漢検1級198点!! 満点取るまで生涯学習!! ➪ “俳句”

我孫子・手賀沼と愛猫レオンの徒然日記。漢検1級チャレンジャーの方の参考となるブログ。2018年7月から“俳句”も開始。

お知らせ:「冤」関連記事の加筆

2017年05月25日 | 熟語の読み(音・訓) -その他-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●「熟語の読み・一字訓読(その48) 兢 兪 冉 冏 冓 冤 冢 」(2015年04月05日 熟語の読み(音・訓))の記事中、「冤」の項を以下のとおり、加筆しました。

<冤:エン、ぬれぎぬ、あだ>
・ぬれぎぬ:冤罪ほか多数・・・略。
・あだ  :冤家(エンカ)=かたき、冤讐(エンシュウ)=あだ。誤って仇とされる(大漢和。この場合は「ぬれぎぬ」に当たるか・・・)
・・・2017.5.25加筆・・・
<漢検2>
・意味 :①ぬれぎぬ。無実の罪を受ける。「冤獄」「冤罪」「冤死」  ②うらみ。あだ。「冤家」「讐冤(シュウエン)」
(参考)ウサギ(兎)がおおい(冖)の中で身を縮めているさまを示すことから、「かがむ・ぬれぎぬ」の意を表す。
・下つき:結冤(ケツエン)・煩冤(ハンエン)
 冤枉(エンオウ):「冤罪」に同じ。「冤」も「枉」も、無実の罪の意。
 冤鬼(エンキ) :無実の罪で処刑された人の、うらみのこもった亡霊。
 冤罪(エンザイ):無実の罪。ぬれぎぬ。「全くの―だ」「―を晴らす」 類)冤枉(エンオウ)
<大字源>
 冤家(エンカ):①かたきの家。 同)怨家 ②心の恨みのもととなる人。愛人。恋人。
 讐冤(シュウエン):(大字源では「冤」に、この熟語記載あるも、「讐」の項では「讐怨」となっている)あだ。かたき。また、あだに報復する。
 結冤(ケツエン):(同:結怨)①恨み合う関係を結ぶ。敵対関係を生じる。②いつまでも消えない恨み。
 煩冤(ハンエン):①憂えもだえうらむ。憂いに胸いっぱいになる。②風の巡り吹くさま。

*冤結(エンケツ):(「結冤」のさかさま熟語だから意味は同じと思っていたら)無実の罪で心が結ぼれる・・・という意味だった。
*冤屈(エンクツ):志を抑え曲げる。 *漢検2(参考)にある、“かがむ”意味の熟語としてはこういうのが大字源にあった。
*讐冤(シュウエン):うらみ。怨恨。 *大字源以外の辞書、ネットなどによる。

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国を窃む者は諸侯となり、コウを窃む者は誅される

2017年05月24日 | 過去問等の深掘りシリーズ
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1は28-1と同じように、年度第1回だから高難度になるのかな~。それともここ2回ほどの難度に落ち着くのかな~。
●全体のレベルはそれほど変わらないだろうけど、いわゆる“満点阻止問題”はふたつ、みっつ、出してくれそうだなあ~・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●「漢検1級 29-1向け模擬試験問題 その5(最終) 2017年05月16日 」で出題した、故事成語「(八)6.国を窃む者は諸侯となり、コウを窃む者は誅される」・・・

●H6-2の過去問(故事成語)、
 「鉤を窃む者はチュウ(誅)せられ、国を窃む者はショコウ(諸侯)となる」

●最近の過去問では見かけないけど、H6に上記のような問題があった・・・ここから当ブログの問題をつくったわけではないけど、どこかで見た記憶があったと思ったら、ここだったのか・・・

●H6の過去問は故事成語というよりも漢字・熟語が書けるかどうかのレベルだが、そろそろ、こういう「コウ」を書かせる難問が出るかも・・・

*「鉤(コウ)」・・・ここでは“帯留め”のこと。

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美女・美人=ガビ(蛾眉)=ケンビ・・・

2017年05月24日 | 過去問等の深掘りシリーズ
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1は28-1と同じように、年度第1回だから高難度になるのかな~。それともここ2回ほどの難度に落ち着くのかな~。
●全体のレベルはそれほど変わらないだろうけど、いわゆる“満点阻止問題”はふたつ、みっつ、出してくれそうだなあ~・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●H6-2の音読み問題・・・「美女のことを繭眉という」・・・答えは“ケンビ”・・・

●最近の過去問やブログ模試などではほとんど見かけないけど・・・ネットでみたら、向こうの辞書かなんかには、確かに「蛾眉」と同様に“美女”の意味合いがあるようだ・・・

●美女の同義語は「傾城(けいせい)」=「契情(けいせい)」ほか、たくさんあるけど、「傾城(契情)」=けんび(繭眉)なんて、出たりして・・・。


<補足1>
・漢検2にはこの熟語はナシ。「蛾眉」のみ掲載あり。
・「蛾眉」:①ガの触角のような、三日月形の美しいまゆ。美人のまゆの形容。 ②美人。 ③三日月。 「娥眉」とも書く。

<補足2>(「繭」のはなし)・・・四字熟語か何かの模試で出題したり記事にした記憶あるが・・・

①漢検四字熟語辞典「百舎重趼(ひゃくしゃちょうけん)」=百舎重繭(ひゃくしゃちょうけん)
 ・前者は大見出しだが、“趼”は対象外漢字。「重趼」で“たこをたくさん作る意”とある。「重繭」も同じ意味で、「重趼」は「重繭」とも書くと掲  載されている。 百舎重趼=百舎重繭 ⇦後者は対象内漢字の四字熟語となる。 *「繭」にも「まめ、たこ」(大字源)の意味あり。

手足重繭
 ・「28-3に向けて <四字熟語&故事成語類>その26 2017年01月23日 」で、四字熟語「手足重繭(しゅそくちょうけん)」を紹介しましたが、そこでも触れていた・・・。
 手足重繭=手足に、まめやたこができるほど苦労すること。「繭」はまめ・たこの意。「重繭」は繭を重ねること。

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一隅に“囁囁”の語が起った

2017年05月22日 | 過去問等の深掘りシリーズ
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1は28-1と同じように、年度第1回だから高難度になるのかな~。それともここ2回ほどの難度に落ち着くのかな~。
●全体のレベルはそれほど変わらないだろうけど、いわゆる“満点阻止問題”はふたつ、みっつ、出してくれそうだなあ~・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●H23-3の過去問「一隅に囁囁の語が起った」の「囁囁」の読みについて

*回答の転載は禁じられておりますので、下記は私の判断・見解・・・ということにしておきます。

〇 : “しょうしょう”“じょうじょう”・・・“しょうしょう”か“じょうじょう”かは、この一文のみでは判断がむずかしい。
△か▲ : “しょうじょう”・・・掲載辞書や経緯などが確認できず。✕になるかどうかは不詳。



*なお、漢検2に掲載されている「謄翻」は誤植のようです。そのうち、「“騰”翻」と修正されるんじゃないかな・・・。

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

過去問記事の移行について

2017年05月22日 | 過去問等の深掘りシリーズ
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1は28-1と同じように、年度第1回だから高難度になるのかな~。それともここ2回ほどの難度に落ち着くのかな~。
●全体のレベルはそれほど変わらないだろうけど、いわゆる“満点阻止問題”はふたつ、みっつ、出してくれそうだなあ~・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●18-1の過去問(訓読み問題)・・・「愛海 天に滔り 邪山 日を遮る」・・・「滔(はびこ)り」を訓読みさせる問題・・・

「愛海」「邪山」についての記事・・・

・・・故事成語のジャンルに登録しておいたけど、よくみたら、「過去問の深掘りシリーズ」があった。本記事はそちらへ移行させました。

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

愛海 天に滔り 邪山 日を遮る

2017年05月22日 | 過去問等の深掘りシリーズ
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1は28-1と同じように、年度第1回だから高難度になるのかな~。それともここ2回ほどの難度に落ち着くのかな~。
●全体のレベルはそれほど変わらないだろうけど、いわゆる“満点阻止問題”はふたつ、みっつ、出してくれそうだなあ~・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●18-1の過去問(訓読み問題)・・・「愛海 天に滔り 邪山 日を遮る」・・・「滔(はびこ)り」を訓読みさせる問題・・・

●H18年度の過去問なので、どなたか、この文意を調べてアップしてくれているかと思ったら(見つけ方が悪いのかもしれないが)、この文そのものをアップしているものはあったけど、文そのものの内容まで踏み込んで解説してくれているものは見つからなかった・・・ので、自分で調べた。

(別に故事成語の類でもなんでもないとは思うが、出典不明なのと、当ブログのどの分野に掲載しておくか迷ったので、とりあえず、「故事成語」のジャンルに登録しておく)・・・ 訂正:「過去問等の深掘りシリーズ」へ移行。


愛海(アイカイ):(仏)愛欲の深さを、海にたとえていうことば。(大字源)  *文例あるも、当該文ではないので省略。

邪山・・・これがわからない・・・いろいろ調べたけど、おそらく、「琅邪山(ろうやさん)」のことではないだろうか? だから、「邪山」は“じゃさん”でなく、“やさん”と読み、山の名前としての固有名詞かなと・・・「琅邪山」は大辞林にも載ってるし、それ以前に地名・山名として有名だし、歴史的にも由緒ある名前・・・詳細略・・・でも「・・・日を遮る」というのは何となくわかる・・・琅邪山の東方が日の出る方、つまり、日本の方なので・・・。

以上の解釈だど、なんとなく、文そのものの意味も分かるような気がする・・・
出典が分からないけど、日本でつくられたものではなく、どうも、中国のほうでつくられた仏教関係の説話みたいなもんだろうか・・・。

👋👋👋 🐔 👋👋👋  誰かもっと詳しく知っている人がいたら教えてください・・・👋👋👋
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南山をコすと雖も猶隙あり  船を沈めフソウを破る

2017年05月21日 | 故事成語類
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1は28-1と同じように、年度第1回だから高難度になるのかな~。それともここ2回ほどの難度に落ち着くのかな~。
●全体のレベルはそれほど変わらないだろうけど、いわゆる“満点阻止問題”はふたつ、みっつ、出してくれそうだなあ~・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●南山をコすと雖も、猶、隙あり

・今回の29-1向け模試で、出そうと思っていた故事成語・・・
・答え
  錮 :南山のような大きな奥行きの知れぬものの中に隠しても、人の欲しがる金玉などはすきまを見つけて発掘される(漢の文帝に厚葬を諌めた語)
・補足
 何の事はない、23-3の過去問(訓読み)に、「南山を錮(ふさ)ぐと雖も猶隙あり」ってのがあった・・・でも、今更ながら、これ、故事成語の類だったんだということがわかった(^^;)

●船を沈めフソウを破る

・これも29-1模試で出そうと思っていた問題・・・四字熟語「破釜沈船」の元となる故事・・・

・答え
 釜甑  :かまとこしき、炊事道具。  *「釜竈(フソウ):かまと、かまど」と書いてしまいそうだが、「甑」と「竈」は少し違うようだ・・・。

・補足
 普通のレベルでは、「船を沈めて釜を破る」・・・

●コウバイの雨

・これも未出題の問題・・・

・答え
 黄梅  :同じ字の黄梅(“オウバイ”)とは意味が違う。梅の実が黄色く熟するころに降る雨。梅雨。 *漢検2掲載熟語「黄梅(コウバイ)」を調べていて発見した成句。

<序で・・・復習用・・・>

●キュウ( 笈 )を負う:郷里から出て遊学すること   負笈(ふきゅう)=遊学
●キュウ( 裘 )を反(かえ)して薪を負う:浅はかな智恵、愚かな考え。裏返しに着て却って皮をすり減らしてしまう意味から。

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熟語の読み・一字訓読(その327) 侈 汰(準1級)

2017年05月20日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・1級漢字用の「熟語の読み・一字訓読」シリーズです。
・(その223)からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●熟語の読み・一字訓読(その327)です。 このシリーズは1級配当漢字を対象としたシリーズ記事です。すでに、(その320)で一応完了したつもりでしたが、一部、漏れていたり不備などもあったりするので、その後の調査の成果(調査対象辞典の拡大、漢検2とも比較など・・・)も踏まえて、適宜、不定期に案内していくものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「汰」(準1) 
<汰:音 タ  外)タイ 訓 外)よな(げる)・にご(る)・おご(る)> *タ(慣用音) タイ(漢・呉音)

<漢検2>(読みは上記と同じ)
・意味 :①よなげる。よりわける。水で洗ってえらびわける。「淘汰(トウタ)」「沙汰(サタ)」 ②にご(濁)る。行いや志が清潔でない。 ③おご(奢)る。ほこる。「汰侈(タシ)・(タイシ)」類)泰
・下つき:沙汰(サタ)・奢汰(シャタ)・淘汰(トウタ)

<漢検1>(下記のとおり、訓読みがすべて載っているわけではない、それでいて、訓読みに対応する熟語は載せている・・・しかも、これ、準1級漢字で・・・)
・音:タ、タイ 訓:よな(げる)
・意味:①よなげる。よりわける。水で洗ってえらびわける。「淘汰(トウタ)」「沙汰(サタ)」②おご(奢)る。ほこる。「汰侈(タシ)・(タイシ)」類)泰
・下つき:沙汰(サタ)・奢汰(シャタ)・淘汰(トウタ)

*「にご(る)」訓に対応する熟語を調べたが、大字源にはそもそも、その読み・意味もなく、熟語も見当たらず・・・要・継続調査・・・。
 (2017.6.4追記 
  にご(る)訓に対応する熟語:汰流
   大漢和:“タイリュウ”:濁ること。「汰流淫佚」 字通:“タリュウ”:濁る。  )


*汰侈(タシ)・(タイシ)=(大字源)身分不相応のおごり。汰肆(タシ・タイシ)
*汰肆=(大字源)おごること。ぜいたくすること。身分不相応のおごり。同)大肆

 汰侈 - 汰る   = たし・たいし - おご(る)

<侈:シ、おご(る)、ほしいまま、おお(きい)、ひろ(い)>
<漢検2>「ひろ(い)」訓の掲載ナシ・・・
・音:シ 訓:おご(る)・ほしいまま・おお(きい)
・意味:①おごる。ぜいたく。いばる。「驕侈(キョウシ)」「奢侈(シャシ)」 ②ほしいままにする。「放辟(ホウヘキ)邪侈」 ③おおきい。広い。「侈大
・下つき:華侈(カシ)・驕侈(キョウシ)・奢侈(シャシ)
・大見出し:侈る(おご-る)
<漢検1>
・音:シ 訓:おご(る)
・意味:①おごる。ぜいたく。いばる。「驕侈(キョウシ)」「奢侈(シャシ)」②ほしいままにする。「放辟(ホウヘキ)邪侈」
・下つき:華侈(カシ)・驕侈(キョウシ)・奢侈(シャシ)
・大見出し:侈る(おご-る)

参考:<過去ブログ>(熟語の読み・一字訓読(その36)2015年03月24日 | 熟語の読み(音・訓))
<侈:シ、おご(る)、ほしいまま、おお(きい)、ひろ(い)>
・おご(る) :侈泰、侈驕、侈靡(シビ)=身分にすぎたおごり
・ほしいまま :侈邪=侈肆=放恣、侈遊=縦遊
・おお(きい):侈言=大言、侈口=大口、侈辞=おおげさな語、侈富=ゆたか、侈闊=広大
・ひろ(い) :侈大=広大にする、侈闊=広大

 *漢検2の掲載内容だと、「侈大 - 侈きい、侈い  = しだい ー おお(きい)、ひろ(い) 」となるのかも・・・でも、「ひろ(い)」訓は、漢検2でも掲載されていないから、出題はされないかもしれない・・・。

👋👋👋 🐔 👋👋👋  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熟語の読み・一字訓読(その73:準1以下):縦 縦(はな)つ、縱(ゆる)す、縦(ゆる)める

2017年05月20日 | 熟語の読み(音・訓) ー準1級以下-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◎◎◎漢検2辞典に沿って、準1以下の漢字の、気になる訓読みに対応する熟語などを調べる<熟語の読み・一字訓読(準1以下)>シリーズを始めています。準1以下といっても1級漢字を含む熟語などもあり、少しはお役に立つと思っています。◎◎◎
・漢検1(漢検漢字辞典第1版)をメインに学習されている方は、漢検1にはすべての訓が掲載されていないケースが多々ありますのでご留意ください。・・・というか、ここまでの学習はお薦めできません・・・
・ときどき、漢検1との比較もしておりますが、面倒なので省略させてもらうこともありますので、お含み置きください。
(もともと「漢字必携」(漢検)で学習していたので、すべての音・訓に対応させるようにしておりますので・・・。なお、漢検2でもすべての訓が掲載されているわけではないので、その場合は注記するようにしております)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<縦:小学…ジュウ、たて 準1…ショウ、ゆる(す)、ゆる(める)、はな(つ)、ほしいまま 1級…よし(んば)>
*ジュウ(慣用音)、ショウ(漢音) *他に、「ソウ」(漢音)あり・・・(参考:「縦縱(ソウソウ)」:①急いで事に赴くさま ②多いさま)
<漢検2>
・音:ジュウ 外)ショウ 
・訓:たて 外)はなつ・ゆるす・ゆるめる・ほしいまま・よしんば
・意味 :①たて。上下または南北の方向。「縦貫」「縦隊」 対横 ②はなつ。 (ア)矢を発する。 (イ)火をつける。 (ウ)追いやる。 ③ゆるす。見のがす。 ④ゆるめる。ゆるい。 ⑤ほしいまま。きままにする。「縦覧」「操縦」「放縦」 ⑥たとい。よしんば。仮定の助字。
・下つき:操縦(ソウジュウ)・放縦(ホウジュウ)・(ホウショウ)
・大見出し:略。(掲載されているものは、すべて、上記①、⑤、⑥の熟語など)

*「ゆる(す)、ゆる(める)、はな(つ)」に対応する熟語が見当たらなかったので調べた。

<大字源>
・ゆる(す)
 縱遣(ショウケン):逃がしてやる(同)従遣)*ゆるして逃がす意。
 縦舎(ショウシャ):ゆるし、はなつ。 *“はな(つ)”にも対応
 縦囚(ショウシュウ):牢屋に入っている囚人を釈放する。 *“はな(つ)”にも対応
 縦出(ショウシュツ):①法を曲げて、勝手に罪人を無罪にしたり、罪を軽くしたりする。(②自由にする。)
 縦容(ショウヨウ):(①のびのびとするさま。ゆったりと落ち着いているさま。 同)従容) ②ゆるす。大目にみる。(③主君や貴人の機嫌)
 擒縱(キンショウ)・・・後記参照
・ゆる(める)
 弛縦(シショウ):緩んでだらだらしている 
・はな(つ)
 縱火(ショウカ):火を放って焼く。放火。
 縦送(ショウソウ):縦は矢を放つ、送は獣を追うこと。一説に、馬を走らせること。 (古訓:ヤヲハナチケモノヲオフ)

 *「擒縦自在」の「擒“縦”」の「縦」も、“許して放つこと”(漢検四字熟語辞典) *ゆる(す)、はな(つ)に対応

・その他
 縦臾(ショウヨウ・ショウユ):すすめる。同)従臾・慫慂(ショウヨウ) 
 
 *漢検2では、この熟語の読みは「臾」の項目にあって“ショウユ”読みのみ。
 <参考>
 臾:ユ、ヨウ、ひきと(める)、しばら(く)、わず(か)、すす(める) 
(注)漢検2には「わず(か)、すす(める)」訓は掲載ナシ。にもかかららず、漢検2には、「意味 ①ひきとめる。 ②しばらく、わずかの意の「須臾(シュユ)」に用いられる字。 ③すすめる。そそのかす。「縦臾(ショウユ) 」」とある。このように、現行の訓読みがあるにもかかわらず、訓を掲載しておらず、それでも、その訓に対応する熟語が掲載されているケースが、本熟語にかぎらず、漢検2でも多く見受けられます。対応する熟語を載せているのなら、訓も掲載しておくべき(そのほうがわかりやすいし、理解も深まる)と思うのですが・・・どうなんだろ。

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熟語の読み・一字訓読(その326) 訛

2017年05月19日 | 熟語の読み(音・訓) ー1級-
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ:①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・1級漢字用の「熟語の読み・一字訓読」シリーズです。
・(その223)からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理しているので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・223回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●熟語の読み・一字訓読(その326)です。 このシリーズは1級配当漢字を対象としたシリーズ記事です。すでに、(その320)で一応完了したつもりでしたが、一部、漏れていたり不備などもあったりするので、その後の調査の成果(調査対象辞典の拡大、漢検2とも比較など・・・)も踏まえて、適宜、不定期に案内していくものです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<訛(譌):カ、なま(る)、なまり、いつわ(る)、あやま(る)> *漢検1「いつわ(る)」訓ナシ *「譌」が本字。

・なま(る)、なまり:訛音(カイン・カオン(注)=なまったことば遣い。間違った発音。)、転訛
・あやま(る) :訛音(注)、訛誤、訛伝、訛謬 (*訛誤=訛謬=誤謬)、訛舛(カセン)=あやまりたがう=差訛=違訛 、舛訛、訛闕(カケツ)
・いつわ(る):訛謡(カヨウ)、欺訛(ギカ) 

(注)訛音:(漢検2は、「なまった発音。なまり。」のみ。)
 転訛(テンカ)=ことばがなまって変わる
 訛闕(カケツ)=誤って欠ける。 
 訛舛(カセン)=あやまりたがう。差訛違訛
 訛謡(カヨウ)=世に言い触らされたうそ。流言。謡言訛口(カコウ)。 *「謡言」は漢検2掲載熟語・・・29-1模試でも同義語の分野で出題した記憶あり・・・
 欺訛(ギカ):(大字源に意味記載ナシ・・・あざむきいつわる意か)

・その他
・遷訛(センカ):移り変わって、本来の姿がなくなる。また、移り変わる。「歳月遷訛」 *この「訛」は“うごく、かわる”意。
(注)遷化:1.(センカ)①うつりかわる ②移って善にあらためる。③人の死をいう。死ぬこと。2.(センゲ)(仏)高僧の死をいう。
・訛火(カカ)=野火。妖訛(=あやしい)の火。*この「訛」は“あやしいことば。妖言。デマ。”の意。
・妖訛(ヨウカ)=あやしげな出来事のために正しい判断を失う。この「訛」は“あやしい”意か、“あやまる”意か、不明(よくわからない)。
・浮訛(フカ):(大字源に意味記載ナシ。流言、訛謡と同じような意味かも・・・)

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢検1級 29-1向け・・・熟語の読み・音訓・・・(その2)

2017年05月19日 | 熟語・一字訓読み

日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  ★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす★★★
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1向け模試は全5回で終了済み。当初、漢検過去問や問題集などの問題を織り交ぜて(難度を薄めて)、全10回分ぐらい作成する予定でしたが、当方の事情により、全5回かつほとんど新出問題のような模試となってしまいました。チャレンジしていただいた方にはお詫びと御礼を申し上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●前回の記事「漢検1級 29-1向け・・・熟語の読み・音訓・・・」で書きの赤字部分を補筆しております。「*聿:イチ、イツ、ふで、の(べる)、おさ(める)、すばや(い)・・・掲載熟語の「聿越」は過去ブログで紹介済み。ただし、「すばや(い)」訓は漢検2も掲載ナシ・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<漢検2掲載熟語>
・訛言―訛る     かげん - なま(る)、いつわ(る)  
 *漢検1レベルでは“いつわ(る)”は訓掲載ナシ。
・訛語―訛る     かご  - なま(る)
・訛伝―訛る     かでん - あやま(る)
<その他>
・差訛―訛る     さか - あやま(る)  *あやまり、まちがい 
・訛舛―訛る     かせん - あやま(る) *あやまりたがう

●訛:カ、なま(る)、なまり、いつわ(る)、あやま(る) *漢検1「いつわ(る)」訓ナシ
<漢検2>
・意味:①あやまる。あやまり。「訛誤」「訛伝」「訛謬(カビュウ)」
    ②言葉がなまる。なまり。方言。「訛音」「訛語」
    ③いつわる。うそ。類)偽
・大見出し:訛る(あやま-る) 訛音(カイン) 訛言(カゲン) 訛語(カゴ) 訛伝(カデン) <訛声(だみごえ)> 訛(なまり) 訛は国の手形(なまりはくにのてがた) 訛る(なま-る) 
 訛言(カゲン):①「訛語」に同じ。 ②いつわりを言うこと。またその言葉。いつわりのうわさ。「―を伝布する」 類)流言(リュウゲン)・(ルゲン)
 訛語(カゴ):共通語と比べて、発音にちがいのある言葉。なまった言葉。類)訛言(カゲン) 訛伝(カデン):まちがって伝えること。また、その言い伝え。類)誤伝 

<「訛言」について> 
(注1) *大字源によれば、「訛言:①偽りのことば。まら、いつわり。②(国)なまったことば。なまりのあることば。訛語。」となっており、本来は、「訛言」の「訛」は“いつわ(る)”意の「訛」で、邦語の意味として“なま(る)”“なまり”という意味にもなったことがわかる・・・。
(注2) *漢検2の書き方だと「訛言=訛語」と早とちりしそうだが、その同義語以外に、“いつわり”の意味のほうの「訛言」には「=流言・・・」などの同義語があることがわかる。
👋👋👋 🐔 👋👋👋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢検1級 29-1向け・・・熟語の読み・音訓・・・(漢検2掲載熟語の一字訓読み)

2017年05月18日 | 熟語・一字訓読み
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1向け模試は全5回で終了済み。当初、漢検過去問や問題集などの問題を織り交ぜて(難度を薄めて)、全10回分ぐらい作成する予定でしたが、当方の事情により、全5回かつほとんど新出問題のような模試となってしまいました。チャレンジしていただいた方にはお詫びと御礼を申し上げます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●以下は、漢検漢字辞典(第2版)に掲載されている音熟語です、また、それに対応する訓読みも掲載されています・・・漢検1(漢検漢字辞典(第1版)には、少なくとも、訓読みは掲載されていません・・・音熟語は掲載されているものもあります。
●ご参考までに、問題形式で開示しますが、詳細は解答のほうに詳しく説明しておりますので、そちらも併せてお読みください。
(なお、この種の熟語と一字訓読み・・・漢検2にはあった漢検1にはナイというもの・・・はこれ以外にもたくさんありますが、どこまで開示するかは未定です)

<熟語の読み・一字訓読>
1.銖鈍 ー 銖い
2.聿修 ー 聿べる
3.嬰城 ー 嬰る
4.遏絶 ー 遏つ
5.饋饌 - 饋める

<解答&説明>
1.銖鈍(しゅどん) ー 銖(にぶ)い
 *にぶい、刀の切れ味がにぶい *漢検2掲載熟語(意味②にぶい。「銖鈍」)
 *漢検2:音:シュ・ジュ 訓:わず(か)・にぶ(い)
  意味:①わずか。わずかなもの。かるい。 ②にぶい。「銖鈍」 ③重さの単位。一両の二四分の一。 ④江戸時代の貨幣の単位。一両の一六分の一。
  下つき:錙銖(シシュ)
 *漢検1には当該訓掲載ナシ。

2.聿修(いっしゅう・いつしゅう)ー 聿(の)べる     *のべおさめる(祖先の徳を述べ修める)
 *漢検2掲載熟語 
 *漢検1には「ふで」以外、訓掲載ナシ。
 *「聿修 - 聿める」なら「聿(おさ)める」
 *漢検2 意味①ふで。類)筆 ②の(述)べる。おさ(修)める。「聿修」③すばやい。「聿越」
 *聿:イチ、イツ、ふで、の(べる)、おさ(める)、すばや(い)・・・掲載熟語の「聿越」は過去ブログで紹介済み。ただし、「すばや(い)」訓は漢検2も掲載ナシ・・・。

3.嬰城(えいじょう) - 嬰(めぐ)る   
 *漢検2掲載熟語 *漢検1には訓掲載ナシ
 *その他
  嬰鱗 ー 嬰れる    えいりん - ふ(れる) *同)逆鱗  *漢検1には訓掲載ナシ。

4.遏絶(あつぜつ) ー 遏(た)つ
 *漢検2掲載熟語 *漢検1には当該訓掲載ナシ
 *(漢検2)遏絶(アツゼツ):①おしとどめて物事をさせないこと。類)遏止 ②たちきること。一族を絶滅させること。
 *遏:アツ、と(める)、とど(める)、た(つ)、さえぎ(る)
 *「遏絶―遏める」で出題されたら、「遏(と、とど)める」

5.饋饌(きせん) - 饋(すす)める    *目上の人に勧めるごちそう。
 *漢検2掲載熟語 *漢検1には当該訓掲載ナシ。
 *漢検2:音:キ 訓 おく(る)・おくりもの・すす(める)
  意味:①おくる。食物や金品を贈る。おくりもの。「饋遺」「饋糧」 ②すすめる。神仏に食物を供える。貴人に食事をすすめる。また、たべもの。食事。「饋食」「饋饌(キセン)」 類)①②餽(キ)

👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

類義語問題 ・・・ほとんどお遊び(続々)・・・真面な出題もアリマス・・・

2017年05月16日 | 類義語・対義語
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●読書も片目ずつ開けて読んでる状態・・・目を閉じて何もしていないのが一番良いのだが、ガマンできず・・・外出も儘ならないので、こんなことばっか、してる・・・
●残りの類義語問題・・・半分“おあそび”で、半分ぐらいは真面な問題です・・・楽しんで遊んでみてください・・・試験には出ないと思います、たぶん・・・でも、ほとんど、漢検2辞典にある熟語などです・・・今回は難度低いかも・・・でも、半分以上できた方は“茂才”(笑)、80%以上だと“仙才”です(驚&笑)  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<類義語問題> 
1.墨瀋 2.梵唄 3.箪笥 4.署名 5.庖宰 
6.上申 7.添刪 8.匹耦 9.准胝 10.緇衣
<語群>
(いし、ひんぱく、せいじょう、さもん、しおう、しっか、せんしょ、じゃばい、ぜんぶ、しょうみょう)
👋👋👋 🐔 👋👋👋

<解答>
1.麝煤じゃばい 墨瀋ぼくしん(=墨汁) *漢検2「麝煤」のみ掲載。
2.声明しょうみょう 梵唄 *漢検2大見出し
3.衣笥いし 箪笥たんす・たんし  漢検2下つき:衣笥(イシ)
4.簽書 =署名
 *漢検2:①ふだ。はりふだ。見出しなどを書いてつけるN。また、標題。「題簽」 類)籤(セン) ②しるす。署名する。「簽書」(=大字源:①署名する ②官名(宋代の枢密院の属官))
5.膳部   庖宰 (=庖人、庖丁・包丁ほうちょう)
 *漢検2大見出し「膳部」:①膳にのせるごちそう。料理。 類)膳羞(ゼンシュウ) ②料理をつかさどる人。料理人。調理人。
6.稟白ひんぱく:大字源)申し上げる。陳述する。 漢検2ナシ  =上申 稟申ひんしん・りんしん 
7.雌黄しおう 添削 改竄 添刪 ・・・
 *漢検2「雌黄」①石黄の古名。砒素(ヒソ)の硫化鉱物。黄色で樹脂光沢がある。有毒。 ②詩文を添削したり改竄(カイザン)したりすること。 ②昔、中国で文章に①を塗ったことから
8.室家しっか 夫婦 伉儷 匹耦(偶) 
 *漢検2「室家」:①家。住居。 ②家族。家庭。 ③夫婦。 ④他人の妻に対する尊敬語。
9.清浄  准胝じゅんでい・じゅんてい *漢検2「准胝観音」の説明にあり
10.緇衣 しい(しえ) 沙門(しゃもん)(さもん)
 *漢検2では「しい」。①黒色の衣服。 ②墨染めの僧衣。また、僧侶(ソウリョ)。
 *漢検2:沙門(しゃもん) 仏)出家して仏門に入り、修行する人。僧。 「サモン」とも読む。

👋👋👋 🐔 👋👋👋

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宮部みゆき 「三鬼 (三島屋変調百物語四之続)」

2017年05月16日 | 読書
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへペット(猫) ブログランキングへ気まぐれ日記 ブログランキングへ
●シリーズ第1作「おそろし」、第2作「あんじゅう」、第3作「泣き童子」に続く、第4作目・・・
●日本経済新聞朝刊で連載されたいた「迷いの旅籠」が、第4作として「三鬼」に改題されて昨年12月に刊行されたもの。
●ちなみに、第5作となる予定の「あやかし草紙」が地方新聞などで連載されているらしい。

●本作は、「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」の4篇。
●どれも秀逸な作品だったけど、個人的には「食客ひだる神」が一番面白かった・・・「あんじゅう」ほどではないが、おもしろおかしく、それでいて、少ししんみりしてしまう・・・“あやかし”ものなのに、なぜか、こういう妖怪みたいなものにも感情移入させられる・・・作者の筆力扛鼎の手腕、あいかわらず冴えわたっているなあ・・・これは読んで良かった👋

👋👋👋 🐔 👋👋👋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

漢検1級 29-1向け模擬試験問題 その5(最終)

2017年05月16日 | 模擬試験問題
日本漢字能力検定(漢検) ブログランキングへ
<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
☆☆☆今年のテーマ  :①漢検1級199点以上 ②好きな古代史の研究深化(古田説の研究) ③(非公開) ☆☆☆  
★★★今年のスピリット:<百尺竿頭一歩を進む>&<百里を行く者は九十を半ばとす> ★★★
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●29-1向け掲題模試(5回)を配信します。29-1向け模試は今回が最終です。本番まであと1か月はあります。ご健闘をお祈りしております。なお、初合格や合格(160点超え)のみを目的とされている方には、何度もご案内しておりますが、
 ・漢検1級模擬試験倉庫(現在33模試公開中)
 ・漢検1級リピーター『猫姐(ねこねえ)』が行く(現在19模試公開中)
での実践練習をお薦めします。この2ブログの模試をマスターすれば、160点はおろか、もっと高得点も望めると思います。ぜひチャレンジしてみてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
●当ブログの今回の29-1向け模試は、初心者(初合格を目指している方)やリピーターの方ともに楽しめる内容にすることを企図しています。すなわち、
 ・初合格目指している方でも160点前後は十分取れるレベル(漢検四字熟語辞典、漢検漢字辞典(第1版)、過去問5年分ぐらい、市販の各種問題集や参考書などをある程度こなしているレベルを想定)
 ・一方でリピーターでも190点を超えるのはちょっと難しいレベル
と、両方のニーズを充たせるような内容とすることを企図しています。
●ごく一部の問題を除いて、漢検2辞典からそれほど外すことのないようにしているので、お役には立つかと思います(音読み問題・文章題以外は、ほとんど漢検2掲載熟語、および、その熟語から派生している問題としています。)
●今回の29-1向け模擬試験(第1回~第5回)は、新出問題(特に読み問題など)も多いせいか、初心者や初合格をめざす方にはレベルが相当高いようです・・・点数は気にせず、なんとか50%ぐらいはいくように頑張ってほしいもんです・・・やってて為にはなるとは思うんですけどね・・・漢検2辞典からの出題もありますが、いわば“先取り”で出題しているものも、一部あります・・・ので、その点、お含み置き願います。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(注)音読みは基本的には<漢検2>および<大字源>の読みにしています。他の読み方もあるかも知れませんので、解答以外の読みもあるようでしたらお知らせいただけると有り難いです。

<29-1向け 漢検1級 模擬試験問題 その5>

(一)次の傍線部分の読みをひらがなで記せ。1~20は音読み、21~30は訓読みである。(30)1×30
1.妬婦の哭詈に辟易する    
2.互いに、相、譏揣す    
3.乍雨乍晴、花、自ずと落つ  
4.殿下に北面して立ち、疏揖す 
5.鶤絃の哀しい音色に哀咽す   
6.君、一撃を為し、九天を鵬搏す 
7.鶩櫂に乗じ小河を渡る   
8.高顴の形貌をした人物である  
9.姚冶な女性に遭遇した 
10.瞞然として慙じ、俯して対えず 
11.濡れた衣服を暴曬す  
12.溺死状態から奇跡的に甦息した  
13.賊軍を戡定し、その渠率を誅す
14.弋繳を以て鳥を射る  
15.怎麼生、何の所為ぞ      
16.主人の酒、常に酢敗し、貧窮せり 
17.高閣に茜衫の官人を見る   
18.屍の足を赬殺を以て裹む 
19.艮隅の地に鉱物満盈す 
20.柘糸の絃、激揚す  
21.彫刻刀で版木に文字をむ  
22.顔貌がい  
23.梢の蟬の群声が喧しい  
24.を合わせたところ、ぴたりと一致した 
25.諸侯の兵、く至る   
26.思案にれて一向に実行に至らない 
27.顕を微にして幽をく 
28.見すぼらしい粗栲を纏う 
29.この暑さで水桶もいでいる  
30.驢馬はその耳の形状が似ていることからともいう

(二)次の傍線部分のカタカナを漢字で記せ。19、20は国字で答えること。(40)2×20
1.政をソウランする 
2.漢詩をアイショウする 
3.卵を熱湯ででる  
4.殺意がホウセイする 
5.他人にショウヨウされて立候補した 
6.まことにテンカンの至りです 
7.庭園に鹿威しともいわれるソウズを設えた 
8.ソウラン茂らんと欲し秋風之を敗る 
9.兄弟、シンショウの如く、仲悪し 
10.シンショウが鳴り、夜明けを知る 
11.悲涙センカンとしてあふれる 
12.センカン工法で基礎工事を行う 
13.斯道の大家にを執る  
14.面晤の人にを通ず
15.嗟来のという無礼を受けた 
16.も舌に及ばず  
17.雑木林の中で鳥たちのオウメイが聞こえる  
18.塵界から隔絶してオウメイを楽しむ 
19.ヌカミソ臭い奴だ
20.穀物をカマスに入れて運ぶ

(三)次の1~5の意味を的確に表す語を下の語群から選び、漢字で記せ。(10)2×5
1.いかだに乗る。航海する。
2.人の機嫌をとっておもねること。こびへつらうこと
3.多数の人で混雑し、騒がしいこと。
4.竹の生け垣
5.互いにうちとけること、やわらいでむつまじい状態になること
<語群>
(ていねい、あび、しょうこう、ぼくじつ、じょうさ、はり、ねっとう、げきしょう)

(四)次の問1と問2の四字熟語について答えよ。 (30)   
問1 次の四字熟語の(1~10)に入る適切な語を下の語群から選び漢字二字で示せ。
(20) 2×10
( 1 )風動 ( 2 )無礼 ( 3 )驥尾 ( 4 )流爛 ( 5 )咨嗟
兎起( 6 ) 綢繆( 7 ) 陽関( 8 ) 薤露( 9 ) 牛驥( 10 )

<語群>
(こうり、ゆうこ、せんぼう、そうよう、かんぷ、どうそう、さんじょう、こつらく、えんまん、いんぎん)

問2 次の1~5の解説・意味にあてはまる四字熟語を後の四字熟語群から選び、その傍線部分だけの読みをひらがなで記せ。(10)2×5
1.日常生活に必要な仕事や作法のこと
2.我が身をかえりみず、主人や他人に尽くすさま
3.容姿の美しい者。特に、美少年のこと
4.災いと幸せは、交互にやって来る
5.正規の手続きを経ずに官職につく方法

<四字熟語群>
( 禍福糾纏 霓裳羽衣 擲果満車 終南捷径 光風霽月 灑掃応対 蹇蹇匪躬 竜吟虎嘯 )

(五)次の熟字訓・当て字の読みを記せ。(10) 1×10
1.手斧 2.顋門 3.刺蛾 4.紫萁 5.白及
6.鬼鍼草 7.三稜草 8.桟俵法師 9.盟神探湯 10.此方人等

(六)次の熟語の読み(音読み)と、その語義にふさわしい訓読みを(送りがなに注意して)ひらがなで記せ。 (10)1×10
ア.1.懊歎 - 2.懊む    
イ.3.葷腥 - 4.葷い    
ウ.5.孺弱 - 6.孺い   
エ.7.耆欲 - 8.耆む    
オ.9.圉禁 - 10.圉ぐ    

(七)次の1~5の対義語、6~10の類義語を下の語群から選び、漢字で記せ。語群の語は一度だけ使うこと。(20)2×10
1.遅明 2.裨益 3.猊下 4.耄耋 5.宴座 
6.涕涙 7.乞人 8.奥義 9.洪図 10.内訌

<語群>
(いんし、おんざ、げきしょう、ちょうしん、かしょう、かんかい、とどく、やのう、こうゆう、けつよう)

(八)次の故事・成語・諺のカタカナの部分を漢字で記せ。 (20)2×10
1.憎まれっ子、世にハバカ
2.カンキョウを煩わす  
3.父にソウシあれば、すなわち身、不義に陥らず 
4.我が心、ショウの如し。人の為に低昂する能はず
5.沢梁に禁なく、人を罪するにまでせず
6.国を窃む者は諸侯となり、コウを窃む者は誅される
7.天、ジョウミンを生ず、物有れば則有り
8.エンシャの憾み  
9.鼠に投ずるにを忌む  
10.ギシ、時に、之を術(まな)ぶ

(九)文章中の傍線(1~10)のカタカナを漢字に直し、傍線(ア~コ)の漢字の読みをひらがなで記せ。 (30)書き2×10 読み1×10
(A)隣国の富は戦争もしくは政略上の交渉においては我に危険を与うれども、通商貿易においては実に利益を与うるものなり。けだし1.キコ相見ゆるの日においては彼の富は彼をしてよく我に優るの海陸軍を備えしむるを得るものなり。しかれども天下泰平舟車往来の日においては、またわが物産貨物をばその富あるがゆえに高貴なる価値をもってこれを交易し、景気よき市場をもってこれに与うるものなり。たとえば富者は貧人よりもその隣郷に住む生産者のよき得意者たるがごとく、富栄なる隣国もまたしかりといわざるべからずと。
・・・
世界文明の微光は兵の運動とともに始まり、武備の機関進歩するに従い社会はいよいよその歩を進め、二者並行いまだかつてア.轡を駢べ、袂を連ねて運動せざることはあらず。吾人は実に断言す。文明なるものは実に武力の胎内よりイ.孕産したるものなることを。試みに思え。文明世界の人類をして文明の民たらしめんと欲せば自由の必要なるがごとく、野蛮世界の民をして文明の民に進めんと欲するときには抑圧なるものは実に必要なり。これはその意の動くがままに放任せざればもって文明の運動をなすあたわず。かれはその意の動くがままに放任するときにはもって文明の運動をなすあたわず。その目的は一なり。しかれどもその手段かくのごとく異ならざるべからざるゆえんのものは実にその人民の位置においてやむべからざるものあればなり。
 試みに思え。いかにして偉大なる帝国は生ずることを得たるか。いかにして器械技術は発明することを得たるか。いかにして屈強なる体格を有する人民は社会を支配することを得たるか。いかにして緻密なる法律は生じたるか。いかにして錯雑なる政治社会の機関は発達することを得たるか。これを約すればいかにして人類の社会をしてウ.蜂衙蟻楼より高等なるものとならしめたるを得たるか。これみな腕力運動の結果にあらずや。けだし今日のいわゆる文明世界に向かって未開野蛮の人民をして一歩を転ぜしめたるものはなんぞや。他なし。ニムロデのごとき、秦の始皇のごとき、もしくはロムルスのごとき、メネスのごとき、ライカルガスのごとき人々の社会に出でたればなり。もしこれらの人微(なか)りせば今日の社会は依然たる太古の社会にして、今日の人民はただかのタタールの曠原に野獣を逐い、アラビアの砂漠に駱駝を駆るの人民なるべし。すなわちこれらの暴君もしくは圧制者なる者は実に社会進化の大恩人といわざるべからず。ゆえに上古の世界においてつとに自治の制度を適用し平民的の現象をもって社会を支配したるの国体なきにあらず。すなわちカルタゴのごとき、ツロのごとき、もしくはアテネのごとき、あるいは地中海の沿岸に2.セイラしたるツロ、ギリシアの諸植民地のごとき、自由の光輝を上古の社会に放ちたるものなきにあらずといえども、小魚は大魚の餌となり、小敵は大敵のエ.擒となり、ついに近傍の腕力国の腹を肥やすの食物となれり。これなんのゆえぞや。けだしその時節を得ざればなり。その境遇に適せざればなり。その進歩と社会全体の進歩と平均を得ざればなり。ゆえに上古の歴史に平民社会を見ればあたかも万緑3.ソウチュウ一点の紅を望むがごとく実に愉快とも珍奇ともいうべけれども、とうてい可憐可悲の歴史たるに過ぎず。ゆえに知るべし。ローマのカルタゴを滅ぼしたるはスキピオの功業にもあらず。カルタゴの滅ぼされたるはハンニバルの罪にもあらず。アテネがスパルタのために屈辱せられたるもひとりこれをペロポネソスの一戦に帰すべからず。その滅びたるは平民的の社会なるがゆえなり。あるいはむしろ平民的の社会の罪といわんよりその時節に不適合なる社会なりしがゆえなり。その威力を逞しゅうしたるは貴族的の社会なりしがゆえなり。あるいはむしろ貴族的の功徳といわんよりその時節にオ.恰当(注)の社会なりしがゆえなり。武備的の世界には貴族的の社会もってその力を逞しゅうするを得べし。生産的の世界には平民的の社会もってその力を逞しゅうするを得べし。これ自然の理なり。(「将来の日本」徳富蘇峰)
(注)恰当:ぴったりとあう・こと(さま)。(大辞林)
(B)美学者迷亭先生がかつて吾輩の主人を評して君は割り切れない男だといった事があるが、なるほどうまい事をいったものだ。この餅も主人と同じようにどうしても割り切れない。噛んでも噛んでも、三で十を割るごとく4.ジンミライサイ 方のつく期はあるまいと思われた。この煩悶の際吾輩は覚えず第二の真理に逢着した
・・・
「鴻の台のは鐘懸けの松で、土手三番町のは首懸けの松さ。なぜこう云う名が付いたかと云うと、昔むかしからの言い伝えで誰でもこの松の下へ来ると首が5.ククりたくなる。土手の上に松は何十本となくあるが、そら首5.ククりだと来て見ると必ずこの松へぶら下がっている。
・・・僕も一つ試みようと枝へ手を懸けて見ると好い具合にカ.撓る。カ.撓り按排が実に美的である。
かような言語を弄して人を6.バリするものに限って融通の利かぬ貧乏性の男が多いようだ。こう猫の習癖を脱化して見ると三毛子や黒の事ばかり荷厄介にしている訳には行かん。やはり人間同等の気位で彼等の思想、言行を7.ヒョウシツしたくなる。これも無理はあるまい。ただそのくらいな見識を有している吾輩をやはり一般猫児の毛の生えたものくらいに思って、主人が吾輩に一言の挨拶もなく、吉備団子をわが物顔に喰い尽したのは残念の次第である
日は上天気の日曜なので、主人はのそのそ書斎から出て来て、吾輩の傍へ筆硯と原稿用紙を並べて腹這いになって、しきりに何か唸っている。大方草稿を書き卸す序開きとして妙な声を発するのだろうと注目していると、ややしばらくして筆太に「香8.イッシュ」とかいた。はてな詩になるか、俳句になるか、香8.イッシュとは、主人にしては少し洒落過ぎているがと思う間もなく、彼は香8.イッシュを書き放しにして、新たに行を改めて「さっきから天然居士の事をかこうと考えている」と筆を走らせた
・・・
鼻毛で妻君を追い払った主人は、まずこれで安心と云わぬばかりに鼻毛を抜いては原稿をかこうと焦る体であるがなかなか筆は動かない。「焼芋を食うも蛇足だ、割愛しよう」とついにこの句も抹殺する。・・・主人はこれでは何だか簡単過ぎるようだなと考えていたが、ええ面倒臭い、文章は御廃しにして、銘だけにしろと、筆を十文字に揮って原稿紙の上へ下手な文人画の蘭を勢いよくかく。せっかくの苦心も一字残らず落第となった。それから裏を返して「空間に生れ、空間を究め、空間に死す。空たり間たり天然居士キ.噫」と意味不明な語を連ねているところへ例のごとく迷亭が這入って来る。迷亭は人の家も自分の家も同じものと心得ているのか案内も乞わず、ずかずか上ってくる、のみならず時には勝手口から飄然と舞い込む事もある、心配、遠慮、気兼ね、苦労、を生れる時どこかへ振り落した男である。・・・
・・・主人は無論、さすがの迷亭もこの不意撃ちには胆を抜かれたものと見えて、しばらくは呆然として9.オコリの落ちた病人のように坐っていたが、驚愕のク.箍がゆるんでだんだん持前の本態に復すると共に、滑稽と云う感じが一度に10.トッカンしてくる。両人(ふたり)は申し合せたごとく「ハハハハハ」と笑い崩れる。
・・・
猫の足はあれども無きがごとし、どこを歩いても不器用な音のした試しがない。空を踏むがごとく、雲を行くがごとく、水中にケ.磬を打つがごとく、洞裏に瑟を鼓するがごとく、醍醐の妙味を甞めて言詮のほかに冷暖を自知するがごとし。月並な西洋館もなく、模範勝手もなく、車屋の神さんも、権助も、飯焚も、御嬢さまも、仲働きも、鼻子夫人も、夫人の旦那様もない。行きたいところへ行って聞きたい話を聞いて、舌を出し尻尾をコ.掉って、髭をぴんと立てて悠々と帰るのみである。(「吾輩は猫である」夏目漱石)
👋👋👋 🐔 👋👋👋

<29-1向け 漢検1級 模擬試験問題 その5 標準解答>
(一)
1.こくり :大声で泣きののしる 2.きし:悪口を言って人物を批評する 3.さう:にわかに雨が降る 4.そゆう:跣で拱手の礼をする。ひどく恐縮したさま。 5.こんげん:琴の糸。 6.ほうはく:大鳥の羽ばたき。転じて、大事業をしようとすることのたとえ。 7.ぼくとう:小さい舟。 8.こうけん:高いほお骨。ほお骨の出ている事。 *大字源「こうけん」読みのみ。 *“カン”読みもあるかもしれない*「顴骨」は“けんこつ、かんこつ”(漢検2、大字源ほか) 9.ようや 10.もんぜん 11.ばくさい =曝曬(:日にさらす、日に乾かす) 12.そそく *息を吹き返す 甦=蘇 13.きょすい *率(スイ:かしら)=帥 将帥=将率(ショウスイ) 14.よくしゃく *いぐるみ 15.そもさん *全部、唐音 16.そはい:酒が腐ってすっぱくなる 17.せんさん:赤い色の衣服 18.ていさい:赤色の殺(サイ) *殺(サイ)に、“屍の下部をつつむ布”という意味あり。ほかに、「黼殺(ホサイ・フサイ):黒白の斧形をぬいとりした死者の足をつつむふくろ」。 19.こんぐう:うしとらの隅。東北隅。 *大漢和・字通とも“コン”グウ  20.しゃし:山桑(柘)の葉で飼育した蚕の吐いた糸
21.きざ(む) 22.みめよ(い) 23.むらごえ 24.わりふ 25.ことごと(く) 26.く(れて) 27.ひら(く) 28.あらたえ 29.はしゃ(いで) 30.うさぎうま
(二)
1.総攬 2.愛誦 ✕愛唱 3.茹 4.萌生 5.慫慂 6.靦汗 7.添水・僧都 8.叢蘭 9.参商 10.晨鐘 11.潺湲 12.潜函 13.贄 14.刺 15.食 16.駟 17.嚶鳴 18.鷗盟 19.粏 20.叺
(三)
1.乗槎
2.阿媚
3.熱鬧 *「ネツドウ」とも読む。
4.笆籬=籬笆=とげのある竹の瑕瑾、竹の生け垣 *漢検2掲載熟語
5.浹洽 *漢検2・意味②
(四)
問1
1.感孚 2.慇懃 3.蒼蠅 4.衍曼 5.瞻望 
6.鶻落 7.牖戸 8.三畳 9.蒿里 10.同皁
問2
1.さいそう 2.けんけん 3.てきか 4.きゅうてん 5.しょうけい
(五)
1.ちょうな 2.ひよめき 3.いらが 4.ぜんまい 5.しらん
6.せんだんぐさ 7.みくり 8.さんだらぼっち・さんだらぼうし 9.くかたち・くがたち 10.こちとら
(六)
1.おうたん - 2.うら(む) *うらみなげく
3.くんせい - 4.くさ(い) *なまぐさいもの。臭い野菜と生臭い肉。 葷(くさ・い、なまぐさ) 腥(なまぐさ)い
5.じゅじゃく - 6.おさな(い)
7.しよく - 8.たしな(む)
9.ぎょきん - 10.ふせ(ぐ) *ふせぎとめる
(七)
1.下舂 2.荼毒 3.野衲 4.髫齔 5.穏座 
6.隕泗 7.歛丐 8.訣要 9.鴻猷 10.鬩牆
「丐子」「歛丐」は漢検2 こじき。
(大字源)涙をおとす 同)隕涙 隕涕
=要訣 *漢検2
(八)
1.憚(る) 2.緩頬:他のことにかこつけて、それとなく自分のことを 話してもらう 
3.争子 (孝経) *「諍子」も同義なので〇だと思う・・・。
4.秤:自分の心は秤のようなものである。人の都合で上下したりはしない。(諸葛孔明) 
5.孥:人民が沼地で魚や燃料をとるのに禁制を設けず、罪を妻子にまで及ぼさない。寛大な政治のこと。*沢梁:漢検2掲載熟語
6.鉤:ここでは帯留めのこと。
7.烝民(「蒸民」でも可だろう) *出典「詩経」
8.塩車 :良馬が駄馬と同じく塩を運ぶ車を引かされるのを恨みに思うこと。有能な人物が自己の不遇を嘆くのにたとえる。
9.器
10.蛾子
(参考:過去記事)「蛾術(ギジュツ)」:アリの子が親アリのすることを見習って土を運んで大きなアリ塚を作りあげるように、人もまた、つねに聖賢の教えを学び大成すべきというたとえ「礼・学記」。「蛾子(ギシ)、時に、之を術(まな)ぶ」
(九)
1.旗鼓 2.星羅 3.叢中 4.尽未来際 5.縊 6.罵詈 7.評騭 *原文は「評隲」となっていたが、(対象外の)「隲」は「騭」の俗字のようなので解答を修正している。 8.一炷 9.瘧 10.吶喊
ア.くつわ イ.ようさん ウ.ほうが エ.とりこ オ.こうとう カ.しわ(る) キ.ああ ク.たが ケ.けい コ.ふ(って)
👋👋👋 🐔 👋👋👋
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする