遅きに失する、英語ではtoo lateだろうか?
私は短気な気性で、早きに失することでは人後に落ちない。これまでの人生での失敗は、それに因るものが多かった。反面、遅きに失したことは滅多に無い。
遅疑逡巡(グズグズ)することを体質的に嫌う、一言でいうならオッチョコチョイである。
拙速という言葉は、石橋を叩いても渡れない人たちが、即断即決派を難じるときの常套語である。だが拙速は、結果に対する責任の隠しようがないから潔い。遅疑逡巡は、結果に対する言い訳と胡魔化しに結びついている。
この世には、best の解を選ぼうとする人たちが多すぎる。それが不可能であることに気付いていない。betterの方を選ぶなら二者択一で、誰もが早い選択が出来る。しかしbestとなると三択以上となり、それだけ判断の難度が上がる。遅疑逡巡が増える理由である。
旧陸軍の関東軍参謀で、戦後商社マンに転身し役員に登りつめた人物は、問題解決にあたって3つの案を提示し、その中からひとつを選ぶ三択方式で知られていた。
これは自分の能力を人に印象付ける彼一流のテクニックで、緻密な頭脳で熟慮(二者択一の繰り返し)を重ねて選択した最適案に、対案2案を付加して三択問題をつくり、解決能力の確かさを印象づけたと考えるのが妥当だろう。
人の判断力は本来、二つのものを比較してどちらかを選ぶなら、大抵は答えを誤らない。選択肢が多くなるほど、正解を見つけ難くなる。
どうやら判断というものは、二者択一の設問を短時間に多数回繰り返すことで成り立つもののようだ。電話詐欺にかからない為には、二択のチェックシートを備えておくのが良さそうだ。
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