北のパラダイス

思いつくままにいろいろな事を発信していきたいと思います。

風力発電

2013年03月19日 | 原発問題


ドイツをはじめデンマーク、スペイン、フランスなどヨーロッパの国々では原発や火発の代替エネルギーとして、風力発電システムの導入を押し進めています。
また、風力発電設備容量が世界で1番多い国は中国で、2番目はアメリカです。
ちなみに、日本は世界全体の1.1%(2,501MW)の設備容量で13番目に位置しています。

北海道は風力発電の適地であり、日本海沿岸地方を中心に風車が立ち並んでいます。
特に、最果ての稚内地方から留萌地方にかけては沢山の風車が設置されていて、写真のように、留萌地方最北端の天塩町と稚内市を結ぶ海岸線には、数十基のヨーロッパ製風車が等間隔で横一列に並んでいます。

今から十年ほど前、風力発電やバイオマス発電など、自然・再生エネルギー利用の最先端技術を学ぶためにデンマークへ視察に行ってきました。
デンマークにおける自然・再生エネルギー利用は国策であり、それを導入する企業・団体・個人には有利な条件で補助金が支給されていました。

デンマークの視察から戻って来てから、北海道の農業地帯における風力発電の可能性調査に着手し、現地における風力調査やコンピーターによるシュミレーション解析などから適地を割り出して風力発電事業の計画書を策定しましたが、結局は実現には至りませんでした。

最も大きな問題はイニシャルコストとランニングコストの回収で、それは電力会社の買電価格に負うところが大きいことが分りました。
すなわち、当時の買電価格の相場では事業化が極めて困難であることがコスト試算で明らかになった訳です。

この問題は、事業化に乗り出していた他の諸地域における共通した課題であり、当時いろいろな所で電力会社を相手に議論が交わされましたが、折れ合う点を見い出せなかったケースが多く、我々も断念せざるを得ませんでした。

買電価格以外にも、送電線の問題など既存電力との調整をどうするか、というような課題も山積していて、電力会社が風力発電を後押しするような状況にでもならない限り、風力発電の導入はなかなか思うように進みません。
結局、「風まかせ」というより、「電力会社まかせ」というのが実態ですね。

冷却停止、仮設配電盤の不具合か 福島第一原発復旧せず

2013年03月19日 | 原発問題
 東京電力福島第一原発内で停電が起き、使用済み燃料プールなどの冷却が止まった問題で、東電は19日、停電の原因は3、4号機の仮設配電盤で起きた何らかの不具合の可能性が高いと発表した。冷却は同日午後1時現在も止まったままだ。同原発は事故から2年過ぎた今も不安定な状態にあることが浮き彫りになった。

 停電は18日午後7時ごろ、免震重要棟で発生。東電によると、停止した設備は1、3、4号機の使用済み燃料プールの冷却装置、共用プールの冷却装置、汚染水の浄化装置など9施設に上った。冷却装置はいずれも停止したまま。停電の原因をつきとめ、19日中の冷却再開をめざすが、別系統から電気を冷却装置に供給することも検討している。周辺の放射線量を測るモニタリングポストの値に変化はないという。

 1、3、4号機の燃料プールには計2491体の燃料が入っている。また、共用プールには燃料6377体が保管されている。最も温度が高いのは4号機のプールで、19日午後1時現在で約31・6度。冷却が止まった場合、東電が安全上の基準としている65度には、約4日間で達するという。

(以上、朝日新聞記事より抜粋)

しかし、ひどい話だ。
停電によりプールの温度が上昇していることも、プール全体に8868体の使用済み核燃料があることも、原発事故から2年も経つのにまだこんな事やってるのも、何もかもがひどすぎる。
この国には危機管理とかリスク管理というものが存在するのか?

だいたい、使用済み核燃料の処理ができないのに原発施設を作る自体、私には正気の沙汰とは思えない。
ましてや、再稼働とか新設の話が持ち上がるなんて、呆れることや怒ることを通り越して笑ってしまう...
そんなこと言っても現実に作ってしまったんだから、後は安全かつ迅速に廃炉するしかないだろう。

それにしても、こんな重大かつ深刻な事態が進んでいるというのに、この静けさはいったい何だ?
万が一にも爆発しない、とでも考えているのだろうか?
混乱を来たさないために騒ぎを大きくしてはいけない、とでも考えているのだろうか?
常に最悪の事態を想定して置かなければ取り返しのつかない事になる、ということは2年前に十分過ぎるほど分ったはずなのに...