詩誌『帆翔』第48号が刷り上がってきた。私は震災後に書いた詩を寄稿した。ドジョウ総理はTPP参加に意欲的のようだ。考えると恐ろしい。彼が大切にしたいものは何なのだろう。日本は落日のまま、ズタズタになってしまいやしないか。
「過ち」
明けない夜があることを知った
海に浮かぶ墓標が
やがて心にしまわれる日がくるだろうか
行き場をなくした何千という魂は
どこを彷徨っているのか
見えない塵が土壌を汚し
借りものである自然を
あるがままの営みを残したまま
子孫に返すことができなくなった私たち
沿岸に建ち並ぶ破壊された建物から
人が作りだしたにもかかわらず
人の手では葬り去ることができない異物が
放出されつづけている
たくさんの人々の弔いもできず
自然に対して大罪を犯したまま
それでも陽はのぼる
けれどいまだ闇は去らない
いつになったら
夜明けを喜べるのか
清澄な空気を
だれもが同じように
胸いっぱいに吸い込める日は
くるのだろうか