ロイターやWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)によれば、UAW(全米自動車労組)は、テネシー州にあるVW工場で、労働者の過半数から授権カードへの署名を獲得した。
自由に労働組合を結成し、労使交渉をおこなうことができる日本と異なり、アメリカでは、労働者の過半数の支持を受けた場合のみ、労働組合が労働者を代表して企業と労使交渉を行なうことができる仕組みになっている(正確には、企業に労使交渉が義務化される)。これは、「多数決に基づく排他的な団体交渉制度」と呼ばれる。
過半数の支持を得ているかどうかを判定する選挙を「組合承認選挙」という。選挙は、全国労働関係局(National Labor Relation Board)の監督のもと行なわれる。この選挙を実施するには、あらかじめ30%以上の労働者から授権カードへの署名を集めなければならないと決められている。
なおボブ・キングUAW委員長は、(雇用を守るため)生産性向上にも積極的に協力するとしており、UAWも以前とはずいぶんかわってきている。
しばらく事態の推移を見守りたい。