お客さんを味方に

火曜日ということもあり、いよいよ店内の雰囲気は寂しくなってきた。
お客の絶対数が少なく、チラシの最終日とはいうものの特に企画やイベントもなく淡々とした1日だった。
今日は午前のうちに1件自社商品をネジ込んで数字がある程度できたので、休憩以後は気楽にやっていた。

少ない来店客の中でも、数日前に店には実物がない自社の商品に興味を持ってくれた方があらためて来店された。
最初の話はあらかた私がしていたが、正月の間に実物を他店で発見したとのことで、いくらで売られていたかも含めてザックリと教えてくれた。
当店のいわゆる「機械上」の値段が他店の店頭価格とかなり差があったため、社員さんを呼んで条件を出してもらった。
するとずいぶん他店に近い価格が出てきたが、即決とはならずもう少し時間がほしいとのことだった。
商品自体はいいものだと言ってくれており、私のいる時間帯にまた来てくれるようだ。
私の立場に免じてか、せめてテレビは私の担当メーカーのものにしてあげようかと考えて、他店まで回ってくれるというのは本当にありがたいことだ。
価格は店が決めることで、その結果他店になるかもしれないが、ここまでいいコミュニケーションが取れるお客さんに恵まれるというのも気持ちの上で励みになる。

ここまでの1ヶ月余り、ずいぶんお客さんに助けられたことが多い。
価格交渉になれば、私が1人で社員に取り次ぎに行くと必ず仏頂面をされるので、今ではお客さんを連れて行ってお客さんから話してもらっている。
さすがにお客さんを前にして仏頂面はできないのでいい気味である。
よほどいまいましいのかは知らないが、ある程度安くなった伝票が放り投げぎみに飛んでくる。

またまた手前ミソで申し訳ないが、お客さんから「お店の人より説明が詳しい」と言っていただけたケースが2回ある。
仕事だからある程度勉強はしたつもりだが、家電店での勤務経験もなかった私にそんな評価をいただけるのはこれまたありがたい。
うち1度はチーフのY氏も伴っての場面だったから、Y氏の面目は丸つぶれということになった。
所詮素人とタカをくくって見ていたであろう私が、実は「スーパーが付く素人」だと知ったときのあわてぶりは半端ではなかった。

いろいろなことがあった今の店舗での勤務もあと4日間を残すのみである。
最後の4日間では、これまで培ったものをすべてぶつけるつもりで臨みたい。
数字はともかくも、日々悔いなくつとめ、スッキリとした形で終われればいいと思う。