
↑これ、飛び出す絵本みたいにモチーフのところが立体になっています。
9/8の台湾公演よりスタートしたDUM SPIRO SPEROツアー。日本公演2日目にあたる京都公演を観てきました。sukekiyoではちょこちょこ京都に来ているものの、DIRを京都で観るのは初。ようやく夢が叶いました。
KBSホールは京都駅から地下鉄で約10分の丸太町駅または今出川駅下車、徒歩15分ほど。公式サイトでは8分になってるけど、結構距離があるなーと感じました。京都御所の目の前で、ロックのライブとは無縁そうな質素なホールです(でもいろんなアーティストのライブが行なわれているみたい)。スタンディングだとMAXキャパ1400人くらいだとか。コインロッカーなしなのがやや不便。
ステージは高く造られていて横幅もあり、視界良好。例えば上手の端っこにいても下手にいるメンバーがちゃんと見える。ホールなので天井も高く、ドラムとボーカルは良く聴こえます。ただ弦楽器はソリッドさがあまり感じられず、たまに誰が弾いてるのかわからなくなっちゃうときもありました。
開場中のホール内では『DUM SPIRO SPERO』のオルゴールver.が流れていました。オルゴールといっても、よくよく聴いたらカホンのようなリズム音もかすかに入っている。主旋律は鉄琴みたいな音。「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」のアレンジがおもしろかった。激しさ皆無で切ない曲になってました。
てか、『DUM SPIRO SPERO』って2011年8月リリースなんですね。ついこの前のアルバムっていうイメージだったんですが、まさかの5年前…。
ステージは、ドラムの両サイドにトラスの柱が2、3本ずつドドーンと立ってました。その上に照明が仕込まれている。キャビはまた客席からは見えない場所にあるようでした。
開演時刻の10分くらい前に下手のほうで押しが発生。どどっと前に詰めるオーディエンス。18時を5分ほど過ぎたころにオルゴールの音が止み、暗転。
SE(「狂骨の鳴り」ではなかった)とともに、メンバー登場。スクリーンにはイメージ映像とツアータイトルが浮かび上がる。
Shinyaさんは黒いインナーにカッチリとした白いジャケットを着用。ドラムは前ツアー同様にクリスタル仕様。
ほかのメンバーは全身黒い。
サラサラ金髪のDieさんは黒いインナーに黒い薄手のジャケットでした。
Toshiyaさんはプリーツスカートにハイソックス、たぶん。それよりもメイクのインパクトがすごかったんです。真っ黒なアイシャドウを彫り部分にも塗っていて、遠目だと目隠しをしているようにも見えるという。ステージに出てきて早々、瓶入りビール?をグイッと飲んでました。
髪が少し短くなった薫さんも黒基調の衣装。アイメイクも黒で、口元に縫い跡のようなアート。
京さんは金髪で襟足は刈り上げ。
手の甲を覆うくらい袖の長めなオーバーサイズの黒シャツに、細身の黒いダメージスキニー。右肩には別布のようなものが付いていたんですが、スカーフを首に巻いていたっぽい。アイシャドウも黒で、フチのある白コンタクト。
ピアノとストリングスが鳴り響き、「LOTUS」のシンフォニックver.からライブスタート。ステージから客席の四方八方にパープルのレーザーが飛ぶ。たぶんピアノは匠さん(マニピュレーター兼sukekiyoギタリスト)の生演奏だと思われます。スクリーンには衣をひるがえし泳ぐ女性の映像。過去にも使われていたものです。京さんがラストの歌詩を変えて歌っていました。
「DIFFERENT SENSE」は、タコの足がスクリーンに。サビでのToshiyaさんのギャーーーー!というコーラスを聴いて、そういえばあったあった!と謎にテンションが上がる。
「AMON」もシンフォニックver.でした。リズムパターンがいまだによくわかっていません(笑)。このノリづらい感じ、DUMだなあ〜と思う。
このあたりで、今日は聴かせるセットリストなのかなと思い始めていたんですが、「Cause of fickleness」でスパーク。60's〜70's風のネオンサイン映像がめまぐるしく流れる。オーディエンスにも歌わせる京さん。
そして浮遊感あふれる「Phenomenon」。薫さんが弾くメインフレーズ、手元は見えなかったけれど、やっぱり少したどたどしく聴こえました。手は以前より良くなってきてるのかなあ。京さんが途中、ステージ前方に出て、sukekiyoのときによくやっているような、なにかを引っぱるアクションをしていました。映像は前にも使われていた白い建物模型のもの。
「滴る朦朧」もまた、リズムがいまだにわからん…。サビでの京さんの声が伸びやかでした。
「蜜と唾」は照明も映像も赤基調。いつもの歌詩映像に、レーザーポインターのような赤い光の点が無数に散りばめられていて、客席から見ると古ぼけた紙みたいに見える。おどろおどろしさが倍増してました。京さんは客席を背を向けながら吐き出すように歌う。ピアノの音も入ってました。Dieさんはポーカーフェイスで前を向き、手元意外微動だにせずカッティング。気迫がすごい。ひさびさの\死姦/はやはりShinyaさんのターン。
「DIABOROS」は京さんが時々お立ち台に立って歌い、本ツアーの見せ場と言っても過言ではないなと思いました。“さあ人間を辞めろ。”と両手を広げ、オーディエンスの声を集める。この語りのパート、照明も気合い入ってました。円に囲まれた六芒星の緑色のレーザーが京さんに向かって放たれ、それがだんだん大きくなっていくという。異界の者が召喚された感。
そして曲のラスト、京さんの空を切るリストカット。「THE FINAL」のときのようにスパッ!とではなく、手首を見つめながらゆっくりと。そんな切り方では傷口深くでズタズタだろうなと思って、なんとも言えない気持ちになった。
SEを挟み、またも長尺の「THE BLOSSOMING BEELZEBUB 」。武道館公演でもやっていたライブカメラ演出がまた見られました。汗に濡れた京さんの目元がスクリーンに大写しに。ギョロギョロと動く目玉。赤いマイクシールドを舌でなぞったりもしてました。この曲、虫のイメージが強いので、こういうパフォーマンスがなんだか新鮮。
「Unraveling」はMVをバックに演奏されました。
夕暮れ時の海外のお墓?や美しい景色がスクリーンに映し出され「流転の塔」へ。十字架が掲げられた墓石をバックに佇むDieさんが絵になりすぎである。
京さんがAメロの“今まなこを合わせて”を飛ばして次のフレーズを歌ってしまい、“今雨音〜▲×⌘○”とごまかしてましたね(笑)。後半も少し歌詩がとんじゃってましたが、ハイトーンボイスはきれいで、儚さだけでなく強さも感じさせられました。
本編ラストが「暁」だったのはやや意外。スクエアの図形と炎を連想させるオレンジ系の映像。これもDieさんに似合っていた。“No More No”の部分はオーディエンスも一緒に歌う。
アンコール。
ShinyaさんはツアーTシャツ(たぶん復刻T)をカスタムしたタンクトップ。ToshiyaさんもTシャツだったかな? Dieさんは復刻Tシャツで、右手首にリストバンド。薫さんはご自身プロデュースの浴衣!!! とっても似合ってました。
そして京さんはシフォン素材のオーバーサイズシャツ。黒地に白いランダムドット。ドットは結構大きめ。ボウタイがついていて首元で結んでました。お立ち台に立つと、ファンの風でシャツの背が膨らんで、体のシルエットが見える。
「VANITAS」も演出がきれい。プロジェクションマッピングみたいにメンバーに大きめのドットのような照明が直接当てられる。2014年3月の武道館公演時と同様、降りしきる牡丹雪と当時のメンバー写真が映し出される場面も。Dieさんは序盤、スタンドにセットしたアコギを鳴らし、途中からエレキに持ち替え。
この曲歌詩が切なくて染みますね。今現在のDIR EN GREYはストレートで攻めの姿勢だと勝手に思っているので、余計にそことの対比を感じたというか。
そして新曲。「京都ーーっ!」と京さんが叫ぶ。さっき書いたことと重複しますが、『DUM〜』の濃厚な楽曲とくらべると、かなりストレートな曲だと思いました。Shinyaさんのドラムも「詩踏み」の流れを汲んでいるような雰囲気で、テンポは速めだけど2バスをドコドコするのではなく、基本4つ打ちでキメで8分になるというような進行。Dieさんはガシガシとダイナミックなカッティング多め。サビは京さんのハイトーンボイスが炸裂。初めて聴く曲なのにノリやすいと思いました。
続く「詩踏み」で会場のボルテージはさらに上昇。ブレイクで京さんが手を挙げて、オーディエンスも共鳴するように手を挙げる。歌詩は皮肉なものだけど、このライブの瞬間だけは嘘偽りなく尊いものなんじゃないかなと思った。
「SUSTAIN THE UNTRUTH」では、京さんが上手→下手へ移動。
上手端にいたので上手のことしかわからないのですが、目を見開いて投げキスしたり、ニヤッとしたり、“The inside Mind”と叫ぶオーディエンスに対して、「もっとー!」とマイクレスで煽ったり。カラコンは外していたみたいで、照明が当たって黒目がキラキラしていて、楽しげな笑顔を見られたのでよかった! このときDieさんはShinyaさんと向かい合って弾いてました。
おとこー!
おとこー!
おとこーーー!
おんなー!
おんなー!
京都----!
ひとつになれるか!ひとつになれるか!!
お前ら、俺らとひとつになれんのか!
かかってこい!
かかってこい!
かかってこい!かかってこーい!
ラスト!
京さんが煽り、ラストは「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」。大合唱。薫さんもToshiyaさんも上手に来てくれました。
終演後、京さんはお立ち台で目ビームして頭上で拍手。
Dieさんが最後まで残っていたので、上手の住人だけでなく、みんなでDieコールして見送りました~。19:50ごろ終演。
1回観ただけなのでアレですけど、“mode of DUM SPIRO SPERO”は、ちゃんと「今のDIRがやる『DUM SPIRO SPERO』」だなあと思いました。当時は『DUM~』が「最新」だったので、過去曲に助けられていた場面も多々あったと思うのですが、今回は『DUM~』をしっかりと懐柔していた。メインディッシュとして、濃厚な『DUM』を堪能できました。
あと、意外だったのはホールでも似合いそうだなと思ったこと。今回たまたまライブハウスで観ましが、ホール公演も観てみたかったなあと。シンフォニックアレンジが多かったせいもあるかもしれませんが、じっくり聴けるアルバムでもあるんなんだなあと思いました。自ら進んで聴くアルバムではなかったけれど(笑)、たまには引っぱりだして、通して聴いてみようかなー。

【SET LIST】
01.LOTUS
02.DIFFERENT SENSE
03.AMON
04.Cause of fickleness
05.Phenomenon
06.滴る朦朧
07.蜜と唾(2011)
INWARD SCREAM
08.DIABOLOS
09.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
10.Unraveling
11.流転の塔
12.暁
EN.
13.VANITAS
14.新曲
15.詩踏み
16.SUSTAIN THE UNTRUTH
17.激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇