河川敷の土手の斜面には草刈り機が入り、私の肩ほどもある草たちが一掃されていました。見晴らしはよくなったけれど、何となく管理された味気なさを感じなくもない。
鬱蒼と茂った草が姿を消したので、今までは踏み固めらた砂利道だけを歩いていた犬たちも、四方八方へ駆け回ることができるようになりました。とはいえ、もうあまり若くない犬たちはぞろぞろ私の後に従うことの方が多いのだけど。
ところが、今朝、ブナが何やら鼻をひくつかせながら、砂利道を外れて新河岸川の方へ駆け下りて行きました。「ブナ、いけない。戻って」と言いながら、目を凝らしたブナの鼻先に細い棒のようなものが…。いや、曲がりくねっているから棒じゃない! ヘビだ!
「ブナ、ダメ! 戻りなさい!」と絶叫しながら、私も一目散にブナのもとに。ヘビは2匹。シマヘビと濃い緑のヤツ、青大将かも! 「ブナ、ブナ、ダメだって!」と私が叫ぶものだから、クリも舞い上がってついてこようとします。ブナの首輪をつかんだところでよく見ると、ヘビは微動だにしない。
ヘビは…、ヘビは死んでいました。緑色のヘビは頭もありませんでした。草刈り機に巻き込まれてしまったのでしょう。
ヘビにしたら、聞き慣れぬ音と不気味な振動が近づいてきて「ひえ~!」と思ったでしょうが、機敏に逃げることもできず、あえなく刈り刃に巻き込まれてしまったに違いありません。なんと気の毒なことか。
ブナにつられてクリ、トチもヘビを見に来ました。くわえでもしたら目も当てられないので、お尻を叩きつつ砂利道に誘導したのでした。シマヘビや青大将がいるのだから、やっぱりまむしがいても不思議ではありませんね。
でも、なんで違う種類のヘビが同じ場所で息絶えていたのだろう。異種間交流を図っていたのかしら。いずれにしても可哀想な光景でした。