blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

力はあっても

2015-06-29 22:45:48 | 日記
昨日行われた競馬の宝塚記念は、圧倒的な支持を集めたゴールドシップが大きく出遅れて波乱の決着となりました。
前走の天皇賞(春)ではゲート入りを嫌がって他馬を散々待たせてしまい、自身は勝利したものの、待たされたために集中を失った馬もいたかもしれませんので決してほめられたものではありません。
中間はゲート試験を受けて合格、宝塚記念では真っ先にゲートに入れられることになっていて、最後の一頭が入る直前までは我慢がきいていましたが、両となりの馬の気配に神経質になって立ち上がったところでゲートが開いたようです。
ここのところは他の馬がそばを通りかかるだけで威嚇するような姿もあったとされ、圧倒的な能力で多くの栄冠を手にしてきた反面、年をとるにつれて問題行動の程度が増してきたようです。

スタートが今ひとつで競馬そのものは上手ではない、しかし並外れた能力で時に強引なレースをしても勝ち切ってしまうこともあるため、昨日の大惨敗の後であってもゴールドシップそのものの人気は衰えていません。
能力を出し切った時の豪快さと、まったく走る気を出さない時のアッサリ負ける危うさがファンならずとも「ほうっておけない」感覚にさせてしまうのかもしれません。

レースが下手なのに能力で有無を言わさず勝ってしまうという面では、私と同い年のヒーローである元競輪選手の吉岡稔真さんの全盛期がそうでした。
勝負どころで決まったように7番手に置かれながらも豪快に外をまくりきって圧勝する姿は印象的で、私が知っている範囲で吉岡さんより人気があった選手を知りません。
高い能力に恵まれながら、時として危うさを漂わせるものに人々が惹きつけられるのはいつの時代も変わらないようです。

ゴールドシップは依然として人気があり、まだ引退云々は取りざたされていませんが、私が馬主であれば昨日のレースでもって現役続行はあきらめさせます。
ここ2走、競走に参加するまでに他の馬の陣営にも迷惑をかけています。
誰もが認める能力があっても、競走に参加できない危険のある気性がここまで来て直るかといえば疑問です。
馬の気持ちは知りようがないのですが、いろいろな問題行動は、もう走るのに嫌気がさしたことを周りに訴えているのかもしれません。

競馬ファンである私でも、競走馬は人間のエゴで走らされることは知っています。
たいていの馬は飼いならされ、成績がどうしようもなくなるか大きなケガや病気になるまでは大人しく走り続けます。
絶対に人間には逆らえない競走馬という立場にあって、我を通し続けることに意味はまったくありません。
しかし、人間から見れば問題児とはいえ、この息苦しい世の中で人間相手に奔放に振舞っているゴールドシップがある意味うらやましくも思えます。
競走からは離れても、きっと幸せな一生を送ることは間違いがないのでしょう。
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