仏前に並ぶ写真のアルバム。
妹がアルバムに整理してくれた数少ない母の写真を眺めながら在りし日の母を偲ぶ。
姪っ子のお宮参りからピアノの発表会、成人式の振り袖姿までこの20年ほどの母が写っている。
遺影に使用した写真は両親とも同じで兄の次男坊のお宮参りの写真だった。
その甥っ子も高校3年生になりAO入試で大学も決まり自動車の教習所に通い始めた。
将来は警察官になるとの目標は生前の母にも伝えてある。
孫の成長とは反比例してどんどんと老け込む母の写真が人の一生だと感じた。
葬儀では骨壺を抱えて実家に戻るまで兄の義父が付き合ってくれた。
電車を乗り継いで一人で暮らす春日部へ帰ると聞いて兄の子供(長男)に声をかけた。
「春日部までおじいちゃんを送ってあげてくれるか?」
「おっ、いいよ~」と気持ちいい返事が返ってきた。
兄の子供にとって祖父母はこのおじいちゃんだけになったのです。
残り少ない時間を大切にしてほしいと私からの願いでもあった。