先週金曜日に、東京品川のニコンミュージアムに行ってきました。
企画展である「ニコン双眼鏡・100年の歴史」展が目当て。
いくつか写真を撮ってきたのでブログで報告しようと思ったら、すでにこちらのブログで詳細な紹介がありました。
https://astro365.exblog.jp/27540131/(四季星彩)
日本光学工業(現、ニコン)は1917年の設立で、去年創立100周年を迎えました。
東京計器製作所、岩城硝子製造所、藤井レンズ製造所の3社が統合されて設立されたそうです。
1921年にドイツより8名の光学関連技術者を5年契約で招へいし、欧米(独)の光学技術を吸収しようとしたようですが、天体望遠鏡の自社開発にはそれからさらに10年もの期間を要し、第1号機である20cm屈折赤道儀を現国立科学博物館に納品できたのは1931年のこと。1926年に西村製作所が工業製品としては国産第1号となる15cm反射経緯台を京都大学に導入したのに遅れること、5年です。
それに対して、双眼鏡は藤井レンズ製作所がすでに双眼鏡の製造開発技術を有しており、ニコンの双眼鏡第1号機は設立翌年の1918年に製造販売されたようです。
その後100年間、ニコン双眼鏡は連綿と新製品が開発、製造販売されてきて、昨年の100周年にはその集大成とも言えるWXシリーズ高性能双眼鏡が市販されたのは記憶に新しい。
そのニコンが一般向け天体望遠鏡から撤退しているのは少し寂しい。
ニコンミュージアムは品川インターシティC棟2Fにあります。
壁には「ニコン双眼鏡の進化と変遷」の年表。
ニコンの前身の3社のうちの1社である藤井レンズ製造所時代からスタートしています。
展示品も1910年代からスタートし、年代順に並んでいます。
展示物の中で最も古い双眼鏡です。1911年製の双眼鏡で、ニコン設立前の藤井レンズ製造所の製品です。
ニコンとしての第1号双眼鏡、Victor(天祐号)6x30、1918年製。
特殊な双眼鏡は以下の25cm大型双眼鏡と潜水艦搭載用の双眼鏡。どちらも軍用品ですね。
中央に鎮座する1939年製の25cm双眼鏡。
可搬式では当時の世界最大のものであったそう。
国立科学博物館の所蔵品だそうです。前回の一般公開はニコン創立50周年のニコンフェアの時だそうで、50年ぶりの公開です。次の一般公開は50年後?
潜水艦の甲板に設置されていたという防水耐圧設計の双眼鏡。
天体望遠鏡は1台だけ展示されてました。
徳島市立高校で使われていた20cm、F12屈折(1970年製)で鏡筒のみの展示です。赤
道儀・脚に載せての展示はここでは無理やわなあ。大型赤道儀のセットのニコン大型天体望遠鏡をご覧になりたい方はぜひ天体望遠鏡博物館へどうぞ。
鏡筒のすぐそばに天体望遠鏡博物館のパンフレットが置かれてました。博物館から置いてもらうようお願いしていたものです。