カヤは少しずつだけどまっすぐ歩けるようになってきた。精神的にも落ち着いてきたのだと思う。
「ひとりでまっすぐ歩いてきたのよ~」
私には、ブナの徘徊や排泄物の踏み散らかしの経験があったために、カヤの旋回にもストレスを溜めずにすぐに受け入れられ、糞尿の館になっても当たり前のように対処することができたのだと思う。
ブナが徘徊し始めたときは正直、気になってイライラしたものだ。それをうまく手放せるよう気持ちを整理することができたから、何カ月間にも渡り向き合ってこられたのだと思う。
ブナはいろんな所にぶつかり、痛い思いをして本当に可哀想だったけれど、あの経験が今の私を支えている。そういう経験をさせてくれたブナに改めて感謝である。今でも心の底から愛おしい。
妹夫婦も動物好きなのでカヤの受け入れを歓迎してくれ、ときどき見にやって来る。今日も会いに来た彼らが「カヤはだいぶ落ち着いてきたんじゃないかな」と言ってくれた。
カヤが来てから2日くらいは水皿の場所を教えるためにカヤを連れて行ってやっていたのだけれど、今では放っている。カヤは回りながらでも水皿を探して、ちゃんと水を飲んでいる。室内の配置や距離感をなるべく自分の体で覚えてほしいと思うので、あまり過保護にしないように気を付けている。
落ち着いてひとりで眠る時間も少しずつ増えている