ちょっと日が過ぎてしまいましたが、ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡 James Webb Space Telescope (JWST)が南米仏領ギニアの宇宙センターから12月25日21時20分(日本時間)に予定通り打ち上げられましたね。
この望遠鏡はハッブル宇宙望遠鏡の後継機となる望遠鏡ですが、ハッブル望遠鏡とは異なり、地球周回する軌道ではなく、地球と月の距離の4倍も離れたラグランジュ点L2地点というはるか遠方の場所に置かれるそう。ちゅうことは、ハッブルのように不調やから地球から修理に出向くということはできんですね。
打ち上げの2日前に、UnistellarのCitizen scienceより、皆でJWSTを追跡しよう、というキャンペーンの案内がありました。
NASAのJPLサイトに公開される打ち上げ後のJWSTの最新の座標情報をeVscope用に逐次更新されるサイトをUnistellarのエンジニアチームが用意してくれてました。
このサイトにアクセスすると、各自の観察場所での観察したい時刻のJWSTの座標、撮影条件が入手できるのですが、それをクリックするとディープリンクが埋め込まれていて、eVscopeの操作画面に自動的にその情報が送信されるという便利なツールです。
eVscopeによる各citizen science programでは通常このディープリンクが利用できるので、簡単にしかも間違いなく座標などを入力できる親切な設計となっていて、感心します。
さて、打ち上げ当日ですが、打ち上げの様子はYouTubeでNASAのライブ中継を眺めてました。
日本からは打ち上げ1時間後ごろからJWSTが夜空を移動する様子をeVscopeで観測できそうであったので、ずっと待機していたけれど大阪はべた曇り。
もう今夜はあかんか、と諦めかけた打ち上げ後4時間を経過した25時過ぎ、少しの時間雲の切れ間を捉えてeVscopeで撮影を実行し、その姿を捉えることがでけました。
2021-12-25 25:35(JST), 48s exposure。
撮影中のスマートフォンの画面でもわかったのですが、中央のJWST本体とは別に画面右下に同じ速度で同じ方向に動く軌跡を捉えることができました。
どうやらJWST打ち上げ用に使われたAriane 5ロケットのUpper stage部分のようでありました。打ち上げ29分後ごろに切り離されたロケットが4時間を経過した後もJWSTのあとを追いかけているのにはびっくりです。
なお、方向、移動速度が違う左端の軌跡は、調べてみたら、TJS-4という人工衛星がちょうどその時間帯にこの領域を横切ってました。
これがJWST位置情報のサイト。観察地点として大阪市で実行してます。
赤丸のアイコンの部分にこの情報のディープリンクが埋め込まれていて、クリックするだけでeVscopeに自動的に取り込まれる。