或る日の朝から昼にかけて、私は、家から近いが、モミの木クリニックに午前中に着こうと、焦り気味であった。
その時、私は、自転車に乗っていた。
そして、歩道に歩行者が見えたので、私は自転車のベルを鳴らした。
けれども、歩道の歩行者の方が、一枚上手であった。
「ちょっと、君」という声がして、その方を見て、通り過ぎようとしたら、その歩行者が、
「ここは歩道。歩行者が優先。自転車は立場が弱く、強い立場の歩行者に道を譲らねばならない。分ったかい」
こういわれた。こういうシチュエーションは、生まれて初めてだった。その紳士は、私よりも、十も二十も、年上の様な気がした。
とにかく、私も「済みません。なるほどね。わかりました。ありがとうございます。すみませんでした。」と言い、その場を本当は、自転車を押して歩いても良かったが、病院まで時間がなかったので、一礼後、私はすごすごとそこをすり抜け、病院へ向かった。
歩いている人でも、しっかり、交通マナーが身についた人が居るんだと思い直した一日だった。
以上。よしなに。wainai