道々の枝折

好奇心の趣くままに、見たこと・聞いたこと・思ったこと・為たこと、そして考えたこと・・・

思いもよらぬ仕儀

2021年02月18日 | 人文考察
人と接して、思いもよらぬ方向に事が進展しまうことがある。予測外の事の成り行きは、収拾が難しい。

先日、ホームセンターでドリルガイドを購入した。電動ドリルの錐を材木に垂直に立てるための補助具である。ところが手持ちのドリルの首の直径とそのガイドのドリルクランプの口径が合わない。

次の日、ドリルガイドに適合するドリルに買い換えようと店に行き、売り場の担当者を呼んでもらった。
ヴェテランの女性店員さんが来た。売場の責任者らしい。好いたらしいタイプの女性だった。

事情を説明すると、その女性は得たりとばかり、壁に多数展示されている電動ドリルから幾つかを選び、細いメジャーをドリルの首を巻きつけ調べ始めた。実に動作がキビキビしている。
(さすがヴェテラン!外周直径がわかるんだ!)と改めて感心し、期待を籠めて選択作業を見守った。

ひととおり計り終えたが、見つからなかったらしい・・・
彼女はメジャーで輪をつくってかざし「無いですねぇ!」と嘆息した。
「それにしても、43ミリとは細いですねぇ!」と宣った。
「エッ?!えっ?!」・・と私。
「細くないでしょ!43ミリもありますよ!」私は辺りも構わず、ムキになって云い返した。

彼女が熱心に計っていた外周43ミリは直径では約14ミリ。たしかに細い。そんな細い首径の電動ドリルなどあろうとは思われない・・・
「えっ!?エッ!?」・・彼女は私が伝えた直径を外周長と錯覚していたことに、漸く気がついた・・・

私はその場にいたたまれなくなってきた。
売場には他の客も何人かいる。
人一倍妄想の逞しい私は、独り狼狽赤面した。店員さんとはいえ、女性に面と向かって細いの太いのとメジャーを振りかざして議論するのは、あまり人に見られたくない姿である。

女性が「細い」と指摘し、男性が「細くない」とそれに反論していたら、周りの客たちは耳をそばだてずには措かないだろう。
独り気を揉んで、すっかり疲労困憊してしまった私は、店員さんに礼を云うのもそこそこにその売場を退散した。









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