「見仏」と「札所巡り」と「仏教少々」

仏像鑑賞と札所巡りと受け売りの仏教を少し

滋賀湖北、総括

2012-05-04 00:35:31 | 見仏(滋賀)
■京都、奈良の見仏にはない滋賀湖北の見仏の魅力

その村々の人たちが、自分たちの仏像をたいせつに
している。過去、戦いの中で、仏像を守ってきたように
その精神が、現在に至っても引き継がれている。

西野薬師堂から、正妙寺に行く途中、道に迷ったとき、
軽トラのおじさんが近づいて、正妙寺の場所を教えてくれた。

赤後寺に行く途中、自ら声をかけてきた軽トラのおばさんに、
赤後寺の場所を教えてもらった。

己高閣・世代閣へ行く途中、中学生の女の子に道を尋ねたら
親切な応対で教えてくれた。

高月駅の観光案内所の人も親切すぎるほどの応対だった。

もちろんお金を落としてくれるお客さん・・・というのは
あるのだが、それにもまして仏像を見に来てる人に親切だ。
自分たちの仏像を愛しているから、気持ちよく、
人に見てもらいたいというもてなしの心が強い。
それは、先祖代々、滋賀のこの地域に根ずいている
ものだと思う。

それに反して・・・、
東寺でのこと。売り子には、関係ないことかもしれないが、
ちょっと質問したら、「こちらではわかりません」と即答。
しかも無表情。
「すみませんが、わかりません。」という気持ちがない。
もてなしの気持ちがない。


■その他

滋賀は、天台宗が強いところだなあという印象。
天台宗系のお寺が多かった。

滋賀湖北は、レンタカーでもよいが、寒い時期でなければ
レンタルサイクルのほうが気軽でよいかもしれない。
9時にレンタルサイクルをして、主要なところであれば、
夕方4時、5時くらいには戻れる。
一度にたくさん回りたいときは、レンタカーのほうがよい。


次回滋賀で見仏する機会があれば、
時間の関係で見れなかった、三井寺等の湖南方面、
湖北のさらに北側や、
湖北の中心でも今回行けなかったところ(石道寺)など
に見仏の旅に出かけることができればと思う。



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滋賀湖北、向源寺(通称:渡岸寺)

2012-04-30 15:00:31 | 見仏(滋賀)
こちらには、国宝の十一面観音。

国宝の十一面観音は、全国で7体のみ。
貴重な存在。
仏像の中でも、ビーナスという表現がつくようだ。

さすがに国宝だけに、常時受け付けの方がいる。
200円または300円だった。安いという印象。

お寺の中の宝物館へと入っていった。
このときは、あまり拝観者がいない状態だった。

十一面観音立像を見た。全体的に、黒っぽい色合い。
聞くと、黒いのは、うるしという。
金箔部分はあまり見られないが、保存状態がよい。
一木作りで、中がくりぬかれているという。
そのため、ひび割れがないと言っていた。
確かに肌つやがよい。

また、体のバランスがとてもとれている。
くびれのあたりが曲げられている分、
上部と腰の部分もやや水平になってなっていなくて、
つまり、実際に人がそうしているかのように
見事に左右のバランスが取れている。
前後のバランスについては、全体的に前傾になっている。

フェノロサの進めもあって、国宝になったとか。

自分が入ったときは、テープによる案内だったが、
しばらくして、大勢の人がはいってくると、
応対した中年のおじさんが、流暢でかつ大きな声で
説明をし始めた。テープか生の声かは、
そのときの状況によるのだろうけど、
おじさん、大勢の人がいたら、
はりきって話しているなあという印象だった。

宝物内には、他に、宝冠のない2mくらいの
大日如来坐像などがいる。

このお寺の近くには、歴史民族資料館があり、
向源寺をはじめ、滋賀の仏像に関してのビデオなどが
流れている。また、仏像も何体か。
そして、全国の国宝十一面観音の7体が写真で
紹介されていた。
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滋賀湖北、己高閣(ここうかく)・世代閣(よしろかく)

2012-04-30 13:30:26 | 見仏(滋賀)
木之元寺をすぎてから、
自転車では、割とつらい長い坂道があったりで、
ちょっと遠いし、引き返そうかとちらりと思ったが、
先ほどの、「引き返してはならない」という言葉が
思い浮かび、引き返すのはやめた。
そしてようやく、次の目的地に着いた。

こちらも、地元の村の人が管理。
今度は、電話で呼び出しというのではなく、
3人ほどの村の有志が常駐しているようだ。

己高閣は、おもに鶏足寺にあった仏、
世代閣は、おもに戸岩寺にあった仏が
収納されている。お寺ではない。
この2箇所の場所は数十メートルしか離れていない。

こちらは、夏の大きなイベントがあるときは、
50人ほどは宿泊できる近くの宿泊施設に
大型バスが乗りつけるらしい。

もう場なれしているというのもあるのか、
非常に細かいところまで、これらの仏像に関する話を
聞かせてもらった。(テープによる案内もある)

今日のいままでのお寺に比べると、
コストパフォーマンスは高い。
500円の料金だが、どんな仏像があったと思い出せない
くらいの数の仏像があった。

最初の己高閣には、比較的きれいな状態で残っている
人間大の不動明王、多聞天、十一面観音がならんでいた。
京都の東寺のとばつ毘沙門天に雰囲気がにている仏もあった。
ややこぶりな薬師如立像7体は、それぞれ形状が違っていた。

次に、世代閣。さきほどよりもたくさんの仏がある。
一番目に付くのが、中央の2m近い薬師如来。羅髪部分が
なく、ぼうず頭。がたいのいいスポーツ選手という雰囲気。
色合いが青緑っぽい感じ。
なかなか他にはない雰囲気の薬師如来だった。
その脇侍(わきじ)の日光月光。
これだけ原色が割りと残っている日光月光ははじめてみた。
それから、後、目に付くのは十二神将のうちの数体。
奈良時代のものはやや老朽が目立つが、平安後期のものは、
下から半分がけっこうあでやかな原色のあとが見て取れる。
保存状態がよい。
他には、お釈迦さんが、魚のうおがしの妻に化身したという
魚籃観音、四天王のうち2体など。

2つの閣あわせて。重文は3体だが、
おじさんは、京都奈良には、たくさん国宝になる仏像があり、
ここは、いなかにあり、あまり目に触れられないので、
国宝にならないと、少しぐちをこぼしていた。
また、四天王のうち一体を修理に出したら
500万かかったといっていた。(仏像買えるよね
という金額?)


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滋賀湖北、木之元寺

2012-04-30 12:25:01 | 見仏(滋賀)
奥の阿弥陀堂には、国宝と書かれた石の門がたっていた。
かつては、国宝になっていつものがあったようだ。

ここは、今日の見仏の中では、唯一普通のお寺の雰囲気。
一番目立つのは、推定8mほどの大きな銅製の地蔵菩薩。
目の辺りに雨による銅の汚れがあり、これが、なんとなく
涙のようにも見える。

ここで、見仏の趣旨とは違いますが、
初体験のことを書きます。
それは、戒壇めぐり。
このお寺で、戒壇めぐりをしてみることにした。
本堂の下の暗闇をめぐるというもの。

最初に注意書きが書かれてあり、・・・壁の右手側を
つたって進む。決して引き返してはならない。・・・
無人の受付で300円を支払い、入ることにした。

最初は少し光がかすかにもれているので、なんとも
なかったのだが、少しすると、真っ暗な状態になった。
これをしっこくの闇とでもいうのだろう。
目をつぶっても、あけても、真っ暗な状況は変わらない。

呼吸が乱れてきた。そして、心臓が正常でない感じになり、
これはだめだ、引き返そうと思った。
しかし、
注意書きに書いてあった「決して引き返してはならない」
という言葉が思い浮かんだ。
前に進むことを決めた。できる限り、早足で前に進み、
3分くらいたったろうか、ようやく外に出れた。

中で錠前に触れたら、お釈迦様と縁を結べるとか、
という話であるが、錠前の感触はわからなかった。

閉所恐怖症、高所恐怖症というのは、なんとなく自分は
そうでないかという出来事があったりするが、
暗所恐怖症というのは、普段なかなか気づかない。
自分は暗所恐怖症なのかもしれない。

自分にとっては、
ほんとうにタチの悪いアトラクションだった。
(本来は、精神修行のひとつで、
アトラクションではないのだが)
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滋賀湖北、赤後寺(しゃくごじ)

2012-04-30 11:27:58 | 見仏(滋賀)
こちらも村の地域が管理するお寺。住職はいない。
受付の建物に当番制と書いてあって、
担当者の名前が書いてあった。
先ほどの2つもそうだが、電話で連絡をとる必要がある。
公衆電話なんてないから、
携帯電話を持っていることは必須だ。

電話をすると、ジャケットをきた初老のおじさんがやってきた。

扉をあけると、千手観音と、聖観音菩薩。
いずれも手首から先がない。痛々しい姿。

最初は、手がとれているし、見なくてもと思っていたが
見ることができてよかった。
たいてい、手先がないと、後から手をつけようかと
思ったりするが、そのままの状態。
逆に不完全なところが、その存在価値を
高めることもあるかもしれない。

今回もテープによる解説があった。
今回は、直接、割と細かく、
この仏像に関しての話を聞かせてもらった。

このあたりは、古戦場となっていて、村の人が
戦火を避けるため、この仏像に関しても川の中に
しずめたりして、仏像を守ったという。
そのときに仏像の下にしいた敷石というのもあった。

こちらの仏像の別名は、コロリ観音。
年を取って老いたとき、何の苦しみもなく
コロリと極楽往生できるというところからの別名。
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滋賀湖北、正妙寺、千手千足観音

2012-04-30 10:10:16 | 見仏(滋賀)
こちらも先ほどと同じ村にあり、
村の人が管理している。

こちらも携帯で電話して、拝観を事前に依頼した。
65歳くらいのおじいさんが応対。
いかにも農家の人というイメージ。

錠をあけてもらって、千手千足観音をみた。
平安期と書いてありながら、目がぎょくがん。
これについて、質問したが、仏像一般的なことに関しては
それほどくわしくはないようだった。

年代がたっているとしたら、木造らしからぬ金色の光沢。
42cmと少々こぶり。顔が憤怒の表情で、
観音でありながら、ちょっぴりこわい顔をしている。

もともと、みうらじゅんの見仏TVで、
見たことがあったので、記憶通りの仏像だった。

由緒は、なさそうな仏像だが、存在感のある仏だ。

こちらも拝観料300円で、案内テープが流れた。

テープを聴くと、それなりの由緒がある仏ではあるが、
果たして、この目の前にある現物は、昔からあるののか?
・・・想像だが、後に作り変えたものではと考える。

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滋賀湖北、西野薬師観音堂

2012-04-30 09:05:33 | 見仏(滋賀)
最初、子供が遊ぶ遊具がそなえてあったり、
また、ややみすぼらしいお寺だったので、
レンタルサイクルで通りすぎてしまった。

出会った村の人に聞いて場所がわかった。
小さい管理事務所のほうに、人はいないようなので、
建物に書かれている電話番号に電話した。

どうやら、住職さんはいないようで、村の人が
寺を管理しているようだ。
一般的な拝観のシステムとはかなり違っている。
しばらくすると、自転車でおばさんがやってきた。
拝観料300円を支払った。
観音堂の錠前があけられ、ご開帳。

そこには薬師如来(?)らしき仏と、並んで
十一面観音そして、両脇には十二神将の2体。
けっこう黒いすすでおおわれていた。
左が馬(?)のように見えたが、
右はおばさんにたずねてもよくわからなかった。

案内のテープが流れ説明を聞いた。

薬師如来の手の印は、阿弥陀如来のような形状に
なっているので、ほんとうに薬師なのかと
疑ってしまうが、手首から先は、江戸時代に
付け替えられたということらしい。
想像するに、元は薬師如来らしく、薬壺(やっこ)を
もっていたのかもしれない。

湖北のあたりは、昔、古戦場だったらしい。
村の人たちは、戦火を避けるため、仏像を土の中に埋めて
守ってきたという。

※滋賀湖北の見仏は、ブログ投稿日時を、
実際の旅の時間にあわせて調整しています。
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