すいません。まだ年賀状書いていません。
ところでフィナンシャル・タイムズ(2015/12/24)は、VWのリコール進展状況を伝えている。
同紙によると、ヨーロッパでのリコール対象車は約850万台。ソフトウェアの修正と部品取り付けにかかる時間は約1時間半。当初、リコールコストは1台当たり700ユーロ(約9万円:1ユーロ=130円)との予想もあったが、実際には200ユーロ(約2万5千円)以下で済んでいる。VWは、燃費改ざんソフトの存在が明らかになってから、リコールや賠償のため67億ユーロ(約8700億円)を特別損失として計上しているが、ヨーロッパでの損失は予想よりかなり少なくなりそうだという。
問題はアメリカである。ヨーロッパのNOx排出基準が1キロにつき80mgであるのに対し、アメリカのそれは31mgと格段に厳しい。ヨーロッパのような費用での対応は不可能である。FT紙は、古い第一世代のディーゼルエンジンはアメリカの厳しい基準に合うよう改修することがそもそも不可能で、32.5万台の対象車については価格の25%増しで買い取りをおこなう可能性を示唆している(買い取りに応じた人は損害賠償訴訟ができなくなる)。その費用は32.5億ドル(約4000億円)に達する。VWはこのほか、所有者からの損害賠償訴訟のリスクにも直面している(以上FT紙より)。アメリカでの状況の進展については、これからも注意してみていきたい。
ところで、アメリカのメディアではVWの問題と同じかそれより多くタカタの欠陥エアバックの問題が報じられ続けている。命にかかわる問題であることと、タカタの対応が遅れていると多くの人から思われていることが問題の終結を難しくしている。この数週間だけでも、アメリカで同社製エアバックによる9人目の死者が認定されたことや、現在フロリダでおこなわれている裁判において、5年前にすでにホンダがタカタのエアバックに大きな問題があることを認識し、同社に問題の解決を迫っていたことが明らかになったことなどが主要メディアで大きく報じられている(前者は日本でも報じられたが、後者の問題は私の知る限り日本の大手メディアでは報じられていない)。アメリカではタカタの問題はVWの問題と同じぐらい大きな問題であり続けている。一刻も早い問題解決が望まれる。