Nostalgia【浜田麻里】
母が亡くなり後悔ばかり。
あの時こうしておけば良かったなんて考えるのは無意味だと分かってはいるが。
最後に病院へ連れて行ったのは11月22日の金曜日でした。
10時30分にCT検査の予約があり、10時に母を迎えに行った。
夏から体重が20kg以上減って体形が変わりゆるゆるのズボンを白いゴムでずり落ちないように結んでいた。
実家の前の会社は車の出入りが激しくて私の車も何度か移動した。
迎えに来てから20分以上も待たされるとさすがにイライラが頂点に達する。
「もう帰るからタクシーでも呼んで一人で行ってくれ!」と私は走り去った。
実家の周りを一周して実家に戻ると玄関の外でボーっとしてる母。
「早く乗って」
「もう10時30分には間に合わないから遅刻だよ!」
病院の車寄せに横付けして母が下りるとき「受付で予約してると言えば間に合うから」
連日芋掘りに追われてた時期に母の通院で時間が割かれるのが辛かったのです。
母の楽しみといえば病院帰りに和食レストラン「藍屋」で食事をすることくらい。
糖尿病の数値は良くなっているのに肺に溜まった水が増えている状態。
出されたお茶も飲んではいけないのです。
食事以外での水分摂取は命取りとなる。
口を酸っぱくして何度も注意してた。
誰にも看取られずに死後数日間発見されなかった母は孤独死です。
冷たい玄関の床で倒れていたから「寒い寒い」と感じただろう。
冷たくなった母を発見した時のシーン、夜になると思いだしてしまう。
兄妹も不眠症に悩んでいるみたい。
手の傷も治りかけているので晩酌をするようになりました。
この日も実家の猫に餌をあげに行きました。
直前までもう1匹ミーちゃんが食べてましたよ。
猫が水を飲むバケツも洗った。
妹と交代で実家の猫の面倒を見ています。
母にとっての心残りがこの猫たちだと思う。