間は5日までとはいうものの、平日の店内は静かなものだった。
子供さんの姿が多いが、まだ学校のほうは始まっていないだろう。

今日から通常の世の中に戻ったこともあり、来店客には年配者が目立った。
声をかけられる機会も多かったが、とにかく今日は人の話を聞かないタイプの方に多く当たった。
自分から質問を投げていながら、こちらの回答の途中でいらない話がどんどん入ってくるので会話にならない。
お互いに受け止め合って成り立つのが会話だと思うのだが、それができないことは本当に疲れる。
日本語が理解できない人ではあるまいに。

さて、本日はそれほど大きな取引もなく、金額的にもチョロチョロで1日が終わった。
ただ1つ、テレビとブルーレイで30万円足らずの商談があり、40分ほども延々と説明をしてようやくお膳立てができたところで若手のY君に価格交渉を振った。
ところが、ずいぶん買う気に傾いていたように見えたお客さんが10分後には店内から消えていた。
ご夫婦での来店で、奥さんのほうがお金にうるさいタイプに見えたとはいえ、結果的にY君は成約に結びつけることができなかった。
横で聞いている限り、1万円未満の端数が切れるか切れないかの話だったようで、数千円のことなら思い切ってもよかったお客さんであったように思う。

毎度毎度このY君とチーフのY氏の話になってしまうが、この両名はこちらが時間をかけて説明をし、ある程度その気にさせて振っていく話をいとも簡単につぶしてしまう。
もちろん店の利益を預かる立場だから、あまりのゴネ得は許せないというのは分かるが、自分で交渉もしないで数十万の取引をタダもらいできるチャンスをみすみす逃しているようにも見えて腹立たしい。
売る気があるのかと言いたくなってくる。
数千円が切れないために、目の前のお客さんすらつかめないのなら情けないことだ。
特に中型以下のテレビでは「出ている価格」でスンナリ買っていかれるお客さんも多いから、全体で考えればそんなに大きなダメージにはならないと思うのだが。
「損して得とれ」という言葉もある。
とりあえずはお膳立てまでした私の立場からすれば、価格で折り合いが付かなかったというなら一言でもほしいものだが、この両名からは見事に何もない。
年が変わっても、腐ったプライドは消えていないようだ。

今の店舗には、私から見て「よいお手本」と思える方が多くいる一方、「悪い見本」と言える人間も一部いる。
残念ながら、Y君は「悪い見本」であるY氏の影響を強く受けているようだ。
不思議なことだが、程度の低い人間と付き合っていると、こちらの程度まで低くなってしまう。
若いY君には早く目覚めていただいて、たくさんいる「よいお手本」のほうから勉強していただきたいものだ。