九州周回の旅を企画したのは妻だが、その旅程に松浦鉄道への乗車を是非にと加えたのは私だった。古く邪馬台国の時代は魏志倭人伝に記された末盧国、その後の中世には松浦党の本拠であった風土に触れてみたい念いが強くあったからだ。 前夜伊万里に泊まり、翌朝気動車に乗った。伊万里から松浦までは海が見えているが、中間のたびら平戸口駅から平戸駅間は、線路が海から離れ丘陵の間を走る。
MR-500という . . . 本文を読む
4月下旬からの、史上最長連休のほとぼりが冷めた5月中旬、九州を駆け足で周回した。
九州旅行の目的は3つあったが、その内の一つは、有明海のムツゴロウの刺身を食べることだった。
佐賀のホテルに夕刻着くとすぐ、ムツゴロウを食べさせてくれる店に出かけていった。魚介仲卸会社が経営する店で、水槽の中の有明海産の魚・貝を見たときには、かつて未踏の山を前にしたときにも似た興奮を覚え . . . 本文を読む
天竜浜名湖鉄道の西ルートは、2月にユリカモメを見るため佐久米駅に行ったときに、西鹿島駅から下り終点の新所原駅まで乗った。西鹿島駅から上り終点掛川駅までの東ルートには、遅ればせながらこの齢になって今回初めて乗る。いつでも出来ることはとかく後回しになる。これで漸く、全線の車窓風景を眺める望みが叶った
西ルートは浜名湖の眺望に魅力があるが、東ルートは線路の両側を高さ30mほどの低い丘陵 . . . 本文を読む
かつて当ブログで「磐田の巨樹」という記事を投稿した。
磐田という土地には、特別の想いがあり、その諸々の想いを巨樹の一本一本の枝に見立てたから、印象が深かったと思う。 先日浜松市街を歩いていて、クスノキの大木が市街の身近な場所で生育していたことにはじめて気づいた。場所は市内中心部、平田町と千歳町の境目辺りだろう。
樹齢はとても磐田のものに及ばないが、この樹も数百年後には、街中の . . . 本文を読む
前月から桑の実の収穫が続いている。高さ3mに満たない低木だが、枝が垂れ下がるほどに赤い実がなり、黒く変わると完熟する。毎日穫っても黒い実は減らない。
生食しても甘みと酸味が乏しく、家人には人気がない。したがって加糖して生ジュースやジャムに加工するが、夫婦だけではとても消費しきれるものではない。収穫は既に2週間目に入り、摘み取った桑の実で、冷蔵庫が満杯になってしまった。
この桑の . . . 本文を読む