米国の長期(10年)国債利回りは1980年代前半(レーガン大統領時代)にピークをつけ、その後、一貫して低下してきた(価格は逆に一貫して上昇してきた)。それをあらわしたのが、下の図である。
しかし現在、米長期国債の利回りは上昇に転じている。
はたして米長期国債の利回りはこの先4%、5%とどんどん上昇していくような長期上昇のトレンドに入ったのであろうか?
一部の投資家は、そのような立場で大きな賭けにでている。ウォール・ストリート・ジャーナル(2018/2/26)は、米長期国債についてのショート(価格低下=利回り上昇で利益がでる取引)が大きく積みあがっていると報じている。
一方、CNBC(2018/2/23)が伝えるところによると、世界最大の債権ファンド・ピムコを長年率い債券王の異名をもつビル・グロス氏は、おだやかな金利上昇(マイルド・ベア)を予想している。
グロス氏は、債券投資家に対し、パニックになる必要はない、ただしこれからは利回り上昇が債券価格低下で相殺されるので債権投資は0-1%程度の利益しかうまないだろうというようなことを述べている。
このためグロス氏は現在、わずかなショート・ポジションを除いて米国債への投資をおこなっていないようである。
これからアメリカの長期金利がどう推移するか私にはとても予想がつかないが(アメリカでは2018年末には3%を超えているとの予想が多いようであるが)、その推移を注意してみていきたい。
追記
上記ウォール・ストリート・ジャーナルは、一定の方向(利回り上昇)にあまりにポジションが傾きすぎると、逆の動きになったとき一気にポジションが巻き戻され市場は不安定になると指摘している。