漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

提綱挈領

2017年08月18日 | 四字熟語
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
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・今日の中日戦、先発は秋山か・・・頼むデエ~・・・って、“張り”は治ったのかや??? 一抹も二抹も不安・・・

●次の四字熟語は、出そうかどうしょうか、最後まで迷って、結局、他にも出題に適している四字熟語があったので、“落選”したもの・・・十分、出題に値する四字熟語だと思う・・・

  提綱挈領(ていこうけつりょう):要領をつかむこと。事の主要な点を挙げることのたとえ。もとづなをつかみ、衣服のえりを持つ意から。

*本四字熟語は記事掲載済み・・・「新明解四字熟語辞典」(三省堂)ベースにまとめた記事の中・・・そこでも書いてるが、たま~に、漢検四字熟語辞典以外からの出題がある・・・記憶に新しいのは前回29-1の「風檣陣馬」・・・過去も「必求壟断」とか「橘井杏林」とか出題されてる・・・

*29-2向け模試の新出問題は、ほとんど、この「新明解四字熟語辞典」からで、当方の独断で、割とわかりやすいものを選んでいるつもりです。あまりにも難解な四字熟語は極力避けるようにしています・・・そうしないと無限といっていいくらい多いし、また、そんなのはおそらく出ないだろうと踏んでいるので・・・

●さて、「提綱挈領」・・・一見、なんのこっちゃ、やけに難しそうな四字熟語じゃないか・・・と、思ったらそこでパスして終りだが・・・

・この熟語のキーポイントは、「提挈(テイケツ)」という基本的な二字熟語・・・語選択問題にもなりそうな熟語でもある・・・まさか、“締結”なんて回答する人はいないとは思うが念の為・・・なにしろ、本番で頭が沸騰していると、こういうのもドサクサまぎれに書いちゃうこともあるので要注意だ(笑)

 提挈:(広辞苑)①さげてもつこと。ひっさげること。②互いにたすけあうこと。提携。
・漢検2にも、
 (漢検2)6級の「提」のところ・・・
 提挈(ていけつ):①さげてもつこと。ひっさげること。②互いにたすけあうこと。提携。
 (漢検2)「挈」のところ・・・
 挈:ケツ・ケイ ひっさげる
 意味:ひっさげる。たずさえる。手にさげて持つ。「挈起」 「挈挈」は急ぐさま。
 下つき:提挈(テイケツ)
 「挈」から始まる言葉:挈げる(ひっさ-げる)
 と掲載されている。

●改めて、さっきの四字熟語をみると「綱領」と「提挈」を分解して組み合わせたものだとわかる・・・こういうの、四字熟語には多いね・・・と、ここまで理解すれば、この四字熟語も簡単だし、無理に、四字熟語自体を覚えようとしなくても、「綱領」と「提挈」がわかっていれば、思い出せる・・・

<余談>
・“提挈”を使った、同じような四字熟語に、「左提右挈(さていゆうけつ)」がある。てっきり、漢検四字熟語辞典に掲載されているもんだとおもっていたら、そうじゃなかった、漢検辞典のほうだった・・・。
・しかも、過去、この四字熟語は出題されたことがあった(H27-3)みたいだ・・・間違えなかったから、あまり記憶になかったけど・・・

(漢検2)
 左提右挈:互いに手をとりあって助けあうこと。左にさげ、右にたずさえる意から。〈『漢書(カンジョ)』〉 「左提右携(ユウケイ)」ともいう。

・本ブログでも、この「左提右挈」は模試等で出題・紹介済みだったと思う。

・また、“提挈”とは違うが、「挈」を使った四字熟語に「挈瓶之知(ケツベイノチ・ケッペイノチ):手で持てる瓶ほどのわずかな知識・小知。」がある・・・これも、何度か、当ブログで掲載済み・・・。

  挈瓶之知
  =「瓶(ヘイ、かめ)を挈(ひっさ)ぐるの智も、守器(シュキ)を失わず」(戦国策) 
  *水を汲むしか能のない者でも、あずかった器(瓶)はなくさないという意味。 *「挈瓶之智(ケッペイ・ケツベイのチ)」

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煬竈(ヨウソウ)・・・

2017年08月18日 | 故事成語類
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
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・29-2向け模試(全5作)は完了~。
・晋太郎は心が折れるし、メッセなんか、ホントに骨が折れちゃうし・・・昨日はサヨナラ勝ちでカープに一矢を報いたものの、ヘタすると3タテ喰らうとこだったゼ~ぶふう!!ボロボロのトラやで・・・しかし、傷ついたトラは恐いデ~・・・
・お蔭で仕事?が捗っちゃって、模試も予定より早く出来ちゃったい・・・

●次の熟語は、どうしようかと思ったけど、結局、お蔵入りの熟語・・・語選択では難しすぎるし、故事成語ではもっと難しい・・・だあれも出来なさそうな熟語・・・せいぜい、出題するとしたら、音読み問題ぐらい?・・・結局、出題は断念・・・

煬竈(ヨウソウ)」
(大字源)一人が竈の火に当たれば後ろの人が当たれないことで、転じて、へつらい者が政治をほしいままにして、君主の聡明を覆い隠すたとえ。(韓非子・内儲説上) 

 *たまたま、というか、だいぶ前に異動祝で部下にねだって、漢文体系の「韓非子」と「荘子・老子」を贈ってもらったことがあって、チラチラとそれなりに見てはいたけど、この熟語の出典が「韓非子」からということだったので、あらためてじっくりと(当該箇所のみだけど)読んでみた・・・
 *漢文大系の注釈には、「煬君」「煬焉」とかも同義のように書かれていて、そういう熟語が掲載されていた・・・が、これらの熟語は大字源には無かった。


<煬:ヨウ、あぶ(る)、かわ(かす)、や(く)、と(かす)>

(漢検2)
音訓:ヨウ あぶる・やく・とかす
意味:①あぶる。やく。火でかわかす。 ②火をもやす。 ③とかす。金属を熱してとかす。
大見出し:煬る(あぶ-る)

*「煬竈」は、かまどの火にあたる・・・“かまどのまえで火であぶる”というよりも“かまどのまえで火にあたってかわかしている”という意味のほうが適切のような気がする・・・
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漢検1級 29-2向け模擬試験問題 その4

2017年08月18日 | 模擬試験問題
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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
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☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
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●“至高の五大鍋”第4弾!!(笑)・・・29-2向け模試(その4)です。現時点での習熟度や実力の判定にお役立てください。
●難易度は(その1)>(その4)>(その2)≒(その3)ぐらいかも・・・ちょっとレベル高いかもしれません・・・
●ハッキリ言って、漢検漢字辞典(第1版)をベースに学習されている方には不向きな模試です。初合格を目指す方であれリピーターであれ、少なくとも、漢検辞典(第2版)や他の漢和辞典・国語辞典などもベースに学習を続けられていて、より高みを目指そうとされている方に向いている模試だと思います。
●今回(その4)のお味は如何でしょうか・・・“恐いもの見たさ”の方も含め、チャレンジはどなたでも大歓迎です(笑)・・・
●実は、“至高の五大鍋”・・・今回の(その4)につづき、(その5)も出来ちゃってます。(その4)も、しばらく配信を控えていましたが、これ以上控えていると、手直しを入れたくなってますます難度が高い模試になりそうなので、ちょっと早いですが、配信することとしました。
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<29-2向け 漢検1級 模擬試験問題 その4>

(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.清籟、蕭蕭なり 
2.山に蹊隧無く、沢に舟梁無し
3.王の遏劉により民安らぐ   
4.戎麾を掲げて進軍する 
5.絹布を熨帛す     
6.尽くその質を串殺す 
7.懾慴者は取らず 
8.戍徭、已むこと無し 
9.玫瑰は赤色の玉という 
10.鴻慈に浴し、未だ鷁退の歎有らず  
11.黎明即起、醒めて後、霑恋するなかれ
12.正笏し一揖す  
13.廃格沮誹の悪弊あり 
14.能事畢矣、すべてなし終えた 
15.君に疇咨の憂いあり 
16.かの椎輪は大輅の始めたり 
17.窮途に潦倒す 
18.弱兵を喑噁叱咤す 
19.寸白による病気に罹る 
20.泓崢として蕭瑟なり 
21.このしを見逃すな 
22.山中で、杣匠に遭遇した  
23.の料理を食する  
24.寄寓先で宴会をけた
25.全力で走ったのでいた 
26.より女房   
27.澪杭を頼りに船をすすめる 
28.この夏はとてもい日がつづく  
29.日にり、月に将(すす)む  
30.肉を虎蹊につ 

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.アコメ姿の童女が現れた 
2.キョウゲキな振る舞いに驚いた 
3.草庵の下、ケイショの膳を設く 
4.問題文をよくソシャクすることが大事だ 
5.威勢のよいタンカを切る 
6.やっと病気がセンカした 
7.コウカツな詐欺師の被害に遭った 
8.交わりをショキュウの間に結ぶ  
9.カイコウ文字に強い人だ 
10.旧友とは三十年ぶりのカイコウだった 
11.社寺の反りのあるコウリョウが美しい 
12.コウリョウ悔いあり  
13.半島情勢、キュウキュウとして危険なり 
14.キュウキュウとして保身に努める 
15.派閥の勢力がキッコウしている 
16.キッコウで井戸水をくみ上げる
17.穂高岳のサンリョウを踏破する  
18.サンリョウの雌雉、時なるかな、時なるかな 
19.穀物をカマスに入れて運ぶ 
20.とてもシャクに障る 

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.跡形が残らないこと。行方のはっきりしないこと。
2.おしきっていさめること。
3.学問は順を追って進むべきであるとのたとえ。
4.平等に恩恵・利益を受けること。
5.あやぎぬ。また、あやぎぬでつくった衣。
<語群>
(むえい、かんかん、きんてん、たいきん、りょうき、こうそう、えいか、ひぜん)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
( 1 )同時 ( 2 )鳳集 ( 3 )匪躬 ( 4 )生珠 ( 5 )穿堤
造次( 6 ) 鬱肉( 7 ) 落花( 8 ) 肩摩( 9 ) 乾坤( 10 )
<語群>
(ろうほ、こくげき、ろうぜき、そったく、いってき、けんけん、らんしょう、ろうぼう、せきいん、てんぱい)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.身動きのとれないこと。
2.大いに励むこと。
3.善悪に関わらずに行動すること。
4.することが的外れなたとえ。
5.非常に長い年月のこと。
<四字熟語群>
朝盈夕虚 兆載永劫 桀犬吠尭 超軼絶塵 進退維谷 膝癢搔背 朝憲紊乱 鞭笞策進 )

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.細瓮 2.小舌 3.煎汁 4.維納 5.壁虎 6.蝦蛄 7.天蛾 8.鳳梨 9.連枝草 10.瓶爾小草  

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.徇行 - 2.徇る    
イ.3.懿風 - 4.懿しい    
ウ.5.懾聳 - 6.聳れる     
エ.7.緝熙 - 8.煕る    
オ.9.攣曲 - 10.攣まる     

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
1.年甫 2.地角 3.低湿 4.寒暑(注) 5.老大人
6.想起 7.碩画 8.煕事 9.匳幣 10.手本

(注)「4.寒暑」は、対義語でなく類義語の問題です・・・語群からは類義語を選択してお答えください。
<語群>
(えんちゅう、こうそう、かし、だいじゅじん、りょういく、ぼはん、きっしょう、かんそう、ろうび、てんじん)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.キョウシャは人を侮らず  
2.スウカン甘きを加えず   
3.驥もレキに伏す  
4.コキュウ敝ると雖も補うに黄狗の皮を以てすべからず 
5.蟷螂が隆車に向ってチョウヒを頼む 
6.ブンゼイ山を負う  
7.カユ相掩わず 
8.ケイヨウは少なきを以て貴なりとす 
9.ソウラン茂らんと欲して、秋風之を敗る 
10.ホウカ空しく繋かる 

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)(緒言)
「・・・題して『吉田松陰』というも、その実は、松陰を中心として、その前後の大勢、暗潜黙移の現象を観察したるに過ぎず。もし名実相副わずとせば、あるいは改めて『維新革命前史論』とするも不可なからん。
昨年の春初「本郷会堂」において、「吉田松陰」を講談す。のち1.フエンして『国民之友』に掲出する十回。さらに集めて一冊となさんと欲す、遷延果さず。このごろ江湖の2.トクセキ急なるを以て、3.トッサの間、遂にこれを成す。原文に比すれば、その加えたるもの十の六、七、そのア.刪りたるもの、十の一、二。
 事実の骨子はおおむね『幽室文稿』『吉田松陰伝』より得来たる。その他参照に資したるもの枚挙に遑あらず。
 松陰の4.マイセイにして、その同年の友たる楫取(かとり)男爵、その親友高原淳次郎、松陰の5.コウシ吉田庫三の諸君は、本書を成すにおいて、あるいは助言を与えられ、あるいは材料を与えられたり。特に記して謝意を表す。
 松陰肖像は、門人浦無窮が、松陰東都6.カンソウせらるるに際して描きたるものを、さらに謄写したり。松陰神社、及び墳墓は、久保田米僊君自らその境に臨んで実写したるもの。・・・・・・・・・・「吉田松陰(徳富蘇峰)」
(B)(第一 誰ぞ 吉田松陰とは)
「・・・玉川に遊ぶ者は、路世田が谷村を経ん。・・・碧蕪疎林その間をイ.点綴し、鶏犬の声相聞う。街道より迂折する数百歩、忽ち茅葺きの小祠堂あり、ああこれ吉田松陰の幽魂を祭る処。
祠後のウ.小杉エ.槍尖注:ウ.エ.は、いずれも音読み)の如く、森然として天を刺す。これを径すれば、幾多の小碑、行儀能く屏列するを見る。その左右に在るは、同志、同難諸人の墳墓にして、彼はあたかも幽界の大統領たるかの如く、その中央に安眠す。7.スウシュの蒼松は、桜樹に接して、その墓門を護し、一個の花崗石の鳥居は、「王政一新之歳、大江孝允」の字を刻して、長(とこしえ)に無韻の8.トウカを伝う。
 三十五年前、日本国を荒れに暴(あら)したる電火的革命家も、今はここに鎮坐して、静かなる神となり。春雨秋風人のオ.訪うなく、9.ショクショクたる松声は、日本男児の記念たる桜花の雪に和して吟じ、カ.喞々たる虫語は武蔵野の原より出でて原に入る明月の清光を帯んで咽ぶ。
 未死の幽魂、尋ねんと欲するも、今何れの処にかある。請う、吾人をして彼を10.キュウゲンの下より起し、少しく彼に就て語らしめよ。
       *   *   *   *   *
 吉田松陰は、関原の役において、西軍の殿将として、大坂を守り、徳川氏に向って弓を挽ける、毛利家の世臣なり。彼は杉氏の子、出でて叔父吉田氏を続(つ)ぎ、禄五十七石をキ.食む。彼は固より微禄の士。天保元年八月長門国萩城の東郊に生れ、安政六年十月国事犯罪人として、江戸において首を斬らる。その間僅かに三十年、而して彼が社会にク.馳駆したるは嘉永四年侯駕にケ.扈して江戸に赴きたるより以来、最後の七、八年に過ぎず。彼の社会的生涯かくの如く短命なり。彼果して伝うべきものあるか。
 曰く、コ.然り。
 彼は多くの企謀を有し、一の成功あらざりき。彼の歴史は蹉跌の歴史なり。彼の一代は失敗の一代なり。然りといえども彼は維新革命における、一箇の革命的急先鋒なり。もし維新革命にして伝うべくんば、彼もまた伝えざるべからず。彼はあたかも難産したる母の如し。自ら死せりといえども、その赤児は成育せり、長大となれり。彼れ豈伝うべからざらんや。・・・・・・・・・・・・・・・・」「吉田松陰(徳富蘇峰)」
👍👍👍 🐔 👍👍👍

<29-2向け 漢検1級 模擬試験問題 その4 標準解答>
(一)
1.せいらい*「清籟蕭蕭(せいらいしょうしょう)」:さらさらと。ひゅうひゅうと。清らかで物寂しい音の形容。主として、風雨や馬のいななき、落ち葉などの形容に用いる。
2.けいすい:*蹊隧(ケイスイ)=こみち。細く奥深い山あいのこみち。(大字源)山間のこみち。
3.あつりゅう:*遏劉(アツリュウ)=王者が殺戮を絶ち止めるをいう。
4.じゅうき:軍旗。戦争に用いる指図旗。また、軍隊。 5.うつはく:絹をのす 
6.せんさつ:(過去問)串刺しにして殺すこと 7.しょうしょう:おじおそれる。
8.じゅよう:徴発されて国境守備に当ること。戍役。9.ばいかい・まいかい 10.げきたい 11.てんれん 12.いちゆう *「正笏一揖(しょうしゃくいちゆう):威儀を正し、相手に敬意を示すこと。礼儀正しいこと。威儀を正し、相手に敬意を示すこと。礼儀正しいこと。
13.そひ:*「廃格沮誹(はいかくそひ)」:政策などが行なわれないように邪魔をして、その悪口を述べ立てること。「廃格」は、行われないように邪魔すること。「格」は、こばむ意。(*現行訓にはナシ)「沮誹」は物事の実行をはばんで、それに対する非難をすること。 出典:史記  <大字源> 「廃格」「廃格沮誹」とも、上記とほぼ同様の説明。
14.ひつい:「能事畢矣(のうじひつい)」:成すべきことは、すべて成し終えたということ。「ノウジ(能事)、畢(お)われり」 出典:易経
15.ちゅうし:「疇咨之憂(ちゅうしのうれい)」:有能な人材を集めなければならないという悩み。「疇咨」は人と相談して人材を求めること。「疇」は誰、「咨」は問いはかる意で、だれか私(王)のために人材をたずね求めよ、の意。 出典:書経・堯典  対義語:桃李満門
16.たいろ *「大輅椎輪(たいろのついりん)」:物事は簡から繁に、粗から精に移り、ついに完備に至ることのたとえ。・・・のちに、物事の始め、創始者の意にも用いられる。飾り気のない質素な車輪が、天子の乗る車にまで発達したことから。「大輅」は天子の乗る車のこと。「椎輪」は飾りがなく質素な車のこと。転じて、始めで完備していないもののたとえ。物事の始めのこと。
17.ろうとう:「窮途潦倒(きゅうとろうとう)」:苦しい境遇にいて落ちぶれたさま。また、失意の中にいるさま。「潦倒」は落ちぶれたさま。 類)窮困潦倒
18.いんお:「喑嗚叱咤(いんおしった)」:非常に怒って怒鳴ること。(史記)
19.すばく(漢検2掲載):①条虫などの人体の寄生虫。また、それによって起こる病気。 ②婦人病。 (②:①によると思われていたことから。)
20.おうそう:水深く山けわしく静謐なさま 
21.きざ(し) 22.そまだくみ:杣人。そま木を刈り採ることを業とする人。きこり。そま取り。そまだくみ。 23.なます・あえもの 24.う(けた) 25.せ(いた) 26.へっつい:*成句なので、ここは「へっつい」と読みたい。「へっつい」は、かまどのこと。生計もままならないのに、嫁を欲しがるということ。*読み問題というよりも故事成語類での出題となることが考えられる・・・。 27.みおぐい 28.むしあつ(い) 29.な(り)*「日就月将(にっしゅうげっしょう):(=日進月歩の意) *「就(な)る」:1級対象 「将(すす)む」:現行訓読みにはナシ。
30.す(つ) *参考:「委」 小学…イ、ゆだ(ねる)準1…まか(せる)、くわ(しい)、お(く)、す(てる)*出典:戦国策
(二)
1.衵・袙(過去問) 2.矯激 3.鶏黍(過去問) 4.咀嚼 5.啖呵 6.痊可 
7.狡猾・狡黠 8.杵𦥑 9.蟹行 10.邂逅 11.虹梁 12.亢竜 13.岌岌14.汲汲 15.拮抗・頡頏 16.桔槹 17.山稜 18.山梁 *山梁:(デジタル大辞泉)1.山中の谷川にかけた橋。2.(「論語」郷党 から)キジの別名。
(広辞苑):①山間のかけはし。渓流を遮る岩石。②雉の異称。 19.叺 20.癪
(三)
1.鴻爪(こうそう):(広辞苑)往時の痕跡。また、跡形が残らないこと。行方のはっきりしないこと。
2.敢諫(かんかん):(広辞苑)おしきっていさめること
敢争:(広辞苑)①思いきって争うこと。すすんで争うこと。②おしきっていさめること。*諫争・諫諍:争ってまでもいさめること。
3.盈科えいか 科(あな)に盈(み)つ 水の流れは科(あな)に満ちてから先の方へ流れていく。転じて、学問をするにも順を追って進むべきであるとのたとえ。
(孟子・離婁下)「科に盈ちて後進む(かにみちてのちすすむ)」「科 (あな) に盈 (み) ちて後 (のち) に進む」《「孟子」離婁下から。「科」はくぼんだ所の意》水が流れるとき、くぼんだ所があると、まずそこにたまってから先へ流れていく。学問も、一歩一歩順を追って進むべきことをいう。 *現行訓に科(あな)はナシ・・・大字源に意味あり・・・
≒盈進えいしん
4.均霑(きんてん):平等に恩恵・利益を受けること。 (過去問)
5.綾綺(りょうき):(漢検2)あやぎぬ。また、あやぎぬでつくった衣。
(四)
問1
1.啐啄(同時) 2.鸞翔(鳳集) 3.蹇蹇(匪躬) 4.老蚌(生珠) 
5.尺蚓(穿堤)(せきいんせんてい):小さな原因が大きな災難を引き起こすたとえ。 類)螻蟻潰堤 「セキイン(尺蚓)堤を穿つ」
6.(造次)顚沛 7.(鬱肉)漏脯 8.(落花)狼藉 9.(肩摩)轂撃 10.(乾坤)一擲
問2
1.いこく:進退維谷(しんたいいこく):進むことも退くこともできず、身動きのとれないこと。出典:詩経 「進退、維(これ)谷まる」
2.べんち:鞭笞策進(べんちさくしん):大いに励むこと。
3.はいぎょう:桀犬吠尭(けつけんはいぎょう):自分の主人に忠義なこと。善悪に関わらずに行動すること。
4.そうはい:膝癢搔背(しつようそうはい):することが的外れなたとえ。核心から外れているたとえ。脚の膝が痒いのに、背中を描くこと→議論や行動が的を得ない意。類)縁木求魚
5.ようごう:兆載永劫(ちょうさいようごう):非常に長い年月のこと。仏教語。
(五)
1.ささべ 2.ひこ 3.いろり 4.ウイーン 5.やもり 6.しゃこ 7.すずめが 8.パイナップル 9.うまごやし 10.はなやすり  
(六)
1.じゅんこう 2.めぐ(る) *めぐりあるく。同)巡行・循行
3.いふう 4.うるわ(しい) *麗しい風俗。よい習わし。
5.しょうしょう 6.おそ(れる) *恐れてぞっとする。
7.しゅうき 8・ひか(る) 9.れんきょく 10.かが(まる)  
(七)
1.臘尾 2.天潯 3.高燥 4.涼燠(注) 5.大孺人
6.喚想 7.遠籌 8.吉祥 9.嫁資 10.謨範
(注)解答「4.涼燠」は“寒暑”に対する類義語です。(対義語ではありません。)当初からの設問ミスですが、そのままの設問としたために、このような対処をしております。ご迷惑をおかけしました。
<参考>
老大人(ろうたいじん):①老人・長者の敬称。②他人の父の敬称。尊大人。③(俗)だんなさま
⇔大孺人  *徳富蘇峰「吉田松陰」- 青空文庫 松陰の書簡から発見。その他ネットにも散見。
喚想:(広辞苑)思い起こすこと。想起。
天潯てんじん:天の果て。天涯 ⇔ 地角
碩画せきかく:遠大なはかりごと。大計画。    
遠猷えんゆう:(広辞苑)さきざきまでのはかりごと。遠謀。 (大字源)遠大なはかりごと。遠謀。遠籌(えんちゅう)。遠謀。
煕事(キジ):さいわい。吉祥。
嫁資(カシ):嫁入りの支度。嫁入り道具。嫁粧(カショウ)。 
(漢検2)=匳幣(れんぺい):(大漢和のみ)嫁入り道具
謨範(ボハン・モハン)=手本・模範(大字源)
(八)
1.恭者 2.芻豢:物事の優劣・上下の区別が混同され易い喩え。 3.櫪 4.狐裘
5.長臂 6.蚊蜹・蚊蚋 7.瑕瑜 *欠点と美点、悪と善とかみなはっきり現れ、互いに隠し合わないこと。 8.瓊瑶 9.叢蘭 *「叢蘭秋風(そうらんしゅうふう):悪い者が善い者に危害を加えるたとえ。生い茂った蘭が芳しい花を咲かせようとすると、秋風がこれを傷つけやぶる意から。 10.匏瓜
(九)
1.敷衍 2.督責 3.咄嗟 4.妹婿 5.後嗣 6.檻送 7.数株 8.悼歌 9.謖々(謖謖) 10.九原
ア.けず(り) イ.てんてい・てんてつ ウ.しょうさん エ.そうせん オ.と(「おとな(う)」でも可だろう) カ.しょくしょく キ.は(む) ク.ちく ケ.こ(して) コ.しか(り)
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コメント (14)
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