Goo ブログ「インターネット新党」の「見識に欠ける片山さつき」から引用します。
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先日、自民党の片山さつきがラジオに出演していた。
メインテーマは彼女が深く関わっている「生活保護法改正」だったのだが、彼女が色めき立ったのは、その後の中国による「防空識別圏変更」の問題である。
彼女自身「この問題は私の専門分野」とさえ言っていたのだが、そこから聞こえてくるのは「場合によってはドンパチ」とか「中国は一歩引いたら、百歩踏み込んでくる連中だ」といった、高校生レベルの単純な交戦論でしかない。
貼り付け元 <http://blog.goo.ne.jp/fuwa_toshiharu/e/42bbd80248de444a057848d88aed178f>
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文章の終わりに、片山さつき氏の「国会演説」の音声が埋め込まれていたので、それを聞いて、「防空識別圏」問題の重要性について知った。「インターネット新党」の著者が再びこの問題を取り上げてくれるのを待つつもりでいたのですが、気になって、自分で調べてみました。
「防空識別圏」問題はかなり深刻です。「防空識別圏」とは領海と同じような「領空」のようなものです。ただし、ジェット戦闘機・爆撃機はマッハ2というスピードなので、領海の上空まで敵機を侵入させてしまっては、次の瞬間には本土が攻撃されてしまう。それで「領空」は「領海」と一致させずに「経済水域」とほぼ一致したものにします。しかし、これを規定する国際法はなく、各国が勝手に設定し、敵機がそれを犯した場合空中戦になるということです。民間機がそれを犯すと、撃ち落されて終わりです。
第二次大戦後、アメリカ軍が東シナ海の上空に設定した防空識別圏に挑戦する国はありませんでした。
今回中国が初めてそれに挑戦しました。アメリカの防空識別圏の内側に食い込む形で、中国の防空識別圏を新たに設定したのです。陸上の話でいえば、国境線を勝手に引き直したのです。アメリカ空軍が黙っているはずがありません。尖閣諸島の場合、日本の島と経済水域に対する挑戦でしたが、今回は米空軍に対する挑戦でした。もちろん同時に日本の航空自衛隊に対する挑戦です。
米空軍は南西諸島上空での訓練を、今までのようにはできなくなります。訓練のための空域のうち西端部分を失うことになります。
また民間航空機は東寄りに航路を変更しなければなりません。今まで通りの航路で飛びたいのなら、日本にではなく中国に飛行許可を申請しなければなりません。
米軍が設定した空の国境線を真っ向から否定することは、米軍に対する宣戦布告に等しい。米軍は認めるはずもなく、中国は引き下がるしかない。中国は、できるだけ面子を失わずに引き下がる方法を探すしかない。これが、米メディアの一般的な見方です。
ところがです。Yahooニュースが,新華社のとんでもなない話を転載していました。
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<新たな大国関係を模索する中米にとって、「反中興奮症」の日本の存在はさほど重要ではない>
中国の防空識別圏問題で、「反中興奮症」にかかっている日本はホワイトハウスに対し、安倍政権との一致を保つよう強く求めた。中国に防空識別圏の撤回を求める共同声明の発表を迫ったのだ。
日本は米国を対中抗争の最前線に立たせようとした。だが、日本の要求は米国に拒絶されてしまう。しかも、米政府は自国の航空会社に対し、中国当局への飛行計画提出を“助言”した。日本政府が自国の航空各社に「中国への飛行計画提出を拒否するよう」毅然と要求した直後である。
貼り付け元 <http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131205-00000024-xinhua-cn>
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超大国アメリカが認めるはずがないことを、現在のアメリカは認めてしまうのだろうか。私はこの記事を読んで愕然としてしまった。
ネットの一部では、最近、米中接近が語られている。それも、ニクソン・キッシンジャー時代の時よりもさらに密接な関係である。上記の引用文で、新華社が米中の信頼関係を誇らしげに語っているが、これが現実なのだろうか。アメリカという国に今地崩れが起きているというのは本当なのだろうか。
もしそうなら、片山さつき議員が主張するように、航空自衛隊は中国空軍との空中戦を覚悟しなければならない。もちろん、戦略を練ってからの話であるが。空中戦の決断は、政治も含めた全戦略が決まってからで遅くない。
ただし、ロイターは新華社と正反対のことを伝えている。
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12月6日、副大統領ジョー・バイデンは、尖閣諸島上空に中国が新たに設定した防空識別圏を、合衆国政府は認めない、と語った。
バイデンは北京での会談について触れて、言った。「私は、大統領に代わって、これ以上ないほどはっきりと言った。われわれは、今回中国が設定した防空識別圏を認めない。アメリカ空軍は完全にこれを無視する。完全にである。」
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新華社がとんでもないデマの報道をしたようであるが、万一密約があり、バイデンの方が嘘をついているとしたら、空恐ろしい話である。政治・軍事・外交は何が起きてもおかしくない闇の世界である。
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