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山陰本線・鎧駅に降り立った。
2両編成のディーゼル列車が走り去るとあたりは急に静まり返った。
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上りホームには鎧の港を見下ろせるベンチがある。
ここからの眺めは、思わず声をあげてしまうほどだ。
海の色は驚くほどに青く美しい。
隣の餘部駅の餘部鉄橋のダイナミックさとは対照的に、こちらは穏やかな光景が広がる。
「なんでだろう。涙が出た。」
かつてのこの駅を舞台にした青春18きっぷのポスターのキャッチコピーだ。
そんな心境にもさせられる感じの心に響く駅。
下り列車を待つ間、ずっと暮れゆく海の風景を眺めていた。
この駅を訪ねることだけが目的の旅もありだと思う。