てんちゃんのビックリ箱

~ 想いを沈め、それを掘り起こし、それを磨き、あらためて気づき驚く ブログってビックリ箱です ~ 

私の初めての海外出張(その2) ロンドンおよびドイツ

2021-02-24 13:19:13 | 昔話・思い出

 前回の続き
 40年前の初めての海外出張の2回目。全体で5回になる予定。


3.旅行の過程 の続き

(2)ロンドンにて
 ここで強く印象に残っているのは、ケンブリッジにある研究所見学と、デパートでの土産物購入、そして小グループで行った夕食である。

①研究所見学
 バスでケンブリッジにある研究所に行き、一日がかりで見学した。説明では研究所として独立していて、財政基盤の基本はそこが製作する特別な技術レポートを受け取ることができる公的機関や企業の出資であり、また研究者が研究テーマを提案し賛同を得た企業等から集めた資金で研究を実施しているとのことだった。
 ただしやはり公的機関との連携は強いようで、その時は大きな別棟を立てて、北海油田用リグの構造評価や耐久性試験をやっていた。人のいないただっぴろい建屋の中に大型試験機がならび、ゴトゴト海水環境での耐久試験をやっているのを見ると、ここでごっそりと稼いでいるのだなと思った。
 
 すべての研究室を見せてくれた。それぞれ最新計測機器に工夫を凝らした手作りの設備を付けて実験をしていた。手作りの部分がこの研究所の権威のバックグラウンドだろう。
 各研究員がやっている研究は、企業等に研究提案書を書き、賛同が得られ資金が集まれば実施するとのこと。試験結果はそのスポンサーのみに紹介する。だいたい初期実験計画に基づいて実施し、提案で想定した成果に至らない場合は、到達できなかった成果の現状とそうなった推定理由を報告することで、計画期間内に研究を終了するのこと。
 この辺りは、失敗のレポートを認めず成功を求めてじたばたする日本とはだいぶ違うと思った。
各研究員は、いい提案書を作って資金を集めることが要求され(各個人の売り上げ)、これは大変だなと思った。
 日本の研究所は、多分現在でもこのレベルに達していないと思う。しかしこの研究所は今世界各国に代理店を置いている。



<研究所の近くの街並み  とてもクラシックできれいだった。>


②土産物の購入
 配偶者から陶磁器のお土産を要求されていたので、旅行の最初だけれどもいつ買えるかわからないとデパート(多分ハロッズ)に行った。その時は他の会社の偉い人と一緒だった。
 その人はバーバリーの売り場に直行し、自分のコートと奥さん用のコートをすいっと買った。奥さん用のは一応寸法を持ってきていたが、着て確認もしなくて大丈夫なのかと思った。彼に言わせると、ほぼすべて奥さんのものは彼が買っているので大丈夫だそうである。

 彼が包装しいてもらっている間に、私は陶磁器売り場に行った。配偶者の希望はウェッジウッドだった。そこにはヨーロッパの高級陶磁器がずらっと並んでいた。その中で特に立派なショーケース3つがあり、並んでいたのがウェッジウッド、ノリタケ、大倉陶器。
 マイセンやロイヤルコペンハーゲンなどよりも2本のブランド2つが上位に扱われていて、誇らしくなった。
そこで、ウェッジウッドの小さな皿と、ロイヤルドールトンのロイヤルカップルをあしらった皿を購入した。あの頃のダイアナ妃はとても初々しかった。(これは今行方不明)



<購入したウェッジウッドの皿>


③夕食
 イギリスはあまり美味しい食事はなさそうと話したら、じゃあと添乗員が我々数人を連れて行ってくれた。いった所は中華料理屋。日本と同様な名前が付けられているが、やはり独自のアレンジがある。当に美味しかった。メインにはオマールエビが出たが値段はリーズナブルだった。
 添乗員のいうことには、中国人は世界のどこにも進出して中華料理屋を出している。そして民族として食と金に最もうるさい。だから外国でお腹がすいて迷ったときは、ある程度ちゃんとした店構えの中華料理屋にいけばいい。ただし場末の汚い店はハイリスクだから避けた方がいいとのこと。
 その後世界各国に行ったが、中華料理に行っておけば確かに外れはなかった。ただし中華料理は、日本が最もきれいで美味しいと思う。


(3)ドイツにて
 ドイツでは、デュッセルドルフに行きそこの国際見本市展を見るとともに、どこかの街の研究所を見た。企業もどこか行ったが完全に忘れた。そして楽しいビヤホール。

①国際見本市
 一日ご自由に回ってくださいと、見本市会場におっぽり出された。本当に広くて、行けども行けども向こうの壁に達しない感じ。
 数人の上司から、パンフレット蒐集や展示の質問を預かってきた。それで配置図から一生懸命対応する企業のブースを探し回った。注文の上司のやっているテーマがそれぞれ違うので、なんだかわからないジャングルの中を歩いているようだったが、その時初めてそれぞれの人の専門もしくは興味を持っている分野が分かった。またそれぞれの依頼も「こんなのがあったら見てくれ。」から「このリストのブースに行ってパンフレットをとってきてくれ。」、果ては「どこそこのブースへ行って質問をしてきてくれ。その質問の内容を英語で書いておく。」まで様々だった。 こういった依頼の仕方は、その後上司に自分がなるうえで、非常に参考になった。
 見本市全体としての印象は、自由度の高いロボットの乱立。まさに現在の工場の先駆けであったと思う。

 見本市で特記しておくのは、アイスバイン。これは豚足の料理の名前。ドイツに留学していた有名教授が、これが美味しいから絶対に食べてこいと言った。見本市会場のレストランで最も高い料理として、それがあったので、ちょうどその時集まった数人で発注した。ウェイターはとても喜んだ。そして出てきたのは豚のひずめに少し肉が付いたもの。
 そこに集まった誰もがちょっとつついただけで、食べ方がわからない。ほとんど食べずに出る時、ウェイターがぶすっとしていて水をかけられるかと思った。 

②研究所見学
 いろんな所に分かれて設立されたドイツ最大の研究所。非常にフレンドリーに迎えてくれた。ちょっと期待したが、友好のセレモニーそして両国代表のそれぞれの技術の現状の講演が行われた。その途中で隣に座った人が、「中をあまり見せたくないのだ。」と囁いてきた。実際に、その研究所のショールームと当たり障りのない汎用的な研究室しか見せてくれなかった。
 交渉窓口の担当者は後で文句を言われていたが、裏方さんは大変だなと思った。
 ただし、代表者同士の講演で印象に残ったのは、人間作業に対する信頼性。ドイツ人の思想は、人間は失敗するものだから機械の判断力を向上させてできる限り機械化すべきという考えで開発が進められているようだった。日本側は、最終調整は人の判断ということで、ヨーロッパとアメリカの考えの違い(日本はアメリカの影響下)を知る初めての経験となった。
 なおここの研究所でも、資金のかなりの部分を民間からの委託によるとのことで、公的機関と産業界の連携が日本よりはるかにうまく進んでいると思った。日本は現在でもうまく進んでいない。


③ビヤホール
 ドイツと言ったらビヤホール。自然に集まった数人でホテル紹介のビヤホールに行った。
そのグループには短期だがドイツ勤務していた人がいた。彼にメニューを任せるというと、違うやり方で行きたいと言った。
「まずみんなが、メニューの順番に違うビールをとっていく。またソーセージもメニューの順番にとっていく。それを飲んで、様子や自薦他薦の言葉から、みんなで一斉の飲むビールを決める。そして次の順番でまたそれをやる。ビールもソーセージもメニューにずらっと並んでいて、ビールは3回、ソーセージは2回 一斉に違うものを飲むことができ、また食べた。
 メニューの中で、注文した時にウェイタ―がこれは勧めないというものがあった。それでも注文すると、ピンクとグリーンのビール。甘かった。女性が飲むものらしい。また一般のビールとは枠外のものを頼むと、大きくないグラスで持ってきた。アルコール度20度近いビールだった。
 9月だから一応(r)が入っていて貝を食べる状況になっていたが、ドイツ勤務有りの人が、まだいい時期じゃないし今旅行中であたったら悲惨な目にあうからやめようと、品行方正なことを言うので真面目にやめた。でもやっぱり食べてテーブルに貝塚を作ったグループがいて、次の朝食の時盛り上がった。

次はマドリードとリスボン

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする