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クリオロフォサウルス1



クリオロフォサウルスは、ジュラ紀前期に現在の南極大陸に生息した獣脚類で、南極横断山脈カークパトリック山の標高4200 mの地点でハンソン層から発見された。部分的な頭骨、腰帯、後肢などを含む部分骨格が見つかっている。

クリオロフォサウルスは、1994年の最初の記載以来、最も初期のテタヌラ類という位置付けであったが、2007年になって、テタヌラ類ではなくディロフォサウルスの仲間に属するという解析結果が報告された(Smith et al, 2007)。それによるとクリオロフォサウルスは、米国のディロフォサウルス・ウェテリリ、中国のディロフォサウルス・シネンシス、南アフリカのドラコヴェナトルと共にまとまったグループ(単系群)をなすという。これらの獣脚類では、原始的なコエロフィシス類の形質と進化したテタヌラ類にみられる形質が入り混じっており、全長6m前後と中型で、頭部になんらかのとさかを持っている。ジュラ紀前期にはこれらの恐竜が古竜脚類とともに世界各地に分布していたらしい。

 これにより、従来のコエロフィソイドからディロフォサウルスの仲間が独立した形になっている。まずコエロフィシス類が分岐し、次いでディロフォサウルスの仲間が分岐し、その後ネオケラトサウリアとテタヌラ類が分かれた形である。(この分岐図ではズパイサウルスは、ディロフォサウルスの仲間の根元付近から分かれている。)

 というわけで、丸ビルで先行展示されている骨格を見てきたが。この復元骨格は、原始的なテタヌラ類という想定で作られているようである。手が完全に3本指で、かなり進化したカルノサウルス類のようにもみえる。全体にアロサウルスっぽくないだろうか。ポーズは良い。




 独特のとさかの他に、下側頭窓が完全にくびれて頬骨と鱗状骨が結合している(下側頭窓が上下に分断されている)ことも固有の特徴であるらしい。

参考文献
Smith, N. D., P. J. Makovicky, D. Pol, W. R. Hammer, and P. J. Currie (2007), The dinosaurs of the Early Jurassic Hanson Formation of the Central Transantarctic Mountains: Phylogenetic review and synthesis, in Antarctica: A Keystone in a Changing World-Online Proceedings of the 10th ISAES, edited by A. K. Cooper and C. R. Raymond et al., USGS Open-File Report 2007-1047, Short Research Paper 003, 5 p.; doi:10.3133/of2007-1047.srp003.
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