永遠のゼロ

言わずと知れた百田尚樹氏の原作ですのであらすじなど野暮なことは書きません。

映画2時間半、テレビ6時間以上テレ東開局記念だけあってテレビの方が原作に忠実と言えるでしょう。

その証拠に映画ではカットされた原作がテレビでは表現されています。

3倍の時間を埋めるための映画と比較してのダラダラ感は目を瞑るとして、

まだ第一部しか拝見してませんがその衝撃のシーンは米兵パイロットが落下傘で脱出しているところを

宮部が機銃掃射で攻撃するシーンです。

百田氏が何故このような残虐性を入れたのか？

＊対抗手段としての表現
＊ノンフィクションに近づける為の表現

などが考えられます。主人公宮部は架空の人物ですが実在した何人ものエピソードを重ねて描かれています。

物語全般もラブストーリー化していますが、体験者からの経験談の聞き取りを行い史実に忠実に描かれているのです。

恐らく忠実に描くばかりに噂話や不正確なものまで忠実に書き込んだのかもしれません。

しかしながらこの１冊はそれまでのプレスコードを破る、画期的なものであったことは確かです。

それまでの出版界は特攻はタブー視され、描くだけで、美化していると攻撃されることが当たり前でした。

その対抗手段としてダークなものまで表現したのかもしれません。

どちらにしろこの１冊は史実を忠実に描けなかった
歪んだ言論空間を変えた、画期的な１冊だと今更ながらに思います。

左に曲がった言論空間からは右翼イデオロギー本と攻撃されるでしょうが、この本がベストセラーとなったことが、確実に日本を変える原動力となったのは間違いありません。