7・6(ナナテンロク)つまり7月6日はつらい日になってしまった。
本担当の仕事はきれいに終わらせることができたが当日は土曜日のわりには仕事量が多くほかの手伝いに回らざるを得なくなった。
土曜日はいつもの半分の4人しかいずその内1人は高齢者一歩手前である。
その人とせっかく2人で共同して入荷物の運搬をしていたのに当人が突如として違う仕事をやり始めたので運搬は私だけになった。
とにかくこのおじいさんは自分がやりたいことしかしないしやり出すと周りが止めても聞かないからあきらめて1人で運んでいたのだが、そのイライラもあってか一瞬の油断から運搬物をぶつけてかなりの量の荷物を壊してしまった。
今の現場に来てから最も派手なやらかしとなり、後味の悪い週末となった。
週が明けて月曜、朝礼では簡単ではあるが私が事故を起こしたことが紹介された。
現場に事故は付き物であり怒鳴られるようなことはないにしても、全員の前で紹介されてしまったのでただただ恐縮するしかなかった。
くだんのおじいさんだが、日頃からとにかく状況判断がまったくできない。
物事の優先順位がつけられないばかりか、明らかに他人の通路になるところにリフトを止めて休憩に行ったり、ひとつしかない休憩室のテレビのチャンネルを何の断りもなく変えたり、各人持たされている無線機もロクに自分で返しに行かなかったりで、一言でいうとかなりの横着者である。
こんなことをされたら私を含めた他人は困るわけだが、他人が困った顔をするまで絶対に自分の行いに気が付かない。
明らかに仕事の能力も足らないのでただただ迷惑なのだが、社歴が長いためかけっこう他人に勝手な指示を出すことも多い。
現場全体のコンセンサスに一致しているならよいが、自分はラクをして他人をこき使うことしか考えていないので時に一致しない指示を出して現場を混乱させてしまう。
こんな人物だから私に限らず結果的に当人にハメられる格好になる人が非常に多くなる。
私もこれまでまったくのノーミスでここまで来れているわけもないが、しなくてもいいミス、防ぐことができたミスの遠因には必ず当人の横着が絡んでいる。
面倒くさいことは誰でもいいからやってもらおうと無造作に他人を動かすから、余計なことをさせられる方はイライラしながらやることになりそれが時にミスにつながってしまう。
自身が他人のミスを誘発しておいて、事後もヘラヘラ笑っているだけの姿を見ると絶対にこんな年の取り方はしたくないと思う。
自分の話に戻ると、納得できない部分は正直あるにせよ事故を起こしてしまったものは仕方がなく、大きめの事故を起こした人間にはボーナスが出ないらしいので夏のボーナスはあきらめぎみである。
ボーナスがなかったところで月々は十分すぎるくらい回るからどうということはないが、もしボーナスがあれば買えるかなと思っていたモノはあきらめざるを得ないと思う。
反面、これまで事故と言っても軽微なもので済んでいて、あわよくばこの先も無事故でなどといらぬプレッシャーを自分にかけていたものから解放され、言葉は悪いが気がラクになったのは確かである。
同じことを繰り返さないよう、失敗を糧により現場で機能していけたらそれでよい。
大きな失敗の後であっても職業人としては出続けることが大事だ。
フォークリフトに乗るなと言われたわけでもないしましてやクビを宣告されたわけでもない。
休むことは試合放棄と同じ、試合に出ない人間はミスすらできないと今一度思い直して日々を誠実に積み上げたい。