翻訳者の散歩道

  ☆ 法律翻訳者の思考のあれこれ ☆
(「翻訳者になりたい人のためのブログ」を統合し「第ⅡBlog〇〇編」と表記)

やっぱり法律はおもしろい

2007年10月22日 | 英語・翻訳
法律翻訳=契約書翻訳と捉える人も多いのですが、
契約書ばかりではありません。

個人的事情をお話しますと、
駆け出しの頃は契約書の割合はかなり多かったのですが、
年々減少し、最近はかなり減っています。
特に今年はもうっ・・・…と、何をやっているかって?
守秘義務があるうえ、実名も出しているので具体的には書けません (_ _)

しかし、学生時代に比べ、法律=特に○○法分野の知識がたそがれている(笑)ことは否めないので、"補強せねば!"と思っていることろです。

ところで、判例百選、これが昔のでも役立つんですね!(捨てようと思いつつ、捨てなかったのが功を奏したか) 
そう、新しいものばかりでなく、昔の判例も活きていますから。

最近、やはり法律っておもしろいって改めて思うのです。(^^)
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代名詞のワナ

2007年10月11日 | 英語・翻訳
代名詞? あらっ、簡単じゃないの!と思われる方はご注意。

翻訳は分野ごとにルール(のようなもの)がありますが、この代名詞、法律分野ではできるだけ避ける傾向があります。

なぜなら、正確性を重視するため、できるだけ曖昧な表現を回避したいからです。

もちろん、日英で全く使わないというわけではありませんが、使う場合も、直前のものを受ける等、明確にそれが何を指すか分かるように使います。

また、英日の場合、原文に代名詞が出てきたら、可能な限り具体的なものに置き換えます。もっとも、(ちゃんとした?)英原文でこの「置換え作業」が困ったという経験はない・・・

おっと、代名詞で困ったことがありました!
(以下、かなり抽象的な話になりますがご容赦下さい。)
例えば、複数の人の話が登場する文書の場合、話者が苗字だけで登場、しかもMr. Ms.など性別がわかるものがついていないこともあります。そのくせ!?次の段落では"she" "he"に変身している!

こういう場合、判別は無理!と割り切り、「彼女」「彼」と訳すのがひとつの考え方です。

しかし、そのような仕事をするのはプロとして許せない!^_^;

そこで、どうしたか?
その苗字で該当する人を探して性別の確認作業を行いました。
 「そこまでやるか?」
 「足が出るじゃない!」
むむぅ、でも自分で納得がいかないと・・・(^^)

いずれにせよ、代名詞の扱い、簡単なようでちょっと注意が必要です。



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この名詞は一体…?

2007年10月02日 | 英語・翻訳
実に簡単な普通名詞にウンウンうなること数十分!
(こういう非効率的なことはしない、と生徒さんには言っています

こ、これは一体どのような意味であろう?フツーの意味では通らないし・・・。
知らないうちに新しい意味が生まれたのか?と検索したり…(爆)

ふと視線を原稿の端の方に移動させると、な、何と!固有名詞でした!(主役級ではなく、超脇役。)

こんな普通名詞を固有名詞にするな!と言いたいが、無意味なのでやめる。

しかし、思わずなーんだ、固有名詞だったのかぁ!と叫んじゃいました。

あぁ・・・。でも楽しい 
 
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難易度と納期

2007年08月20日 | 英語・翻訳
以前にも同じようなことを書いていると思うのですが・・・

やっぱり、難しい案件はおもしろい!

何といっても、解けたときの嬉しさは格別ですから。

しかし、(私の場合)このおもしろさ、「納期」によってビミョーに違うのです。

難題+納期がキツイ  =おもしろさを感じる前に、胃がキリキリ痛み、睡眠不足で目はぼってりするし・・・(笑)
後で「おぉ、おもしろかった!」「実にいい勉強になった!!!」って実感^_^;
(いえ、作業中から「こりゃー、すごい勉強になるぞ」とわかってはいるのですが、なにしろ目の前に納期がちらつき、感慨にふけるところまでいかないのです。

難題+納期そこそこ =作業中、ストーリーが見え始めた頃から「おもしろい」「おもろい」「えーっ、そうなの!?」「うひゃ―」の連続
 
おぉーっ、何と単純な性格であろう(笑) 


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やっぱり"ストーリー"

2007年08月16日 | 英語・翻訳
以前に「長文読解のコツ」(←これ、なぜか?最近、単発ヒットしています…)で”ストーリーを追う”ことの重要性を書いたのですが、

長文のみならず、難解なものは先にストーリーをつかんだ方が楽です。

やさしいものは、いきなり頭からドンドン訳していっても同時にストーリーがつかめるのですが、

難解なものは、「頭からドンドン」いっても「むにゃむにゃ」路線になりがち(>_<)

そこで、多少の時間は覚悟して、最初に背景を調べておおよそのストーリーをつかむ。
調べる際にそのものスバリはヒットしなくても、「似て非なるもの」でもOK。そこから推測できますから。(^_^)

(抽象的な話ですみません。。。守秘義務ゆえご勘弁を…。)


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日本最初の英会話本

2007年08月09日 | 英語・翻訳
日本で最初の英会話本は、ジョン万次郎こと中濱万次郎の「英米対話捷径」です(@_@)

ご存知ジョン万次郎は土佐の漁師で、14歳の時に遭難→漂着→米国の捕鯨船に救助されたのを機に、米国で高等教育(英語、数学、航海術など)を受けました。

さて、ジョン万次郎の英語はすべて、耳で聞いた英語であり、聞いたとおり発音しています(@_@)
例えば、「ワタ」=水、「さんれぃ」=日曜日、「キャンル」=ろうそくといった感じです。
なるほど、現在の英語辞書にある発音記号とは違いますね。でも、こっちの方が通じそう・・・^_^;

会話を見ると、
 Good day Sir.=善き日でござる
How do you do sir? =いかが ごきげん あなたさま よふ ござるか

また、日本最初の英文法書も、万次郎が最初に日本に帰国した際に持ち帰ったもので、幕府が「英吉利文典」として英文のままで復刻しました。
これらが日本の英語の基礎を形成したと言われています。

皆さんご存知の「ABCの歌」は、冒頭にご紹介した「英米対話捷径」によって、日本に初めて伝えられました。

ところで、万次郎は、日本では貧しく寺小屋にもいかれず、日本の学問の基礎を欠いたまた米国に渡ったため、通訳としては有能だったものの、文章化された英語を日本語に訳することが不得手であったという話もあります。(Wikipedia)う~むぅ。

最初の方に「アメリカの捕鯨船に救助された」と書きましたが、その捕鯨船の船長ホイットフィールド家と中濱家とは代々交流が続いているそうですよ。

歴史は海を越えて脈々といきつづけているのですね!
  
中浜万次郎―「アメリカ」を初めて伝えた日本人
中浜 博
冨山房インターナショナル

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  参考・引用:学士会会報No.864 中濱博「私の曽祖父中濱万次郎」
  参考サイト:土佐清水市HP「ジョン万次郎の生涯」 


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法令翻訳データ更新

2007年08月06日 | 英語・翻訳
法令翻訳データに「消費者契約法」が登場。

その中の§9に、多くの人が頭を悩ますであろう数式表現がありましたのでちょっと抽出します(省略部分あり)。


(日本文)
これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年14.6パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分

(英文)
when the total amount exceeds the amount calculated by deducting the amount of money actually paid from the amount of money which should have been paid on the due date and multiplying by 14.6% a year in accordance with the number of days from the due date to the day on which the money is actually paid  The part that so exceeds.

もちろん、これだけ!というわけではなく、自分ならもっと分かりやすい or 違う表現をするという方もいらっしゃいましょう。あくまでもご参考にどーぞ。
実は、この類いを前期の日英クラスの最後にアドリブで入れようと思ったのですが、序盤戦で終ってしまいましたっけ・・・

法令翻訳データはこちら




   
    ↑07秋クラス募集中です 
 
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「係る」にご注意

2007年05月25日 | 英語・翻訳
日本人が大好きな「~に係る」という言葉。

翻訳(英日)では注意が必要で、安易に使うのは慎むべきでしょう。

例をあげます。
◎ 「合併に係る会社」 
 合併する側?
 合併される側?
 あるいは、両方?

「Xに係る財産」 
 Xが所有しているの?
 Xは担保にとっているだけ?
 あるいは、保証人?

このように不明瞭な使い方を安易にすべきではなく、
英語が受動態になっているのか、能動態か、どのような動詞が使われているのか等、原文に沿って明確に訳さなければ商品とは言えません。

"自信がなくて(=こわくて)"逃げの姿勢になっているのか、
あるいは「アバウト」?で訳すクセがついてるのか・・・???

継続的な仕事受注を確保するためには、やはり丁寧な仕事を心がけることが大事だと思うのです(^_^)


(注:前回の授業でも質問が出たのですが、「係る」という言葉をいかなる場合においても使ってはいけない、という意味ではありません、もちろん。) 

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法令翻訳データ更新

2007年05月22日 | 英語・翻訳
法令翻訳データ(内閣官房)に民法と会社法が新たにラインアップ!

◎ 民法(第2編・第3編(第2章~第5章)・第4編・第5編)
 注:第2編=物権、第3編=債権、第4編=親族、第5編=相続

◎ 会社法(第1編~第4編)
 注:第1編=総則、第2編=株式会社、第3編=持分会社、第4編=社債

いや~、便利になりましたね(^_^) 
以前は、買うとすれば非常に高かったのでは。。。


法令翻訳データはこちら


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訳語を新聞で拾う

2007年05月17日 | 英語・翻訳
今、昭和初期の新聞で訳語を拾ってきました(^o^)//

奇しくも、自分で考えていた訳語と一致。結果的に訳語の検証になりました。

新聞社のデータベースは有料が多いと思うのですが、 
大学や図書館などで、電子的にデータベースを作成して公開しているものもあり、運がよければ、そのあたりで見つけられます(^_^)

それにしても、昭和初期とは!
実は、この訳語の原文にあたる英語自体が世界中でもほとんどヒットせず、もしかするとヨーロパ圏でのみ使われていた死語?と思いつつ検索していたのですが、日本語でも古色蒼然って感じでしょうか・・・。←これを思いついた自分もこわい(爆)

こういう作業って、楽しいです
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