12/23日は今年最後の天体観望会の日で、大勢のスタッフが集合して人手があるということで、大望遠鏡棟に展示しているヨシカワ光器の30cmニュートン反射の赤道儀架台の付け替え作業をすることになりました。
私のような大型機材の設置作業未経験者へのトレーニングも兼ねているのでしょうね。
これまでは宇治天体精機のSKY MAX赤道儀に載せて展示してありましたが、トップヘビーで、少々アンバランス状態であったので、より大型のミカゲ光器の赤道儀に載せ替えです。
まずは鏡筒の取り外しです。
このSKY MAX赤道儀は20~25cm反射がぴったりするんでしょうね。
続いて、設置予定場所にミカゲ光器の赤道儀を設置する準備です。移動式の手動クレーンを設置予定場所まで移動させます。
リフターで赤道儀をクレーンの下に運び入れ、
赤道儀に釣り上げ用のベルトを掛けます。これを玉掛けと言うそうです。赤経軸に異常な負荷が掛からないよう、赤経軸の回転部分を避けて、ベース部分にベルトを掛けなければならないとのこと。
チェーンを引いて赤道儀をパレットから釣り上げて、パレットを取り出したあと、設置場所にゆっくりと下ろします。
つづいて、SKY MAX赤道儀と鏡筒を接続していたプレートを取り外して、ミカゲ光器の赤道儀に付け替えです。たまたまですが、このプレートの四隅のボルト穴位置がミカゲ光器のプレートに合っていたので、特に追加加工の必要なくボルト・ナットで接続できました。
鏡筒をミカゲ赤道儀に取り付けが済んだと思ったら、「あかん、バランスウェイトが先やった」との指摘。
そうです。このような作業はバランスウェイトを先に取り付けたあとに鏡筒を付けるようにしないと、鏡筒が不意に回転してぶつける事故を起こす恐れがあります。
が、済んでしまったことはしょうがないので、一人が鏡筒を支えながら、バランスウェイトを1個1個ねじ込んでいきます。
このウエイトの重いこと、重いこと。1つで20kgぐらいはありそうでした。
無事、移設完了です。大型の赤道儀に乗り、見た目にもバランスが良くなりました。
この鏡筒はヨシカワ光器研究所YK-300 口径300mm、F6.7のニュートン反射です。
鏡筒は回転装置付き、1992年製の特注品。6年前にヨシカワ光器にてメンテナンス済みで、新品のようにきれいです。
本望遠鏡は現在、大型望遠鏡棟にてユニトロンの6インチ屈折赤道儀の横に展示してあります。