ドイツをはじめデンマーク、スペイン、フランスなどヨーロッパの国々では原発や火発の代替エネルギーとして、風力発電システムの導入を押し進めています。
また、風力発電設備容量が世界で1番多い国は中国で、2番目はアメリカです。
ちなみに、日本は世界全体の1.1%(2,501MW)の設備容量で13番目に位置しています。
北海道は風力発電の適地であり、日本海沿岸地方を中心に風車が立ち並んでいます。
特に、最果ての稚内地方から留萌地方にかけては沢山の風車が設置されていて、写真のように、留萌地方最北端の天塩町と稚内市を結ぶ海岸線には、数十基のヨーロッパ製風車が等間隔で横一列に並んでいます。
今から十年ほど前、風力発電やバイオマス発電など、自然・再生エネルギー利用の最先端技術を学ぶためにデンマークへ視察に行ってきました。
デンマークにおける自然・再生エネルギー利用は国策であり、それを導入する企業・団体・個人には有利な条件で補助金が支給されていました。
デンマークの視察から戻って来てから、北海道の農業地帯における風力発電の可能性調査に着手し、現地における風力調査やコンピーターによるシュミレーション解析などから適地を割り出して風力発電事業の計画書を策定しましたが、結局は実現には至りませんでした。
最も大きな問題はイニシャルコストとランニングコストの回収で、それは電力会社の買電価格に負うところが大きいことが分りました。
すなわち、当時の買電価格の相場では事業化が極めて困難であることがコスト試算で明らかになった訳です。
この問題は、事業化に乗り出していた他の諸地域における共通した課題であり、当時いろいろな所で電力会社を相手に議論が交わされましたが、折れ合う点を見い出せなかったケースが多く、我々も断念せざるを得ませんでした。
買電価格以外にも、送電線の問題など既存電力との調整をどうするか、というような課題も山積していて、電力会社が風力発電を後押しするような状況にでもならない限り、風力発電の導入はなかなか思うように進みません。
結局、「風まかせ」というより、「電力会社まかせ」というのが実態ですね。